2024年にモデルチェンジを果たした鬼のハイコスパリール『SLX(シマノ)』をルアマガの名物ライター・テッペイが毒舌インプレだ!
●文:ルアマガプラス編集部
SLX70HG(シマノ)
先代より幅が2ミリナロー化されたMGLスプールⅢを搭載。より低慣性化されたことにより、軽~中量級ルアーのキャスタビリティとブレーキレスポンスが向上。加えて「サイレントチューン」を搭載し、わずかな回転ノイズをも軽減。価格帯をキープしたまま、ワンランク上のリールへとステップアップを果たした。
外観デザイン
デザイン的には先代とほぼ変わらず。SLXとしての個性を主張!
パッと見は前作のSLX MGLとそれほど変わっていない印象。ガンメタのボディにメタリックブルー。そしてSVSのキャプ部分に大きく印字されたSLXのロゴ。シマノの他のベイトリールとは一線を画するデザインが踏襲されている。個人的に好きなデザイン。
回転・巻き心地
剛性感と握りやすさで、巻き心地をアップ!頂点との差はゼロではないが、不満はゼロ。
ボディ幅は広めだが、非常にパーミングしやすい。そして剛性感も強いので、ハンドルを巻くときに左右にロールするようなこともない。もちろんハイエンドと比べれば差があるだろうが、全く不満の無い滑らかな巻き心地だ。
キャストフィール
ピッチング
意外なほど、ピッチングしやすかった。軽く振り込むだけで、3/8オンスのジグが低い弾道でスーッと飛び、ピンポイントに静かに落とすことができた。これがナロー化されたMGLスプールⅢの効果なのか? もっと軽いリグでも問題なくピッチングできそうだ。
これがMGLスプールⅢ。左右のふちが太い分、内側の幅が狭くなっている。前作の糸巻量をそのままにナロー化されているので、そのぶん深溝となっているわけだ。これが低慣性化につながるのだ。
遠投
スプール回転がすごくいいので、遠投能力も高い。写真を見てもかなり沖でルアーが着水しているのが分かる。ただし、ブレーキはやや強めに設定したほうがいい。一度ベストな設定を出せば、トラブルレスなキャストができる。「最後の伸び」はそれほど感じない。
ブレーキ
メカニカルは若干緩めでもいい。SVSは内部も外部も強め設定を推奨
ブレーキはやや強めの設定から始めたほうがいい。まず内部のSVSは4個中3個オン。メカニカルは若干緩めでいい。そして外部ダイヤルは5くらい(MAXは6)が3/8オンスに適した設定。外部ダイヤルはやや硬いけれども、このくらいのほうが勝手に緩んだりしなさそうだ。
ドラグ
予期せぬ大物にも、きっと勝てるドラグ性能
水没していたでかめの枝を釣り上げてしまった際にテスト。まずこのスタードラグは、ハンドルを巻きながらでも調節しやすい。ドラグが効いてる時のクリック音は出ないが、滑りはよい。バス相手には、十分すぎる能力がある。超のつく大物が来ても戦える!
ルアー別使用感
軽~中量級のルアーはもちろん、ビッグベイトも快適に使えた
スピナーベイトはビーブル3/8オンスとBカスタム5/8オンスでテスト。どちらもよく飛んで、巻いてる時のボトムタッチなどもわかりやすかった。巻き感度よし。3/8オンスのラバージグではジグストもやって、好印象。カバースキャットはめちゃ飛び。ジョイクロも普通に投げられたが、ラインはもうちょっと太めにしたい。T.D.ハイパークランクもよく飛んだし、巻き心地もよかった。
価格と総合的評価
抜群のコストパフォーマンス!SLXで揃えるのも悪くないな
キャスタビリティーも悪くないし、巻き心地は不満なし。かなり満足度の高いリールだと思う。ブレーキを緩めすぎると、トラブルにつながるので、そこは甘く見ずにしっかり調節したい。個人的にはジグストのやりやすさが印象に残った。持った感じが軽いのだ。価格は非常にお買い得だと思う。SLXはDCもBFSもあるので、すべてSLXで揃えると、それはそれでかっこいいかもしれない。
若手のプロアングラーは、実際にSLXで揃えている人もいるみたいだよ。
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。