東京湾ボートチニングのキャプテンとして有名な若杉船長。しかし、元々は陸っぱりチニングから入り、現在も続けている。その磨き上げられたテクニックをここで余すことなく披露!ズバリ陸っぱりチニングの奥義は高効率な「ピンスポットの変化」狙いにあり!
●文:ルアマガプラス編集部
東京湾チニングゲームのパイオニアと言えばこの人!
若杉貴裕(わかすぎ・たかひろ)
オレンジフィッシングボートの船長として、東京湾ボートチニングを広めたレジェンドチニンガー。元々は陸っぱりチニングを年間300日以上やり込み、そのノウハウをボートでも発揮。レジットデザインフィールドスタッフ。東京湾のチニング大会「T.B.G(Tokyo Bream Game)主催。
オカッパリはボートチニングと違い、圧倒的に「攻められるポイントが少ない!?」
関東で年々盛り上がりを見せているボートチニング。しかし、陸っぱりチニングとボートチニングと大きく違う点とは何だろう? まずは基本的なことを若杉船長に聞いてみると…。
若杉「フリーリグでいえばシンカーの重さが大きく変わります。ボートでは10~14gがメインとなりますが、オカッパリでは3.5~10gを使います」
――やはり陸とボートでは狙う水深が変わってくる!?
若杉「陸っぱりはシャローエリアが多いので軽めのシンカーが多いですね。さらに流れがないと2.5gまで使うこともあります。あと、ボートに比べてポイントの制限も多いし、機動力も変わってくる。ボートに比べて良いポイントを攻める範囲も少なくなってきますよね」
チヌが居そうな障害物や良いポイントまで近付けず、ラン&ガン効率がどうしても低くなってしまうのが陸っぱり。そこで、若杉さんがおすすめする陸っぱり攻略法は「ピンスポット狙い」だというのだが…そこを詳細に聞いていこう!
長く続くゴロタを狙うより「何もない場所にある1つの石」のようなピン狙いが効率的!
若杉「ボートも陸っぱりでも狙うポイントは基本的にはブレイク等がメインになります。そのなかでもブレイクにあるゴロタやカキ瀬、沈み消波ブロックといった障害物が絡めばチャンスは増えてきます」
――そのなかからピンスポットを探していく…?
若杉「長く続くゴロタ等をすべて撃っていくとなると、陸っぱりでは移動も大変だし効率的に良くないんです。だからブレイク手前だったり、砂地で何もないような場所にポツンとゴロタ石やカキ瀬が1個ある。そういったピンスポットを探して集中的に狙っていきます」
――それはまた超小場所ですね!?
若杉「ボートだとブレイク際をず~っと流して撃っていけますよね。でも陸っぱりではそれが難しい。そこで、狙うポイントを限定して効率化をはかります。なかでも平坦で何もないところにある障害物にはチヌが着いている確率も高いし、プレッシャーも低め。そういったピンスポットを狙っていくとキャッチ率がUPしていくはずです」
フリーリグでボトムをズル引きするかリフト&フォールで誘っていく
若杉「陸っぱりでもボートと同じくフリーリグを使いますが、誘い方の基本はチヌへどうやってスイッチを入れるか?になってきます」
――具体的にどういうアクションをしていくんですか?
若杉「釣り方は2つに分かれますが、まずはボトムをズル引き。ストップ&ゴーの巻きの釣りです」
――ズルズル…と引いては止めての繰り返しですね?
若杉「そのスピードがポイントになってきます。その日やタイミングによって速い巻きが良い、遅い巻きが良いのか変わってきます。あとは、止める時間も変わってきますし止めた瞬間や止めたあとの動き出しで喰うパターンもあります。どれが良いかチヌの反応を見極めて試していきましょう」
――もう1つの釣り方とは?
若杉「リフト&フォールになります。このリフト幅もその日その時によって変わってきます。とくに重要なのは持ち上げすぎないことですね」
――リフト幅はどれくらいになるんですか?
若杉「最大で10cm以内。ほんとうに小さい幅のときは1cmとかシンカーが立つくらいです」
――ボトムバンピングどころかシェイクといっても良いくらいですね!
若杉「それくらい微妙なリフト幅で反応するときもあるんです。そして、このときも巻き速度が鍵になります。速い遅いを試していって反応が良いところを詰めていく感じですね」
【若杉さんのオカッパリフリーリグセッティング&おすすめワーム】
- シンカー:バサーズシンカーTG(DAIWA)、フリリグシンカーS&R(DAIWA)の3.5~10g
- ワーム:リトルスパイダーorクレイジーフラッパー(ケイテック)、ベローズスティック(ジークラック)、シルバーウルフ アーバンシュリンプ(DAIWA)、ハリーシュリンプ(ボトムアップ)、ボトルシュリンプ(メガバス)
オカッパリではレギュラー気味のロッドでロングキャスト&操作性を重視
陸っぱりではポイントに届くための飛距離が重要。そこで、若杉さんがおすすめするタックルのなかでもロッド性能に注目。
若杉「チニングロッドは底が感じ取りやすいファーストテーパーのロッドが多いんです。でも、しっかりとリグの重みを乗せて投げられるレギュラー気味のロッドの方がリリースポイントも低くて誰でも遠投しやすいんです」
しかし、スローテーパーすぎるとカキ瀬などの障害物にスタックしたり、フッキング性能やリグの操作性にも影響が出てくる。そこでレギュラーファーストテーパーのものが良いという。
若杉「私自身でプロデュースしたのがスクアドチニングのSKC76ML。これがレギュラーファーストテーパーなんですが、実際に陸っぱりではこのロッドを使っています」
スクアド チニング SKC76ML-CHINING(レジットデザイン)
レギュラーファーストテーパーでリリースポイントが広く、誰でもリグの重みを乗せやすくロングキャストしやすいロッド。投げやすいので長時間釣行になりがちな陸っぱりでも疲れにくい。また、しっかりと曲がるためバラシも軽減し、魚が暴れてもロッドが粘って対応。不意な大型でもロッドを立てていけば浮いてくるのでキャッチ率UP!
【SKC76ML-CHININGに組み合わせるリール&ライン】
- リール:アブガルシア・ゼノンLTX(ピュア・フィッシング・ジャパン)
- PEライン:0.8号
- リーダー:フロロカーボン12lb・1~2ヒロ
若杉「ベイトモデルだけじゃなくスピニングのSKS610MLの方は、ショートレングスで感度と操作性を重視しています」
スクアド チニング SKS610ML-CHINING(レジットデザイン)
スピニングロッドモデルはキャストのしやすさに加えて、ラインスラックが出るので感度と操作性をより重視したファーストテーパー仕様がおすすめ。SKS610MLはファーストテーパーでティップがしっかりしているので底をより感じ取りやすい。
【SKS610ML-CHININGに組み合わせるリール&ライン】
- リール:ヴァンフォードC3000(シマノ)
- PEライン:0.6号
- リーダー:フロロカーボン12lb・1mくらい *リールは強風&波が高いときはハイギアにして対応
若杉さんによるオカッパリチニング動画はレジットデザイン(ソルト)YouTubeチャンネルにて公開中!スクアドチニングの実釣性能がわかるはず!
※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。