同一メーカー、同一用途のタックルを、「3つの異なる価格帯から選び、その差がどれほどなのかを克明に伝えるのが3G(スリーグレード)インプレッションだ。今回、用途の差は多少あるが、誰もが興味津々となっているシマノの新作ベイトリール3台を、徹底的にインプレする!
●文:ルアマガプラス編集部
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SHIMANO ベイトリール
今回、ニューSLXがベースグレード、カルカッタコンクエスト・シャローエディションとメタニウムDCがトップグレードという変則の3Gインプレとなる。価格だけではなく、用途にも違いがありそうなので、とことん使ってそれぞれの役目を見極めたいと思う。
SHIMANO:https://fish.shimano.com/ja-JP
カルカッタコンクエスト シャローエディション 30HG
メタニウムDC70XG
SLX70HG
インプレ会場
インプレ用ロッド
CHECK LIST 1
価格破壊神SLX MGLがさらなる進化!価格据え置きでMGLスプールⅢを搭載!
ベースグレード
SLX70HG 2万3,100円(税込)
軽量級ルアーを更に遠くへ、安全に、静かに飛ばせるようになった!
先代より幅が2mmナロー化されたMGLスプールⅢを搭載。より低慣性化されたことにより、軽~中量級ルアーのキャスタビリティとブレーキレスポンスが向上。加えて「サイレントチューン」を搭載し、わずかな回転ノイズをも軽減。価格帯をキープしたまま、ワンランク上のリールへとステップアップを果たした。
POINT.1 外観デザイン
デザイン的には先代とほぼ変わらず。SLXとしての個性を主張!
パッと見は前作のSLX MGLとそれほど変わっていない印象。ガンメタのボディにメタリックブルー。そしてSVSのキャップ部分に大きく印字されたSLXのロゴ。シマノの他のベイトリールとは一線を画するデザインが踏襲されている。個人的に好きなデザイン。
POINT.2 回転・巻き心地
剛性感と握りやすさで、巻き心地をアップ! 頂点との差はゼロではないが、不満はゼロ。
POINT.3 キャストフィール
ピッチング
遠投
POINT.4 ブレーキ
メカニカルは若干緩めでもいい SVSは内部も外部も強め設定を推奨
POINT.5 ドラグ
予期せぬ大物にも、きっと勝てるドラグ性能
POINT.6 ルアー別使用感
軽~中量級のルアーはもちろん、ビッグベイトまで快適に使えた
POINT.7 価格と総合的評価
抜群のコストパフォーマンス! SLXで揃えるのも悪くないな
キャスタビリティーも悪くないし、巻き心地は不満なし。かなり満足度の高いリールだと思う。ブレーキを緩めすぎると、トラブルにつながるので、そこは甘く見ずにしっかり調節したい。個人的にはジグストのやりやすさが印象に残った。持った感じが軽いのだ。価格は非常にお買い得だと思う。SLXはDCもBFSもあるので、すべてSLXで揃えると、それはそれでかっこいいかもしれない。
CHECK LIST 2
漆黒のカルカッタコンクエスト登場!このリールはベイトフェネスにあらず。
トップグレード
カルカッタコンクエスト シャローエディション100HG 6万5,560円(税込)
「巻き」と「投げ」を衝撃的にレベルアップ
「巻き」の釣りで確固たる地位を築いてきたカルカッタコンクエストの長所を、格段に向上させた衝撃作。「インフィニティドライブ」をバス用ベイトリールで初搭載。回転抵抗が劇的に軽減されて、巻き上げ感度、パワー、巻き心地が大幅にアップ。さらにMGLスプールⅢ採用で、これまで以上に伸びのある低弾道キャストを実現。軽~中量級の標準的なルアーにフィット。
POINT.1 外観デザイン
ただの黒ではないカラーリングに、図らずも心を奪われてしまった!
POINT.2 回転・巻き心地
スペック的にも回転性能は頂点レベル。実際にリーリングすると、驚愕の領域に。
POINT.3 キャストフィール
ピッチング
遠投
POINT.4 ブレーキ
SVSは2個オン&臨機応変にダイヤル調節
POINT.5 ドラグ
完璧な設定にしておけば、突然のパワーファイトにも屈しない
POINT.6 ルアー別使用感
5~14gという推奨ウエイトに収まるセレクトで、どれもが納得の使用感!
POINT.7 価格と総合的評価
「値段は関係ない、このリールが欲しい」そう思わせるほどの価値を感じてしまった。
まず、テスト用のベイトフィネスロッドとの相性が抜群によかった。非常に軽く、一振りしただけで感動。まさしく自分の手の延長になった気分。価格は決して安くはないが、それに見合う価値はある。デカバス狙いというよりは、ゴールデンタイムにバスと戯れるための相棒にしたい。巻き物用なのになぜハイギアなのか疑問に思ったが、むしろ速巻きできるなど守備範囲が広くなると理解した。
CHECK LIST 3
最新のDCで、常識破りの遠投を実現!もちろん、トラブルレス。
トップグレード
メタニウムDC 70XG 6万8,200円(税込)
最新のDCと、コアソリッドボディ。アンタレスの地位を脅かす存在に成長!
23アンタレスDCMDと同等とされる最新のDCブレーキ「i-DC5」を搭載。しかも、これまでサイドプレート内部に設置されていたモードダイアルを外部に露出。これにより、最適な設定をスピーディに出せるようになった。またDC搭載リールとしては初となるコアソリッドボディを採用。強靭化と軽量化を同時に果たしている。
POINT.1 外観デザイン
黒とシルバーでまとめたコンパクトなデザイン。
DC内蔵のリールは、ごついというイメージがあるけれど、このリールは、むしろコンパクトに感じる。カラーリングはブラックが基調でハンドルの付け根とメカニカルブレーキの土台部分がクロームカラーのパーツでまとめてあり、それが外観の特徴となっている。
POINT.2 回転・巻き心地
高速ギアのXGモデルだが、滑らかさに曇りなし。遠投可能なDCだけにXGのほうがメリット多し。
POINT.3 キャストフィール
ピッチング
遠投
POINT.4 ブレーキ
先入観なしに3つのモードを試してみたら、意外な結果に。信じるか信じないかはあなた次第?
POINT.5 ドラグ
静かに、そして確実に出るドラグは、音もなく相手の体力を奪うはず
POINT.6 ルアー別使用感
強く振っても、軽く振ってもよく飛んでくれる。それがDCの強みだし、バーサタイル性も高い
POINT.7 価格と総合的評価
遠投能力とトラブルレスという2つの絶対的価値にこの価格は決して高くない
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。