[ショック過ぎる…]楽しみだった海外釣行が、思わぬ事態に女性釣り師ガックリ…。でも、最後には「えっ、まさか!?」の出来事が!

ルアマガ女子部メンバーのましゃさんが、ニュージーランドへ海外遠征釣行。狙いはブラウントラウト。自己ベストを更新するサイズの魚との出会いを求め、未知なるフィールドへ赴くのだが…。

●文:ましゃ

2024 ショアジギング特集

ニュージーランドへの海外遠征計画

新型コロナウイルスが第5類に引き下げられた2023年夏、私はハワイでボーンフィッシュを釣った。ガイドを頼んだのは1日だけだったが、どこまでも続くエメラルドグリーンの浅瀬を歩いて釣るリーフフィッシングに魅了された。

リーフフィッシングで釣れたゴールデントレバリーを持ってガイドと記念撮影

広大な自然と対峙する海外での釣りの魅力に圧倒され、1日だけでなく、滞在期間のあと数日を釣りに費やしても良かったと少し後悔したほどだった。帰国後、すぐにまた「まだ見ぬ海外の美しい景色を楽しみながら釣りがしてみたい!」「2024年は本格的な海外釣行に行きたい!」と、まだ見ぬフィールドに思いを馳せる日々が続いた。

その念願が叶って、2024年3月13日から7泊8日の旅程(うち、機中2泊)で、YouTubeの相方・みちくんと2人で、ニュージーランドへ釣り旅に出かけるという計画が実現した。

今回はガイドは付けず、完全にフリーで朝から晩まで釣りをすることにした。狙いはブラウントラウト。ニュージーランドでは50cmクラスがアベレージで、大きいと80cmほどになるという。北海道で釣った47cmのブラウントラウトが自己ベストの私には、標準サイズでも未知の世界だ。

飛行機に乗ってニュージーランドへ出発

3月13日昼、成田空港からニュージーランドに向けて飛び立った。翌朝には首都・オークランドを経由して、アウトドアの聖地と言われるクイーンズタウンに到着。この街は、氷河が削った山々とその渓谷に水が溜まって作られたフィヨルド湖であるワカティプ湖に面している。

荒々しい山脈の横を抜けて着陸する飛行機。

飛行機が空港に降り立つときには、荒々しい山脈を越えて湖畔の美しい街並みを抜けていく。機窓からその景色を眺めていると、遂にここまできた! という感動に胸が躍った。クイーンズタウンのスーパーマーケットで数日分の食材を購入した後、そこからさらにレンタカーで南西へ170km移動し、宿泊地である人口3500人前後の小さな街、テ・アナウに到着した。

ロープウェイから見下ろしたクイーンズタウンの街。

到着早々、釣り場へ

今回の宿泊先は、キッチンと3つのベッドルームが付いた貸別荘だ。2人で使うには少し広すぎる気もしたが、周囲に気を遣わず釣りに集中するには最適だと考え、予約した。部屋に荷物を置くと、早速、初日の釣り場に向かうことにした。

羊や鹿・牛が放牧されたのどかな風景の中を走って釣り場に向かった。

朝から晩まで釣り三昧

この時期のニュージーランドは日没が遅く、20:00を超える。そのため、18:00頃までは暗くなることを気にせずに釣りに集中できる。起きてから寝るまで、毎日約20kmを歩き通して魚とポイントを探し求める日々を過ごせる、まさに釣り人にとっての天国のような場所だ。

開始後すぐに釣れた56cmの元気なレインボー

一方の私はといえば、キャスト力の無さや大物とのファイト経験の少なさが祟り、初日に小さなレインボーをヒットさせた以外は、以降3日間、探れども探れども、魚からの反応は全く釣れなかった…。これには正直、気持ちが折れそうになる私。夢のような釣果を手にしているはずだったのだが、3日間ずっと釣れないという思わぬ事態にガックリ…。

ニュージーランドの広大な自然の中を釣り進む様子。

その間、みちくんは釣れない私を優先してずっと先行させてくれた。私を先に歩かせながらも、深場ではシマノのボトムスペックなどのシンキングミノー、流れの緩やかな浅場ではタックルハウスのツインクルなどのフローティングミノーを使って、順調にブラウンやレインボーの釣果を伸ばしていた彼には頭が上がらない。

ボトムスペックに反応して飛び出してきた今回最大サイズのブラウン。

釣れない日々に焦燥感。しかし、その日最後のチャンスで思わぬ事態に…!

4日目、帰国が迫る中、なんとか1尾が欲しかった。ブラウンが居着いていそうな岸際のストラクチャーをピンポイントで狙って釣り上がっていく。しかし、瀬の中の個体はルアーを追ってくるけれど食うまで持ち込めない。深場に溜まっている個体は、一投で見切って追ってこない。なかなかに厳しい状況が続いた。

18:00を回り、そろそろ帰りの時間が迫ってきていた。ここで釣れなければ戻ろう、という大場所を前にして、ロッドを握る手に力が入った。浅場から対岸に向けて川が湾曲し、一気に水が流れ込んでいるところに、木が生い茂って影を作っている。木の根や影の中にブラウンが付いているはずだと信じて、ヘビーシンキングのミノーをセレクトして投げた。

4日目最後のポイント。写真右の浅瀬から左の茂みへと川が流れ、枝葉が覆い被さった下に深場を作っていた。

水面に覆い被さっている枝の少し上流側にルアーをキャストした後、数回シャクってみる。反応はない。しかし、ここが最後と強い思いを込めて、入念に同じところを攻めると、急にロッドに重みが乗った。根掛かり?

一日中粘ったラストがこんなことで終わりだなんて…と、少し落ち込んでいると、次の瞬間「ドンッ!」と、もう一度ロッドに強い衝撃が…!

「えっ、まさか!?」と思いアワセを入れてリールを巻くと、銀色に輝く魚体が大きく水面から跳ね上がった! 折れそうなほどに曲がるロッドに慌てながらも、ドラグを緩めてなんとか岸際に寄せる。最後はルアーに付けた太軸の針が前後2本とも伸び切って魚体から外れてしまったものの、駆けつけたみちくんが逃すまいと飛びつくようにしてキャッチしてくれた。

釣れたのは、自己ベスト更新となる55cmのブラウントラウトだった! ニュージーランドではこれも標準サイズだが、私にとっては記録更新のサイズ、海外遠征で思い描いた夢のトラウトだった。

2人で苦戦してキャッチした最高の1尾だ。ハイタッチを交わし抱き合うと、緊張から解放され、遠征で釣れて本当に良かった…と、嬉しいため息が漏れた。

遠征後半の2日も釣りに費やした。私に釣果はなかったが、相方は、比較的浅場にいる活性の高い魚にアプローチし、コンスタントに釣り上げて釣果を伸ばしていた。

鼻が曲がり雄々しいブラウントラウト

心地よい疲れと感謝

連日釣り疲れて疲労が溜まったものの、それ以上に、移動を除いた6日間、歩き続け釣り続けたことに達成感を覚えた。

プランを立てて一緒に釣りをしながら指南してくれたみちくんはもちろん、釣り場やニュージーランドのあれこれを教えてくれた友人たちにも感謝の気持ちでいっぱいだ。フィヨルドが生み出した絶景の中で、朝から晩まで釣りのことを考えて実践しながら過ごす。まさに若い今しかできなかっただろう最高の海外遠征だった。

今回使用したタックル

項目タックル
ロッドトラウティンマーキExtreme544L(アブガルシア)
リールストラディックC2000SHG(シマノ)
ルアーリフレインボトムスペック45XS(シマノ)、
Envy52・62(ブラックキャットルアー)、
メテオーラ45・63(ジャクソン)、D-コンタクト50(スミス)、ツインクル(タックルハウス)
ラインPITBULL8+ PE0.8号(シマノ)、スーパートラウトアドバンス 10lb(バリバス)

着用アパレル・ギア

項目アパレル・ギア
バックパックオリジンパック、チェスト(ネルエピック)
ウェーダーウィメンズ・トリビュータリー・ストッキングフット(シムス)
ウェーディングシューズミッドストリームウェーディングシューズ(リトルプレゼンツ)
グローブレディース専用フィッシンググローブ(ルアマガ)

アングラープロフィール

ましゃ

ルアマガ女子部公式インフルエンサー。

渓流ルアーをメインに、ソルトルアー全般までこなす釣り好き女子。山菜やきのこ採り、キャンプも好きで根っからのアウトドア派。自身が運営するYouTubeチャンネルも要チェック!

最近はキャンプなどのアウトドアにハマっており、仕事が休みとなれば足繁くフィールドに通っている。


※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。