【たったそれだけ?】少し変えただけで嘘のように釣れる!これだからバス釣りは面白い!

水中の季節はポストスポーン期。フィールド全体がにわかに活気づき始める頃のこと。リザーバーに降り立ったパワーゲーマー・黒田健史さんは序盤、思いの外に苦戦を強いられる。だが、とある瞬間、正解への扉をこじ開けることに成功した。ここでは、その一部始終をご覧いただくことにしよう。

●文:ルアマガプラス編集部

黒田健史
くろだ・けんし/国内最高峰JBトップ50の最前線で活躍するトーナメントプロにして、実にわかりやすい解説で定評の超人気アングラー。ストロング&スピーディー、かつ高精度な戦略は他の追随を許さない凄腕だ。

「水温15度を越えた。高活性もいるはずが…」

黒田「まさか最後の1ピースがそこにあったとは…。本当に難しいですね。でも、だからこそバスフィッシングは面白い!」

当企画の主は、リザーバーに滅法強い手練として知られる黒田健史さん。冒頭の言葉は、長らく
の苦境を脱した直後に漏れた言葉だ。

実釣の舞台となった豊英湖は房総半島バスリザーバー6湖の中で2番目歴史の古い、1969年竣工のダム湖。小糸川水系に属し、三島湖の上流に位置する。2016年からボートでのバスフィッシングに門戸が開かれた。豊英湖釣り舟センターを利用。

主軸としたのはジャークベイト、時にスピナーベイトの二刀流。反応は全くのゼロではなかった。だが、吸い込みは弱く、確実にフッキングからランディングへと持ち込める状態ではなかった。

黒田「ポストで体力が若干弱いとはいえ、湖中のすべての魚が同じ状態ではない。回復している魚も少なからずいるはず」

黒田さんといえば、強い釣りかつスピーディーな展開が自身のスタイル。テンポ良くフィールド
を刻み、クオリティの高い魚を数多く仕留めるのが通例だが、なぜか今回ばかりはルアーが風を切
るばかり。なぜなのか。

黒田「晴れて魚が浮いてきたタイミングだったのかな」
1本目をスウェジーDWで仕留めるも、その後が続かない…。

どんなフィールドの釣行でも黒田さんが必ず帯同するのがスピナーベイト・スウェジー。「オールマイティなダブルウィロー」を主軸に、「濁りはゴールド、クリアはシルバーを基本」にブレードカラーで使い分けるという

「ほんの微かな差が大きな結果の差に」

黒田「何なんすかね、この天気!?」。

晴れ・曇り・雨。たった1日の中で目まぐるしく変化していく天候。この日、気象情報の精度は低
い。まだ5月中旬であるにもかかわらず、まるで梅雨の最中であるような空模様が終始続いた。

黒田「やっぱりノーシンカーなのかな。ポストはスローにフワ〜と落としてがセオリー。でも、逆にフワ〜と浮かせて食わせるのもアリだと思うんですよ」

フローティングタイプのワールドミノー115Fは浮力が高く「浮きが速い」ため時期尚早。

そこで黒田さんが登板させたのが、同サイズでサスペンドタイプのMDザンバーノ115SPだった。

MDザンバーノ115SP/115SP フラッシュブースト(シマノ)

●全長:115ミリ●重量:15グラム●タイプ:サスペンド●カラー:全10色●価格:2398 ~ 2618円(税込み)

ロングリップで障害物回避よりタイトな攻めを可能に

黒田「しっかり飛んで着水したら急潜行。一般的なジャークベイトよりも深い2メートルレンジでダートさせ続けることができます」。注目は急潜行できるロングリップ。黒田「前傾姿勢で急潜行。浅いレンジでカバーを躱して、よりタイトな攻めも可能ですね」。この優位性が当釣行で際立った。

ジェットブースト搭載でぶっ飛び、着水直後から臨戦態勢。トゥイッチ&ジャークで演出する切れ味鋭いダートがターゲットを魅了。

バンタム ワールドミノー115F フラッシュブースト(シマノ)
MDザンバーノとタッグを組んだのが同全長でタイプが異なるこのモデル。「潜行深度は1メートル未満。前傾姿勢の角度が浅いので、広範囲かつオープンで浮いた魚を探す際に」。カバー際はMDザンバーノに歩があった。

黒田「SPとはいえ、それは水温がひと桁台での設定。水温15度を越えた今なら、スローに浮いてくれます。簡単に言えば、水温が高くなるほどSPでも浮きやすくなるんです」

実にわかりやすい解説の後、空には晴れ間が訪れる。レイダウン際へと投入して、よりスローかつ丁寧なトゥイッチ。ロングリップが枝を躱した瞬間、何者かが水中でギランと輝いた!

黒田「ウソでしょ!? たったこれだけの差? それが答えか!」

ポスト期のパズル、最後の1ピースがピタリとハマった瞬間。自らの持ち味を敢えて抑えたスローが奏功。MDザンバーノ115SPで間髪入れずに3本を仕留めたのだ。

1本目でこの日のリズムを掴むや、わずか1時間で3連発!黒田「たったワンテンポ遅らせた程度。それだけで無からの解放。15度を越えてもまだ水中はスローだった。そういうこと」。

ラストは、早朝に1バイトを確かめた複雑なカバーに入り直して見事なグッドサイズを難なく捕獲! 10グラムテキサスリグに直結したのは、黒田さんが2年をかけて開発したPEライン・ハードブル8+だった。

ハードブル
●サイズ(号):0.6、0.8、1、1.2、1.5、2、3、4、5、6●カラー:フレッシュグリーン、スティールグレイ●糸巻き量/価格(税抜き):100メートル/2145円、150メートル/3245円、200メートル/3960円(税込み)

「ライントラブルを抑え、ベイトでも扱いやすいPE」
黒田
「PEの考え方って、2通りあると思うんです。ベイトやパワーフィネスでライン強度を増して耐久性を向上させるか、スピニングで強さを維持しながらより細径化して飛距離を稼ぐか。ハリとコシを持たせてライントラブルを抑え、耐摩耗性は圧倒的に向上。ベイトでもスピニングでも使い心地に優れています」。

カラーは2タイプから選べる。

使用タックル

上から

[MDザンバーノ115SP用]
●ロッド:ゾディアス166M●リール:メタニウムDC 71HG●ライン:マスティフFC 14ポンド
[10グラムテキサスリグ用]
●ロッド:エクスプライド172MH●リール:メタニウムHG●ライン:ハードブル8+ スティールグレ 2号
[スウェジーDW 1/2オンス用]
●ロッド:エクスプライド1610M●リール:メタニウム シャローエディションHG●ライン:マスティフFC 16ポンド*タックルはすべてシマノ製品。

黒田さんの活躍を動画でもチェック!


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