【知ってたらマニア認定!】ビールのおまけとして誕生→大会の優勝ルアーにも!名作ルアーの歴史を振り返る

ビッグバドは1975年にバス釣り用ルアーとして商品化。世界一の販売量を誇るアメリカのビール「バドワイザー」のノベルティとして始まり、ライセンス契約の中断などの紆余曲折を経てなお、50年近くたった今でも復刻を繰り返す傑作ルアーだ。現代でも「ビッグバドでしか釣れない魚がいる」としてこのルアーを愛用するアングラーは数多い。その歴史をひもといてみよう。

●文:ルアマガプラス編集部

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ビッグバドは「本気で釣れるノベルティ」として誕生

ビッグバドの歴史の始まり

ビッグバドがヘドンのカタログに掲載されたのは1975年が初めてだが、実はそれ以前から存在していた。ことの始まりはビールのバドワイザーで有名なアンハイザー・ブッシュ社からのヘドン社へのノベルティ制作依頼だった。

ノベルティとして出発したビッグバドの歴史。市販化前の当時に生産されたものの中には、プラドコジャパン代表のヒロ内藤さんでさえ目にしたことがない「クリスマスツリー内蔵型」のスケルトンモデルが存在するとか…。

アンハイザー・ブッシュ社側はデザインの原案も用意したが、当初ヘドン社側は「実際に釣りに使えないものは作らない」とこの依頼を拒否。その後、紆余曲折があり、提案されたデザインの見直しを条件に、ヘドン社が本気でつくりあげた新作として記念すべき初代ビッグバド「X9410ビッグバド」が誕生した。

高い実釣能力を備えたノベルティとして配られ、実際に使ってみたアングラーはまもなくその秘めてたる力に気づいた。話題が話題を呼んだ結果、両社がライセンス契約を結び、正式にヘドン社のアイテムとして販売されるようになったのだ。

その基本設計は1stモデルから完成

第1世代のラベルはバーチカルプリント・上下タイプ

ヘドンから1975年より販売された1stモデルのビッグバド。ビール缶をモチーフにした中空ボディゆえの高い浮力、ダイビングクランクばりに浅い24度のリップなど、その基本デザインは40年経ったいまでもほぼ変わらず。

また、バドワイザーのプリントが入ったラベルは、ルアーが水面に浮いている状態で美しく見えるようデザインされたものだ。

1st&2ndモデルは「ヒートン仕様」

1stモデルから採用されたのがボディとブレードをヒートンで連結する仕様。ブレードはスプリットリングを介さず、ボディリアの中央部に差し込んだヒートンに直結している。

マイナーチェンジを繰り返したビッグバド。最大の変更は「エイトカン」

40年の歴史の中で大きく6つものモデルを生んだビッグバド。外観だけの変更もあったが、最も大きく変わったのは第3世代。ボディとブレードの接続部分がヒートンからエイトカンに変わったのだ。

バド愛好家がこだわるヒートン仕様。決定的な違いは「安定したサウンド」だ。

ヒートンとエイトカンの大きな違いは安定したサウンド。前者はブレードが水平に動き、安定して音を出す仕様なのに対して、後者はスプリットリングを介するためブレードがボディに対して垂直にセットされるように。

ボディとブレードの距離が遠くなってしまったことも祟り、エイトカン仕様ではブレードの接触音が安定して出づらくなってしまったのだ。

表層でゆっくり巻くというバドの基本的な使い方をする場合には、ヒートン仕様のほうがより安定したサウンドを出せる。

ヒートン仕様のビッグバドを求め、自己流に改造を施すアングラーも数多く存在した。中でも人気だったのは上部に穴を開け、そこにヒートンを突き刺すチューンナップ。

より釣れるビッグバドを求めるアングラーは改造に着手。バドからルアービルディングに目覚めた釣り人も多い?

ビッグバドの終焉

手を加える楽しみを含めて親しまれたビッグバド。その後はバドワイザーのラベルデザインにならうかたちで、何度もデザイン変更がなされたが、2004年に両者の契約が終了し、バドワイザーデザインのビッグバドは突如その生産を終えることとなる。

第5世代のラベルは横書きの筆記体タイプ、ボディはエイトカン仕様だ。このモデルを最後にアメリカではバドワイザーデザインのビッグバドの生産が終了した。

ビッグバドはクアーズへ。そして…。

ビッグバド版権は別のビール会社「クアーズ」が引き継ぐこととなり、ルアー名も「ビッグバド」からクアーズに変更。以来、アメリカ国内ではバドワイザーデザインのビッグバドは製作されていない。

2004年~2015年の間「ビッグバド」は「クアーズ」に生まれ変わり販売された。

その「クアーズ」も2015年には廃盤の憂き目に遭う。現在販売されているビッグバドは数年に一度特注で販売される数量限定品なのだ。

日本でのつかの間の復活

ところが日本では、2009年にヘドンの日本における輸入代理店のひとつ、スミス社とバドワイザージャパン社がライセンス契約を新たに締結。日本国内限定販売という条件付きでバドワイザー柄のビッグバドが限定復活を遂げた。

ジャパンリミテッドのザ・ラスト・ビッグバド

ビッグバド X9411(ヘドン×スミス)

【スペック】
●全長:2-3/4oz ●重量:5/8oz ●価格:オープン

国内限定販売という条件のもと、スミス社とバドワイザージャパン社がライセンス契約を結んだことにより、2009年~2010年にバド柄ビッグバドが復活した。これが現状最後のバドワイザーデザインのビッグバドになる。

この際、ボディはオリジナルのX9410ではなく、前述のヒートンなど細かい仕様を変更したジャパンオリジナルの「X9411モデル」が採用された。

ヒートンを上から6ミリの位置に設定

エイトカンよりも安定してサウンドを奏でるヒートン仕様。かつ、スローリトリーブ中により効率よく音を出すためこれをボディ上部に標準設置。

中央部への差し替えが可能

ヒロ内藤さんの提案により、ヒートンの位置を上部、中央部どちらにも設置可能に。リトリーブスピードを若干上げたり、トゥイッチなどを多用する場合は中央部のほうがベターなのだ。

具体的には、はじめに2009年に「バドワイザーコレクション第1弾」として4色が、そしてその翌年に第2弾として新たに4色が追加販売された。

しかし残念なことに、現在すでにこのときのライセンス契約は終了しており、これらのカラーも追加生産はされていない。

2024年、ジャパンオリジナルモデルが復刻!

そんなビッグバドだが、今年は2009年モデルが限定復刻!

さすがにビール柄は無いものの、「釣れるルアー」であることは間違いないので、まだ使ったことがないならこの機会にチェックするべし!


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