国内最高峰トーナメント・JB トップ50シリーズで、昨季見事に年間優勝を果たした九州の若武者・梶原智寛。当時の年齢、弱冠23歳。奇しくも西暦の下2桁と実年齢を同じくする今季2024シーズン。その開幕に合わせ、新たな武器で戦力を増強することになった。
●文:ルアマガプラス編集部
集中力を研ぎ澄ます新フレーム
2024年、梶原智寛の〝眼〟となるのは、気鋭の偏光グラスブランド・トライノによる新作フレーム『ブンディ』。そしてレンズは、梶原自身が開発に携わった『サイトイエロー/シルバーミラー』。
これらとのタッグが今季、彼をさらなる高みへと引き上げることになりそうだ。
梶原「プラクティスの段階から愛用し始めましたが、ファーストインプレッションはとにかく『軽い』。それまで使っていたマンバと同じくフィット感も抜群で、それ以上に軽いので一日中釣りをしていても着用しているのを忘れるほどの軽快さがあります」
その自重、実に27・8グラム。1オンスにも満たないセットアップは、トライノ独自のフレキシブル・ノーズパッド&テンプルの採用により自在な調整が可能で、鼻や耳へ当たりはごくソフトだという。
梶原「レンズ面は見え方に違和感のない6カーブ。上下左右に存分な視野を確保した上で余分な光の差し込みもありません。そうです、サイトフィッシングに最適です」
開幕戦は春のサイト戦となることを感じていた梶原にとって、最高の相棒。またレンズ自体もその名の通り、より快適なサイトを可能にすべく仕上げてきた。
魚が見えるのその先へ
梶原「泳いでいる魚なら、トライノのどのレンズでも明確に見える。僕が見たいのは、その先。岩などのカゲに隠れている魚やより深い水深にいる魚です」
現状に不満はなかった。だが、その先にある最高峰を常に求めるのがプロフェッショナル。梶原と
トライノの挑戦が始まる。
梶原「元々、緑系のレンズを使ってきましたが、もっと黄色に近いレンズならどうなのか。試してみると、結果は歴然でした。黄色レンズを3段階の明るさで数ヶ月間に渡ってテスト。結果、最も明るいレン
ズがよく見えるかと思いきや、濃厚な黄色で岩カゲがよく見えることがわかったんですよ」
テストフィールドは様々。クリアな水質はもちろん、ステインやマッディなど、行く先々のあらゆるシチュエーションで試し続けた。すると、思わぬ結果も生まれたのだという。
梶原「とにかく岩などのカゲが見やすい。元々はクリアで魚をより見つけやすくするために開発してきましたが、マッディでは水中にある障害物をより見つけやすいこともわかったんです」
『サイトイエロー/シルバーミラー』はもはやクリアウォーター限定ではなく、オールマイティ。日差しの強い日のみはライトスモーク系の『ドゥーブル/シルバーミラー』と使い分けることで、梶原の偏光グラス2大戦力が決まったのだ。
ここで気になることがひとつ。いずれのレンズにもシルバーミラーを選択するのは何故なのか。
梶原「ミラーか、ミラーレスか。僕はミラーを推します。物理的に言うと、ミラーレスの方が明るく見えるのも事実。ですが…」
魚を見つけるや否や、逃げられてしまう。アングラーならそんな経験が一度や二度はあるだろう。
梶原「魚と目が合うと逃げられるような気がします。魚に限らず動物は、人間の瞳を感じて何らかのアクションを起こしているような気も。なるべく気配を消したいんです。だから目線を悟られないミラー入りのレンズを使用しているんですよね」
ニッポンイチ男の真実は、意外なところにあるのかもしれない。
ブンディ(トライノ)
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