「概念が根底からくつがえされるわ」ルアーは動いていないのにカロリーだけ消費するロッドをいつまで使い続ける?モンストロ コンセプトデストラクション68ULSの革新性に迫る

驚異的なサイズのブラックバスの釣果を安定して叩き出すアングラー、中川絢太さんがツララブランドでスピニングロッドをプロデュース。モンストロ コンセプトデストラクション68ULSだ。これまでのウルトラライトロッドの常識を覆す、ビッグバスにも負けないパワーを持ち合わせたロッドになっている。

●写真/文:ツララ(エクストリーム)

2024 秋エギング特集

モンストロ”コンセプトディストラクション”68ULSは、ウルトラライト・フィネスバスロッドを根底から変えていく

琵琶湖をホームにするピーターこと中川絢太(なかがわ・けんた)さんプロデュースのスピニングロッド、『モンストロ”コンセプトディストラクション”68ULS』。

目指したのは“非力ではない”ウルトラライトロッド。

  • アクション : RF
  • レングス : 6フィート8インチ(グリップ脱着)
  • ロッド自重: 88g ※参考数値
  • 適合ライン PE (Max) : #0.8
  • 適合ライン モノフィラ(Max):6lb
  • 適合ルアー: 1/16〜1/4oz(約1.8〜7g)
  • 価格 : ¥56,800+税

釣り竿のカテゴリー全般において、率直にウルトラライトロッドを想像した場合【繊細ではあるが非力】というイメージを頭に思い浮かべる人も少なくないはず。もちろんバスロッドにおいてもそれは同様で、MやMLアクションよりは非力ではあるものの、その分、繊細な操作が可能となるのがウルトラライトロッドだ。同じシリーズにあるコンセプトディストラクション65LSと同時進行で開発がスタートし、『誰しもがそうイメージするライトゲームの概念を破壊する』というイメージをもとにロッドを作り上げていった。

シェイクに“負けない”絶妙なティップセクション

一般的なバス用ULロッドでの問題点は、そもそも弱い入力で曲がり過ぎてしまうことに起因するシェイク負け・アクション負けによって、ルアーが動いていないのに釣り人側はカロリーだけを消費している、ということにある。モノフィラなど伸度の高いラインでは特にルアーが動きにくい現象も生じてくる。しかしながら、ここで単純に竿を強くしてしまうとULロッドとは言えなくなる上に、求めていた繊細さも失われる。もちろんパワーの弱さも柔らかさに比例して生じやすくなってくる。

そこでモンストロ”コンセプトディストラクション”68ULSでは『シェイクスポット』という部分に注目。釣り人がルアーアクションを入力する際には竿先を動かす。それが柔らかい竿になるほど実際にはパワーを入れたい場所は、無意識に竿先から下へ下がっていく。無意識下の支点となるそのゾーンを『シェイクスポット』とし、設計ではその補強を中心に竿のバランスを作り直すことから、開発をスタートさせた。

シェイクスポットに注目し、アクションさせやすいロッドを目指した。

『UL=弱い』はもう古い。新たなフィネスロッドの概念が誕生

ルアーアクションにおいての強さの起点となる『シェイクスポット』を絶妙な位置で設計することにより、ULアクションの問題となっていたシェイク負けが起こらない、パワフルかつ繊細なアクションの入力が可能となった。こうして、繊細さや柔らかさで起きる弊害を大きく解消する事に成功している。

琵琶湖バスのファイトを受け止めるバットパワー。

リアグリップ長はコンセプトディストラクションのスピニングシリーズ共通の長さに設定。アクション入力は妨げないのに、ロクマルが来ても安心のファイトができる最適値と言える設計だ。ファイト中は脇にグリップをしっかりと固定し、ドラグを出しながら竿は一定の角度で巻き続ける。これだけで、ULクラスでは苦戦必須の巨大なバスもしっかりと浮かせることが可能。ULクラスに落とすと言われるように『UL=弱い』の方程式は仕方ない、と思われている概念を根底から破壊する、コンセプトディストラクションらしいフィネスロッドが誕生した。

フィネスな展開が強いられることも多い近年の琵琶湖シーンにおいて、アグレッシブなライトリグで攻め込んでいけるのがこのロッドだ。

モンストロ コンセプトデストラクション68ULSの解説動画はこちら!


※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。