遠賀川をホームに活躍するウメキョーこと梅田京介プロ。今回は全国の河川で通用するアーリーサマー攻略に欠かせない3つのルアーを紹介。この時期にバスを釣るために大事なのは「とあるベイト」。そのエサをいかに演出するかが釣果アップのカギになってくる!
●文:ルアマガプラス編集部
梅田京介 (うめだ・きょうすけ)
ショップ店員として西日本各地で勤め上げたキャリアを持つDAIWAプロスタッフ。現在は故郷福岡に拠点を構え、遠賀川をホームにバスフィッシングの楽しさを各メディアで伝道。遠賀川ガイドも行っている。愛称はウメキョー。
アーリーサマーの重要キーワード「エビ」!
まずはアーリーサマーの、リバーフィールドの傾向について。
梅田「河川のバスはこれからの時期、エビ系のベイトを強く求める傾向があります。スジエビとかテナガエビなどですね。なので、エビがいる場所を前提にエリアを絞ります。具体的には、ストレート護岸、消波ブロック帯、ゴロタ、流れの緩いサンドバーなど。カレントが緩くなっている場所の岩の隙間などはテナガが多いし、護岸にはスジエビが多いですね。バスはアフターから回復傾向にあり、そういったバスにとってエビ系は食べやすいんですよ」
どのフィールドでも大量に生息する「スジエビ」
あらゆるフィールドで見かけるスジエビは、バスの格好の捕食対象となる。初夏に産卵期を迎え、スジエビは孵化後2ヶ月ほどで体長5mm前後に育ち、2~3年の寿命で大きいものでは50mm程度まで成長するとされている。
そして初夏はエビの産卵時期にも重なる。
梅田「この時期のエビは抱卵するので栄養価が高くなります。バスにとっては効率よく栄養補給できる、最高のベイトなんですよね。この時期のバスを見てみると、口のまわりが傷ついていて、これは岩とかに顔を入れてほじくって食べてるんじゃないかなぁと思ってます。あとは、護岸にいるスジエビを、バスが口から水流を出して当てて、それで逃げたエビを捕食したりするんです。護岸に張り付いていると食べづらいから、そうやって剥がして食べてるんです。こういうシーンは何回も見ました、それくらいこの時期はエビに執着するんです」
初夏のおすすめルアーその1 :スティーズポッパー60F(DAIWA)
【スペック】
- 全長:60mm
- 重量:7.6g
- タイプ:フローティング
- 標準装備フック:サクサス加工トレブル#6
- 標準装備リング:2
スプラッシュが逃げるエビを演出!
梅田「まずは『スティーズポッパー60F』です。これは濁っているシャローエリアの縦ストまわりで使います。消波ブロック帯やクイですね。まだバスはガンガンにエサを追いかけられる状況じゃないので、スピード感を合わせられるポッパーは効果的です。スティーズポッパー60Fは水平姿勢のスプラッシュモデルで、弾き出されるスプラッシュでエビが逃げているように演出できます。スティーズポッパーは50、60、70とあるんですが、この時期は60サイズが圧倒的に釣れます。どのサイズもカップ形状やアイの位置に特徴があって、このなかで60サイズは、ポッピングではなくスプラッシュ系。水面を逃げ惑うエビを演出しやすく、この時期にマッチしているんです」
――スティーズポッパー60Fのアクション方法は?
梅田「2〜3回スプラッシュさせて3〜5秒ポーズ、これが基本です。これに反応がなければ連続スプラッシュもありです。シチュエーションに合わせてこれらを組み合わせて誘ってみてください。ラインは『フロロカーボンライン10lb』がおすすめです。スティーズポッパーはフロロでの使用を前提に開発されているので、ポーズで食わせるポッパーだから(フロロではポーズ中にラインが沈んでしまうから)…とナイロンラインで専用タックルを組む必要がありません。ライト級バーサタイルタックルやベイトフィネスタックルで快適に扱うことができるのは、持ち歩くタックルが1、2セットのオカッパリにおける、スティーズポッパー60Fの大きな特長です」
【使用タックル】
- ロッド:リベリオン661MLRB
- リール:アルファスSV TW 800H
- ライン:スティーズフロロクロスリンク10lb
※すべてDAIWA
初夏のおすすめルアーその2:スティーズホグ3.6in(DAIWA)
【スペック】
- サイズ:3.6in
- 入数:6
これぞマッチ・ザ・エビ!
梅田「続いてのおすすめは『スティーズホグ3.6in』です。見て分かるようにTHE・エビですね。トップに出切らないとき、ボトムを意識しているときにはバスのその目線に合わせてあげる。このとき、小さすぎず大きすぎないサイズ感のワームをチョイスすることも大事です。使うリグはフリーリグ3.5〜7g、ライトテキサス2.6〜5g、ショートリーダーのヘビダン3.5〜5gなど。いろいろ使える万能ワームですね。特に遠賀川では超有能で、エサか!? ってくらい釣れます!」
――シチュエーション別のリグの使い分けを教えてください。
梅田「フリーリグは高低差のある場所。石積み、ブロック帯などです。縦の高低差があるので、フリーリグのメリットが生きるんです」
梅田「アシ際、サンドバーの泥底ではライトテキサス。ズル引きで誘って、砂煙を出しながらアピールします。ボトムにちゃんとワームをつけておきたいからテキサスがベストなんです。ヘビダンは護岸などの縦ストで出番があります。まっすぐストンと落とせて、フリーリグよりもワームがロッドワークに機敏に反応して動く、つまりリアクションで誘えるのでヘビダンです」
【使用タックル】
- ロッド:リベリオン661M/MLFB
- リール:アルファスSV TW 800H
- ライン:スティーズフロロクロスリンク10lb
※すべてDAIWA
初夏のおすすめルアーその3:スティーズネコストレート(DAIWA)
【スペック】
- ラインナップ:3.75in、5in、5.8in、6.5in、8.5in
- 入数:12(3.75in)、10(5、5.8in)8(6.5in)、5(8.5in)
タフな初夏の切り札
梅田「アーリーサマー河川攻略3つ目のおすすめルアーはズバリ!『スティーズネコストレート』です。サイズは5、5.8、6.5inをこの時期はよく使います。リグはネコリグ、ダウンショットワッキー、ノーシンカーワッキー。ネコリグのシンカーはちょっと重ための1.8〜3.1g。ダウンショットワッキーも3.5〜5.3gシンカーを使います」
梅田「ちょい重ためを使うのは、ボトム感度を優先したいから。狙う場所はスティーズホグとほぼ同じです。スティーズホグで食わないときに、シルエットを変えてアプローチします。あとはライトカバーにネコリグを入れたり、バンク際のカバー、ゴミ溜まりも攻めたりします」
――スティーズホグとネコストレート、同じヘビダンでも使い方はやや異なる!?
梅田「同じヘビダンでも、スティーズホグは『リアクション』気味にショートリーダーにしますが、ネコストレートの場合は20〜30cmと長めに取ります。ボトムから少し浮いている魚を意識して『食わせる』からです。ノーシンカーワッキーは、シャローに浮いている見えバスや、弱いカレント周辺を狙ったりします。ネコストレートの長さをいろいろ使い分けながら狙ってみてください!」
【使用タックル】
- ロッド:リベリオン671L+FB
- リール:アルファスエアーAIR TW 8.6
- ライン:スティーズフロロクロスリンク8lb
※すべてDAIWA
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