水中の季節はポストスポーン期。フィールド全体がにわかに活気づき始める頃のこと。リザーバーに降り立ったパワーゲーマー・黒田健史さんは序盤、思いの外に苦戦を強いられる。だが、とある瞬間、正解への扉をこじ開けることに成功した。ここでは、その一部始終をご覧いただくことにしよう。
●文:ルアマガプラス編集部
「水温15度を越えた。高活性もいるはずが…」
黒田「まさか最後の1ピースがそこにあったとは…。本当に難しいですね。でも、だからこそバスフィッシングは面白い!」
当企画の主は、リザーバーに滅法強い手練として知られる黒田健史さん。冒頭の言葉は、長らく
の苦境を脱した直後に漏れた言葉だ。
主軸としたのはジャークベイト、時にスピナーベイトの二刀流。反応は全くのゼロではなかった。だが、吸い込みは弱く、確実にフッキングからランディングへと持ち込める状態ではなかった。
黒田「ポストで体力が若干弱いとはいえ、湖中のすべての魚が同じ状態ではない。回復している魚も少なからずいるはず」
黒田さんといえば、強い釣りかつスピーディーな展開が自身のスタイル。テンポ良くフィールド
を刻み、クオリティの高い魚を数多く仕留めるのが通例だが、なぜか今回ばかりはルアーが風を切
るばかり。なぜなのか。
黒田「晴れて魚が浮いてきたタイミングだったのかな」
1本目をスウェジーDWで仕留めるも、その後が続かない…。
「ほんの微かな差が大きな結果の差に」
黒田「何なんすかね、この天気!?」。
晴れ・曇り・雨。たった1日の中で目まぐるしく変化していく天候。この日、気象情報の精度は低
い。まだ5月中旬であるにもかかわらず、まるで梅雨の最中であるような空模様が終始続いた。
黒田「やっぱりノーシンカーなのかな。ポストはスローにフワ〜と落としてがセオリー。でも、逆にフワ〜と浮かせて食わせるのもアリだと思うんですよ」
フローティングタイプのワールドミノー115Fは浮力が高く「浮きが速い」ため時期尚早。
そこで黒田さんが登板させたのが、同サイズでサスペンドタイプのMDザンバーノ115SPだった。
MDザンバーノ115SP/115SP フラッシュブースト(シマノ)
ロングリップで障害物回避よりタイトな攻めを可能に
黒田「しっかり飛んで着水したら急潜行。一般的なジャークベイトよりも深い2メートルレンジでダートさせ続けることができます」。注目は急潜行できるロングリップ。黒田「前傾姿勢で急潜行。浅いレンジでカバーを躱して、よりタイトな攻めも可能ですね」。この優位性が当釣行で際立った。
黒田「SPとはいえ、それは水温がひと桁台での設定。水温15度を越えた今なら、スローに浮いてくれます。簡単に言えば、水温が高くなるほどSPでも浮きやすくなるんです」
実にわかりやすい解説の後、空には晴れ間が訪れる。レイダウン際へと投入して、よりスローかつ丁寧なトゥイッチ。ロングリップが枝を躱した瞬間、何者かが水中でギランと輝いた!
黒田「ウソでしょ!? たったこれだけの差? それが答えか!」
ポスト期のパズル、最後の1ピースがピタリとハマった瞬間。自らの持ち味を敢えて抑えたスローが奏功。MDザンバーノ115SPで間髪入れずに3本を仕留めたのだ。
「ライントラブルを抑え、ベイトでも扱いやすいPE」
黒田「PEの考え方って、2通りあると思うんです。ベイトやパワーフィネスでライン強度を増して耐久性を向上させるか、スピニングで強さを維持しながらより細径化して飛距離を稼ぐか。ハリとコシを持たせてライントラブルを抑え、耐摩耗性は圧倒的に向上。ベイトでもスピニングでも使い心地に優れています」。
カラーは2タイプから選べる。
使用タックル
上から
[MDザンバーノ115SP用]●ロッド:ゾディアス166M●リール:メタニウムDC 71HG●ライン:マスティフFC 14ポンド
[10グラムテキサスリグ用]
●ロッド:エクスプライド172MH●リール:メタニウムHG●ライン:ハードブル8+ スティールグレ 2号
[スウェジーDW 1/2オンス用]
●ロッド:エクスプライド1610M●リール:メタニウム シャローエディションHG●ライン:マスティフFC 16ポンド*タックルはすべてシマノ製品。
黒田さんの活躍を動画でもチェック!
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。