ビッグバスの聖地、池原ダムで驚異的なペースでビッグフィッシュを釣りまくるスーパーロコがいる。それが井上慎二郎さんだ。サイトフィッシングを軸にした剛柔兼ね備えた彼の釣りを参考に、池原ダムのロクマルに挑んでみよう。
●文:ルアマガプラス編集部
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ロクマルは警戒心が強くルアーの見切りが早い、だからディスタンスが大事
好条件の場所には毎年ロクマルがいる
現地では知らない人はいない池原ダムのスーパーロコ、井上慎二郎さん。ハイシーズンはもちろん、冬でもサイトフィッシングにこだわり、多くのビッグバスを手にしてきている。
「デカいのを釣ろうと思ったら魚を目で見てサイズを選んでいったほうが効率がいいですからね。バスはロクマルから一気に釣るのが難しくなってきます。池原のバスはフロリダ系なので、他のフィールドと比べても頭がいい気がしますね。というのも、警戒心が高くルアーの見切りが早い。なので、魚に対するアプローチが大切になってきます。アングラーの影、アングラーのちょっとした動きを察知して逃げていきますから。まずはディスタンスを取るというのがひとつ近道かと思います」
では、ロクマルを釣る上で大事なことは?
「まず、ロクマルがいる場所を知るというのは第一条件。池原でいうと、上流から中流にかけての岩盤などで見かけることが多いです。外敵から見つかりにくくて、やや水深があって自分がいやすい場所ですね。いい場所にあるスタンプなどには毎年ロクマルがいたりしますから。ロクマルのいる場所は、実はある程度決まっているんですよ。最上流などは40〜50cmくらいのバスはいますが、ロクマルはあまり入ってきません。基本的にでかいバスは他のバスよりも一段下のエリアにいることが多いですね。ビッグベイトをi字で引いてきて、チェイスさせて魚の居場所を確認するというのも手です」
12〜2月
タイニーのi字引きで池原ダムのロクマルを大量捕獲
井上「2023年に一番ロクマルを釣ったのがタイニークラッシュのi字引き。リップレスにしてフィンテールを下向きにセット、板重り0.5gをフロントフック部分に貼って使います。水面直下20cmくらいのレンジをゆっくり引いてくると、ルアーの下からヌ〜っと現れてバクッと食ってきます。リトリーブスピードはスーパーデッドスローで、ハンドル1回転3秒くらいを意識してください。これは冬に効果的で12月から2月くらいまで効きます。真冬でも表層のルアーを見つけて食ってきますよ。あとはアフターの時期にも効くのでおすすめです。岩盤や普通のバンクなどで、岸から5m離して平行に引いてください。こうやって引くほうがデカいバスは見切られにくいですね」
タイニークラッシュ(DRT)
TACKLE
ロッド:スペルバウンドコア プロトタイプ(エンジン)
リール:カルカッタコンクエスト201XG(シマノ)
ライン:ザルツ ザ・ブラックFC 20lb(ラインシステム)
8〜9月
フォール1発勝負で決める夏のミミズパターン
井上「8〜9月に効くミミズパターン。これはサイトフィッシングの釣りで、魚がバンクを向いているならボートを岸に近づけて、バスの目線にラインが入らないようにキャストし、バスの目先の少し先に、バンクに乗せて落とす。うまくいけば、着水からのフォールで気付いて食ってくれますよ。フォールで食わなければ、着底後に連続シェイクを入れてください。どうやって入れたら食うかをしっかり考えて、なるべく離れた場所からアプローチするようにしましょう。バスが止まっていればチャンスですね。自分はいつも岸から5mくらい沖をボートで流していくんですが、バスを見つけたら一旦通り過ぎてから、戻ってアプローチすることが多いです。ラインはPEだと見切られやすいのでフロロ3lb通しで、飛距離が欲しいので4lbではなく3lbにしています。3lbでもロクマルを何度もキャッチしてますし、過去に66cm4900gも釣ってますよ」
RCリヴィング 3.9in サイトスペシャル(エンジン)
ネコリグ
TACKLE
ロッド:スペルバウンドコアハイクラス SCHS-62UL-ST サイトスペシャル(エンジン)
リール:ツインパワーC2000SH(シマノ)
ライン:ザルツ ザ・ブラックFC 3lb(ラインシステム)
フック:スーペリオMⅡ#6(エンジン) ネイルシンカー:1/20oz
8〜9月
梅雨のドバミミズパターンは10inロングワームで
井上「RCリヴィング10inは自重が20gほどある高比重設定で、フォールでふわふわと落ちてくれるのが特徴。梅雨時期に山から落ちてくるドバミミズを意識したパターンで、梅雨から9月まで効きます。魚がルアーを見つけてくれれば高確率で食ってくれますよ。これも魚を見つけてアプローチしていくんですが、ブラインドでもOK。岩盤の流れがヨレているところや垂直岩盤に入れてフォールさせて、中層にいるバスがワームが着底するまでの間に見つけて食ってくれる感じです。使うのは水深5mくらいの岩盤が多いです。RCリヴィングは3.9inと10inは両方用意しておきましょう。その中間の長さは見切られちゃうことが多いんですよ。ちなみに自分の池原レコードの67cmはこのワームでキャッチしてます」
RCリヴィング10in(エンジン)
ノーシンカーリグ
TACKLE
ロッド:スペルバウンドコア SCC-68MH(エンジン)
リール:アブガルシア レボEXD-SHS(ピュア・フィッシング・ジャパン)
ライン:ザルツ ザ・ブラックFC 14lb(ラインシステム)
フック:タリズマン#1/0(リューギ)
春・冬
エビパターン最強のひと口サイズワーム
井上「これは春と冬にエビパターンのときに活躍する釣り。この時期は減水傾向にあり、水位が下がって攻められるようになった岩盤のえぐれや立木などに入れていく。バスがいたらサイトでアプローチ。フォール中にワームのパーツがピリピリと動いてアピールしてくれ、バスが寄ってきて10cmほどの距離になったら逃しを入れる。逃したワームを追ってきて、また10cmの距離になったら逃しを入れる、この繰り返しで食わせていきます。その日によって食うレンジがあるんで、チェイスだけで終わったら次に見つけたバスはもうちょっと深いレンジで逃がしたりしてください。日が当たっているよりも日陰になっている部分のほうが食いやすいですね。この釣りは逃しなので、ラインは伸びないPEをチョイスしています」
シュリンプB(エンジン)
TACKLE
ロッド:スペルバウンドコアハイクラス SCHS-62UL-ST サイトスペシャル(エンジン)
リール:ヴァンフォード2500SHG(シマノ)
ライン:ザルツ プロトシンキングPE0.6号(ラインシステム)
リーダー:ザルツ ライトゲームフロロリーダー6lb(ラインシステム)
フック:スーペリオMⅡ#6(エンジン)
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