「こ、これは…アニサキス」被害7倍に増加…寄生虫を自動検知。AIスゴすぎだろ…

釣り人なら釣った魚を自宅で捌いたときに、アニサキスを目にすることは珍しくないだろう。はじめのうちは「ギャーッ」と驚きはしたものの、慣れてくると作業的に寄生虫を除去、美味しい魚を食すのだ。そんなアニサキスの検出をAIが請け負ってくれる技術を発見したので紹介しよう。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 チニング特集

釣ったら食べる! 食べるためには捌く、そこで発見アニサキス。

アジを釣りに行ったら良いサイズのサバをゲット! いつもだったらリリースしてしまうサバだが、釣行当時は秋口ということもあり、丸々とした太さのあるサバだったので持ち帰ることに。

食べる前にアニサキスをチェック、実はブラックライトで照らすとアニサキスが白く反応して見つけやすくなる!

ブラックライトで照らすとアニサキスがクッキリ。

しかし、目視でアニサキスチェックをするのって面倒くさい…と感じてる人も多いハズ。そんな方に耳寄りなニュースを見つけたので紹介しよう。

検査AI、アニサキス検知に採用。北海道根室から日本の生食の安全を守る

アプライド株式会社は、株式会社MENOUが提供する「AI外観検査システム」を、株式会社カネコメ高岡商店(本社:北海道根室市、代表取締役社長 高岡義久)のアニサキスの検知システムとして導入した。

本検知システムは、アプライドの独自開発による検知システムの設計支援、およびオリジナルの解析用コンピューターを使用しており、AI を用いた外観検査システムの提供は MENOU、アニサキス検査装置化などの技術提供は株式会社アイエムパックより協力いただいたもののようだ。

アニサキス起因の食中毒は10年で7倍に急増

日本では刺身などの生食文化により、生魚に潜むアニサキスによる食中毒被害が多く、厚労省発表の「食中毒統計資料」では、2019年から2023年までの5カ年内で発生した食中毒の内およそ半数の45.8%が寄生虫による食中毒であることがわかっている。

また、同資料から2013年から2023年の10年間でのアニサキスによる食中毒被害件数は、1番少なかった2014年時の79件から2022年には7倍の566件に増加していることが報告されてる。

この急激な増加は、昨今の輸送技術の向上によって、魚を冷凍せずに全国に輸送することが可能となり、アニサキスが生きたまま運ばれるようになったことが原因と考えられている。また、これまでのアニサキス検査は、人による目視検査が主だったため、すべてのアニサキスを検出・排除をすることができず、日本では年間を通し食中毒被害が発生し続けている状況だ。

熟練検査員の高度なノウハウをAIに置き換え、高精度検査を自動化

検査AI MENOUは、これまで人が行っていた目視検査をAIを用いて自動化する。アニサキスが付着している生魚の画像数枚から、熟練検査員の暗黙知やノウハウを検査AIに学習させることが可能。

これにより人の行っている高度な検査を自動化し、業務負担の軽減による省人化と人による検査精度のバラつきをなくす。また、検査AIは、特徴を捉えることに優れており、形状や大きさの異なる寄生虫や、目視検査では検知が難しい微細な寄生虫も高精度で検知し、検査の効率だけではなく検査レベルを高精度で保ち、品質を守る。

検査AI MENOUの効果とメリット

・個体ごとに形状や大きさの異なる寄生虫も逃さず検出
・検査の自動化により、負担軽減と省人化を可能に
・目視検査によるバラつきを無くし、検査精度の向上と維持を実現
・顕微鏡検査などの小さい物質にも活用可能

今後の展開について

今後はアプライドが持つ店舗網と法人販路を活用して、MENOUの持つAI画解解析におけるノウハウと、アイエムパックの装置化技術をベースに、高性能パソコンと専用カメラ・照明等を組み合わせた、AI最先端システムを水産加工業界へ積極的に展開し、事業を拡大する。各社の強みを融合させた、より強固な事業基盤の拡大とFA・マシンビジョン分野での新たなAIソリューション推進を図る。