実は、霞ヶ浦水系で最も釣りやすい季節が6月〜7月。スポーニング(産卵行動)から解放されたバスが、体力を回復するために積極的にエサを捕食するタイミングだからだ。そこでメインのエサになりやすいのがスジエビやテナガエビ。霞ヶ浦水系のオカッパリエキスパート、佐々木勝也さんにこれからの時期に強い釣り方について聞いてみた。数もサイズも狙いやすい時期なので、ぜひ霞ヶ浦水系にチャレンジしてみよう。
●文:ルアマガプラス編集部
解説していただくのは大人気エビワーム監修者であり、霞ヶ浦を無双する漢!ササカツ!!
佐々木勝也(ささき・かつや)
東北地方のため池などでバス釣りを覚え、その卓越したフィッシングセンスで10代の頃からメディアで活躍。2018年には霞ヶ浦に移住し、フィーディングでシャローに差すデカバスを追い求めるようになる。1988年生まれ、DAIWAバスプロスタッフ。
今なお釣れ続けるシュリンピードの高速トゥイッチ
佐々木勝也さんが、低水温期を除いてほぼ毎回の釣行で持っていくワームがある。自身が開発したエビ系ワーム「シュリンピード(DAIWA)」だ。2020年の発売から5年目を迎えるが、その釣獲力の高さは全く衰えていない。
シュリンピード(DAIWA)
【スペック】
- サイズ:43mm
- 自重:3.3g
- 入数:5
- カラー:16
それだけ、霞ヶ浦水系においてエビ類はバスにとって食べやすくておいしい格好のエサなのだろう。
佐々木「今、釣りをしているのは5月末。バスの産卵直後でまだアフター感が強く、ルアーの動きが速すぎるとバスが追いきれません。5回程度高速トゥイッチしたら、必ずポーズを入れて、食わせのタイミングを与えます。逆に、もう少し季節が進行すれば、バスの体力が回復してしっかり追ってきてくれるので、ポーズなしの連続トゥイッチです」
シュリンピードで釣るための最大のキモは、アシや垂直護岸、水門にあるシートパイルなどの際(きわ)ギリギリを通すこと。右腕の肘を高く上げ、ロッドティップを下げて操作する佐々木さん独特のスタイルは、このことを意識した結果、自然と身についたものだろう。
佐々木「シュリンピードにはオリジナルサイズと、それよりもひと回り小さい『シュリンピードJr.(DAIWA)』の2サイズがあります」
シュリンピードJr.(DAIWA)
【スペック】
- サイズ:35mm
- 自重:2.0g
- 入数:6
- カラー:16
佐々木「水質が比較的クリアだったり、活性が低かったりするときはJr.を使い、逆の状況ではオリジナルを使用してください」
佐々木「サイズの使い分けで釣果が明らかに変わることを日々の釣りで実感しています。0.6号のPEスピニングタックルで使用しますが、ラインが風に流されると、ルアーもそれに引っ張られてコースを正確に通せません。強風時は0.2〜0.3gのネイルシンカーを入れるとよいです」
霞ヶ浦水系で釣る秘訣、教えます!
佐々木「この時期の朝イチはトップウォーターから入ることが多いです。トップに反応するかどうかがその日のバスの活性を測る判断基準になるからです。今日は雨と風でアフターの魚にはあまり良くないコンディション。トップの反応も悪い。低活性だと判断し、シュリンピードはJr.サイズを使う。そういうふうに釣りを組み立てていきます」
佐々木「エビボイルがあったときは『スティーズポッパー50F(DAIWA)』がおすすめ。沖の石積みなどに遠投したいときは60Fや70Fを使います」
佐々木「『スティーズポップクラッカー(DAIWA)』は連続ドッグウォークさせたり、ヘッドの小さなカップ形状を生かしてフィネスなポッパーとして使用したりします」
エビパターン以外ではどのようなアプローチがあるのだろうか。
佐々木「これからの時期、ボラの幼魚であるハクやイナッコも本湖の岸沿いや流入河川に増えてきます。そんなときはシンキングスイッシャーのi字引きが強い。最大のキモは、浅いレンジをゆっくり通すことです。『ガストネード72S(DAIWA)』はペラの回転性能が向上し、フォールスピードも遅く設定してあるのでおすすめです」
佐々木「雨などで流入河川に濁りが入ったときは、ジグ&ポークもよく釣れますよ」
佐々木「あと、6月から反応が良くなってくるのがハネモノ。『バンクフラッター(DAIWA)』で広い範囲を引いてくることで食い気があるバスを効率的に仕留めます」
では最後に、霞ヶ浦水系で釣りたい読者のために裏技を教えてください!
佐々木「エビボイルが起きていないか常に周囲をチェックしましょう。バスボートが通り過ぎて岸が波立ったときが実はチャンス。エビが跳ねてエビボイルが起きやすいんです!」
あと、本湖のアシ際で、シュリンピードのちょうちんをぜひ試してみてください。流入河川の居着きのバスはスレていて見切られやすいですが、本湖の岸に差してきたバスは比較的フレッシュなので案外簡単に口を使ってくれますよ」
【佐々木さんのエビパターンタックルはこちら】
[シュリンピード・スティーズポッパークラッカー・スティーズポッパー50F用]
- ロッド:リベリオン6101MLFS
- リール:エアリティ LT2500S-XH
- ライン:モアザンセンサー12ブレイドEX+Si 0.6号+フロロ8lb
[ガストネード72S・スティーズポッパー60F用]
- ロッド:リベリオン641LXB-ST
- リール:SS AIR TW 8.5L
- ライン:スティーズフロロクロスリンク10lb
[ハネモノ用]
- ロッド:スティーズSC C68H-ST•SB ストラトフォートレス68
- リール:ジリオンTW TD 1000XHL
- ライン:モンスターブレイブZ 20lb
※画像右から順、すべてDAIWA
佐々木さんのエビパターン攻略をさらに知りたければ下記動画もチェックすべし!
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