シマノのハイコストパフォーマンスロッドシリーズ、エンカウンター。その価格には似合わない高性能を持ち、いろいろなショアフィッシングに対応する万能ロッドに仕上がっている。今回はこのエンカウンターを、実釣を踏まえて深掘りしていく。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
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エンカウンターのコンセプトは『曲げて楽しむ』
エンカウンターはシーバスやフラットフィッシュ、青物などを回遊魚などを対象にしたショアゲームロッド。幅広いラインナップ構成で、河川やサーフ、堤防、磯場など、いろいろなシーンで活躍する。コンセプトは『曲げて楽しむ』というもの。しなやかさとパワフルさを持ちつつ、シマノ独自のテクノロジーであるスパイラルXを使用することでダルさを排除。とても軽やかなロッドになっているのが特徴だ。ブランクス以外にもガイドやグリップにもこだわり抜き、価格以上の高性能を感じられるロッドになっている。
ねじれに強くシャープな印象を与える『スパイラルX』
ブランクスにはシマノ独自のロッド製法であるスパイラルXを採用。スパイラルXはカーボンテープをクロス状に巻き、これをブランクスの内側と外側に施す3層構造になっているのが特徴。ねじれ・潰れに対する剛性が増し、軽さを維持しながらもパワーを効率よく発揮できる。
チューブラーロッドは、中が空洞になっているストローのような構造で、曲がった際には断面が楕円のようになり潰れる方向に力が働く。この潰れが起きにくくするのがスパイラルXだ。キャストやファイト時にパワーロスを起こさず、有利にゲームを進めることができる。
また、しなやかさと芯の強さがあるので、キャストがとてもしやすくなっている。ルアーの重量をブランクス全体で受け止め、綺麗に曲がり込んで最後まで振り抜くことができる。フルキャストを繰り返すショアゲームにおいては、このキャストのしやすさはとても重要なポイントだ。
握りやすい『パーフェクションシートXT』
グリップ部にはパーフェクションシートXTを採用。リールを固定する部分に段差がなく、違和感なくロッドを握ることができるのが特徴。素材にはCI4+を使用しているので軽量化も図られている。長時間の釣りでも高い集中力の持続をサポートする。
ガイドはステンレス、Sic&アルコナイト
フレームの素材は、サビに強く耐久性の高いステンレス。トップガイドはSic、そのほかはアルコナイトという設計。PEラインのトラブルレス性能に優れたKガイド仕様になっており、ビギナーでも安心して使うことができる。
多種多様な釣りスタイルにマッチする幅広いラインナップ
エンカウンターの魅力はその豊富なラインナップ。港湾部でのシーバスにマッチするS90Lから、磯場でのライトショアジギで使えるS106MHまで、多彩なスタイルに対応する13本がラインナップ。ベイエリアでのオカッパリ、河川・干潟でのウェーディング、サーフでのフラットフィッシュゲーム、堤防・磯場でのショアジギなど、このエンカウンターの守備範囲はとても広い。
ムーンショット、エンカウンター、ディアルーナの位置づけをおさらい
シマノのロッドシリーズには、エンカウンターと近いコンセプトのロッドが存在しており、それぞれ、機能や用途、価格で選択できるようになっている。
エンカウンターよりもリーズナブルな価格帯にはムーンショット、シーバスとの親和性が高く機能が充実したディアルーナが選択可能だ。それぞれ、エンカウンターとの違いは、ロッドブランクスにムーンショットはハイパワーX、エンカウンターにはスパイラルX、ディアルーナにはハイパワーX&スパイラルXを採用し差別化が図られる。また、ディアルーナのガイドはオールSicガイド・ステンレスフレームで、グリップエンドにはカーボンモノコックが使用されている。これらの特徴を理解して、それぞれの釣りのスタイルにマッチした1本を選ぼう。
例えば、釣行頻度の高い釣りにはディアルーナなどから選び、たまに行く釣り、初めて挑戦する釣りにはエンカウンターやムーンショットから選ぶ、というのも手だ。堤防などの複数本ロッドを用意する場合のサブロッドをエンカウンターをムーンショットにするというのもおすすめだ。
実際に使用してみて、その基本性能の高さを実感。特にキャスタビリティが最高!
今回、エンカウンターを実際に使用したのは、ルアマガスタッフの西村と、釣りYouTuber「リライト調査隊」でも活動するBOSS吉田さんの2名。それぞれ、エンカウンターS100MH、S90Mなどを中心に実釣を行った。
思っていた以上の飛距離が得られることに驚くスタッフ西村。
実際に使ってみると、そのしなやかさとパワフルさが実感できる。キャストでは気持ち良くロッド全体が曲がり、キャストのリリースポイントを気にすることなくイージーに投げることはできる。つまり、どんな投げ方でもルアーがスムースに飛んでいくのだ。ロッドの反発力でオートマチックにルアーが飛ぶ印象。これはキャストに慣れないビギナーでも思い切ってフルキャストができるはず。釣りをしたときは横風が吹いていたが、それでも狙ったピンポイントにルアーをプレゼンテーションできたので、コントロール性もしっかり備えている。
エンカウンターS90Mを使用して見事に1尾目をキャッチしたBOSS吉田さん。
ロッドにはしなやかさがあり、ただ巻きを中心とするシーバスゲームに対応。巻き抵抗の大きいバイブレーション、重めの鉄板バイブを使っても疲れにくく、問題なく巻き取っていくことができた。また、軽やかな操作性も備えており、ミノーのジャーキング、トップウォーターの連続首振り、メタルジグのワンピッチジャークといった細かい動作もとてもやりやすかった。
●使用ロッド:エンカウンターS90L
機能性にはまったく問題なく、このロッドが実勢1万円代で買えるのはとてもお買い得だと断言できるだろう。言われなければ、中級位クラス以上のロッドだと思っていたはず。それほど、使い心地はクラスを超えていると実感。サブロッドやエントリーロッドの枠を超える仕上がりになっていると感じた。
この日は河川でのウェーディングシーバスに挑戦。春先でシーバスが食べているベイトが小さいということで、ロッドはL〜MLアクションをチョイス。強い横風が吹いていたが、10gクラスのリップレスミノーなどを問題なく扱えたし、ショートバイトを感じ、掛けていくことができた。
●使用ロッド:エンカウンターS96ML
ルアーがボトムに当たった時は、底が硬いのか泥なのか、その底質も感じ分けられたし、ルアーの挙動も感じながら集中力を持って釣りを継続できた。その結果、バイトが遠いシチュエーションではあったがふたりとも無事シーバスをキャッチすることに成功。
この日は、シチュエーション的に比較的ライトなモデルを中心にインプレをしたのだが、是非とも、フラットフィッシュや回遊魚を狙うサーフゲームやショアジギングで、エンカウンターを試してみたいと思う。優れたキャスタビリティと疲れにくくホールド感の高いパーフェクションシートXTの威力が発揮されるのは間違いないだろう。
【BOSS吉田 使用タックル】
- ロッド:エンカウンター S90M(シマノ)
- リール:ミラベル 4000XG(シマノ)
- ライン:ハードブル8+ 1.0号(シマノ)
- リーダー:エクスセンスリーダー EXフロロ 20lb(シマノ)
【スタッフ西村 使用タックル】
- ロッド:エンカウンター S100MH(シマノ)
- リール:ミラベル 4000XG(シマノ)
- ライン:ハードブル8+ 1.0号(シマノ)
- リーダー:エクスセンスリーダー EXフロロ 20lb(シマノ)
【エンカウンターのインプレを動画で視聴】
エンカウンターを使用した実釣インプレッション動画を、ルアマガYoutubeチャンネルで配信中!使ってみないとわからない、エンカウンターの特徴を解説!