知ってる?偏光サングラスの基礎知識『可視光線透過率』とレンズ素材、値段の違いって?

釣人に限らず、何かと便利な偏光サングラス。ただ単に眩しさを防ぐだけじゃない、高機能なアイテムなわけだが、前提となる基礎知識を覚えておいても損はないはずだ。偏光レンズメーカー「タレックス」の薮下さんに聞いてみよう。

●文:ルアマガプラス編集部

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薮下 剛(やぶした・つよし)
大阪府大阪市出身。タレックスのプロダクトマネージャー。レンズの新色・新設計やフレームの企画開発を担当している。かつて釣具店に勤務していた当時、1994年頃から10年ほど熱心に琵琶湖のレンタルボート店に通い、その筋ではでかバスハンターとしてもよく知られた存在だった。

可視光線透過率とはなんですか?

レンズを通って目に届く光の割合です

サングラスや偏光サングラスのスペックを見てみると、『可視光線透過率』という言葉とともに〇%という表記を目にする。

これにはどんな意味があるのだろうか?

薮下「裸眼の状態で目に入ってくる光を100%として、偏光グラスを掛けると何%の光が目に届くか、ということです。例えば弊社レンズのトゥルービュースポーツの可視光線透過率は30%です。逆にいうと70% の光をレンズでカットしているということ。『本当に70%も抑えてるの?』そう感じる明るい視界がタレックスレンズの特徴です」

こちらはイーズグリーン。可視透過率は40%。6割の光を抑えているが、釣りを終えた後もサングラスをかけているのを忘れるくらい明るい。

ガラスレンズとプラスチックレンズの違いは?

透明度がガラスの方が優れていると言われますが、タレックスレンズなら視認性は互角です。ただ…

各社の偏光サングラスのレンズを比べてみると、ガラスレンズとプラスチックレンズの2種類存在することに気がつく。両者にはどんな違いがあるのだろう?

薮下「ガラス製レンズは表面が硬く、傷つきにくいのが最大の特徴です。海で飛沫を浴びて乾いた塩分をTシャツで拭いても傷つかないです。ただ、プラスチック製レンズよりも重いのは確か。ガラス素材は透明度が高いのも特徴ですが、タレックスのプラスチック製レンズはガラスに近い透過性をもつ素材を採用しているので、視認性は互角といえるでしょう。光学性能はどちらも高く、揺れや歪みがないのでレンズのどこに視線を送っても違和感がありません」

安い偏光サングラスのレンズと高いもので何が違うの?

釣りで長時間かけても疲れない。それがこだわりです。

薮下「違いとしては偏光性能と光学性能、この2つですね。まずは偏光性能。量産されている安価な偏光フィルターは扱いやすいように加工されていますが、タレックスレンズには独自開発の薄さ0.03ミリという非常にデリケートな『雑光®カットフィルター』が内蔵されています。水面に反射する光をカットする性能は、このフィルターの品質が決め手となります」

薮下「そして光学性能。液体原料にこだわり、独自のモノマー注型製法によって歪みなく形成することで、視線をどこに向けても揺れや歪みを感じません。これら、レンズが完成するまでのこだわりが明るさと鮮明さを生み、かつ長時間の装用でも快適なんです」


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