言わずとしれたトップバスアングラー・川村光大郎。その輝かしい活躍を支えるタックルはどれも彼のこだわりが具現化した逸品中の逸品だ。それはロッドやリール、ルアーに限らず、偏光グラスもまた同様。それでは川村光大郎が愛するサイトマスター「ウルティモ」、そしてその進化系である「ウルティモプラス」の話を語っていただこう。
●文:ルアマガプラス編集部
ウルティモプラス/川村溺愛の名作モデルがアップデート
まず、今回のモデルの原型となる「ウルティモ」は川村さんにとってどのような存在だったのか。
川村「僕はこれまでインテグラルやオプティモを愛用してきましたが、実はそれよりも前に溺愛していたモデルに『ウルティモ』がありました。2006年に発売され、多くのアングラーに支持されたサイトマスターのベストセラーです。僕は何よりもそのシェイプが大好きだった。曲線が綺麗で顔によく馴染み、掛け心地もよかった。その想いはサイトマスターの担当さんに伝えたところ、『あのフレームは名作でした』と。そして、ついに念願かなって現在のサイトマスターに搭載されている機能を全て搭載し、最新アップデートされて新登場しました。その名も『ウルティモ・プラス』です」
前作からどのような点がアップデートされたのだろうか。
川村「まず、サイトマスターオリジナルのチタン製バネ蝶番が搭載され、テンプルが外側に開くので、どんな顔の輪郭の人にもやさしくフィットします。さらに、左右で独立して調整可能なチタン製ノーズパッドと自由に曲げることができるチタン製心棒入りフレームで、自分に最適な形状に調整できます。レンズに関してはSWR搭載で、超撥水性能を備えています」
「高機能」と「ウルティモらしさ」の両立
これまでのサイトマスターには、インテグラルの川村シグネチャーカラーが存在したが、フレームの開発段階から川村さんが携わったモデルはこのウルティモ・プラスが初となる。
川村「視界を広くするという意味ではレンズは大きい方がいいのですが、デザイン的には僕が理想とするシャープで曲線がきれいなウルティモらしいシェイプを出せないんです。ウルティモ・プラスのプロトでは、この曲線美を失わない中で可能な限り大きなレンズを搭載できるよう形状を調整してもらいました。また、前作にはなかったバネ蝶番を搭載したことで両サイドが角張ってしまい、ウルティモらしい曲線美が損なわれていた。ギリギリまで角を削いで滑らかにしてもらいました。掛け心地についても、テンプルの絞めつけが分散するタイプを選択。ガラスレンズであることを感じさせない抜群の軽さとフィット感に仕上がっています」
川村がガラスレンズにこだわる理由
世の中にはポリカーボネート(プラスチック)製レンズが多い中、サイトマスターはタレックス製のガラスレンズにこだわっている。そのメリットについて川村さんはこう答える。
川村「ガラスの方が視界がクリアなことに加え、僕が1番その恩恵を感じているのは傷のつきにくさです。オカッパリをしていると砂埃がよくつきますし、僕ぐらいの釣行頻度でそれを毎回拭いていると、ポリカーボネートだと細かい傷が入ってレンズが曇ってくるんです。以前、度付きのガラスレンズを使っていた時は、フレームカラーがモデルチェンジしても、レンズは同じものを入れ換えて5年以上使い回していましたが、最後まで無傷でした」
一般的なポリカーボネート製レンズの場合、経年劣化により寿命は2〜3年だと言われているが、この点でもガラスレンズを選ぶメリットがある。
川村「ティムコの社員さんが10年以上使ったサイトマスターのレンズを性能分析に出して偏光率などを調べてみたら、全くと言っていいほど性能劣化は見られなかったそうです。ガラスレンズは高価ですが、長い目で見れば経済的だと思います」
川村光大郎渾身の逸品、ぜひお試しいただきたい。
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。