
その存在感により、幅広い季節で活躍する「でかトップ」。釣れる上に使って楽しいとあって、1年中投げているアングラーも少なくないだろう。NZクローラーはまさしくその筆頭的なルアー。可愛い見た目からは想像できないほどの爆発力を秘めている…!!
●文:ルアマガプラス編集部
profile
渡部圭一郎(わたなべ・けいいちろう)
オンシーズンは福島・桧原湖をベースとするK-RO(読み:ケーロウ)ガイドサービス主宰にして、オフは奇才ハンドメイドビルダーとしての顔を持つ手練。NZクローラー(デプス)は氏のウッド作を量産化した意欲作のひとつとして世に広く知られる。
「泳いでこそクローラーベイト。敢えて小細工の必要はない」
ポスト以降を制する最大級の“虫ルアー”
「今冬の桧原湖は結氷しなかったんですよ。温暖化の影響なのか、ここ数年で2度目です。4月初旬からボートを降ろせるようになって、例年より季節の進行は比較的早いようには感じています」
こう語り始めたのは、NZクローラーの生みの親・渡部圭一郎さん。氏のホーム、福島・桧原湖は山間部に位置するため、平地のフィールドに比べ季節に若干のズレが生じるのが常。今季が暖かいとはいえ、5月初旬で「水温は10度、温まりやすいエリアで12〜13度」なのだという。
「5月終盤には、もちろんプリスポーンの個体もいますが、大半がポストスポーンを迎えます。今こそがNZクローラーの出番ですね。なぜならスモールマウスって産卵後のスローな時期が短く、すぐ活発に動けるようになるんですよ」
桧原湖のメインターゲット、スモールマウスはラージマウスと生態が異なる。ラージのみに焦点を当てた戦略も存在するが、ここでは主にスモールにフィーチャー。では、NZをどこでどう使うのか。
「急深な地形で、オーバーハングがある場所。クローラーベイトではありますが、“虫ルアー”と考えて使ってみてください」
桧原湖の風物詩、ハルゼミを始めとした虫たちが水面に落下する時期。かといって、その虫たちにサイズをマッチさせる必要はないという。
「大型プラグほど強い魚を選んで釣ることができます。特に近年実感しているのは、動かし方の差」
下記のご解説を確認したい。
[デプス]NZクローラー
<NZクローラー>
●134mm
●3ozクラス
●全11色
●6,380円
<Jr.>
●96mm
●重量:1ozクラス
●全11色●5,390円
<タイニー>
●75mm
●1/2ozクラス
●全6色
●3,960円
※価格は全て税込
水を掴んで、大型を寄せるクロールアクション真王道
「近年強く感じているのが、しっかり水を掴んで泳ぐクロールアクションが大切だということ」
扁平ボディと独自ウイングによる強い水押しだからこそ、大型かつ強い個体を引き付ける。
「トップであり、ビッグベイトでもあるクローラーベイトならではの本来の力を活かした方が結果を出しやすい。そう感じています」
賢人かく語りき。
様々な状況に応える全3サイズの品揃え
左 NZクローラーJr.
右 NZクローラー・オリジナル
134mmのオリジナル、96mmのJr.に加え、昨季は75mmのタイニーもラインナップ。
「基本はオリジナル。ただ要望にお応えして、マッチ・ザ・ベイトにセレクティブな状況にも対応できるサイズも作りました」
ハルゼミが鳴いたら本格シーズンの開幕
「気温が20度を超えたらハルゼミが羽化して鳴き始めますね」
桧原湖虫パターン開幕のゴング。5月中には盛んに鳴き始めると共に、スモールマウスは産卵から回復傾向となり両者の付き場がリンクへ。
「水面とウイングの角度は45度までに」
「巻きが速過ぎるとウイングが立ち過ぎる。理想は45度まで」
この角度に大型を呼ぶ黄金比がある。ウイングを水平方向に開けば、モジモジ微波動の動きも出る。だが、敢えてノーマルを推奨。NZの真の強さを体感せよ。
使用タックル
<オリジナル&Jr.用>
●ロッド:サイドワインダー・グレートパフォーマーHGC-77XS GPボアコンストリクター(デプス)
●リール:メタニウム シャローエディションHG(シマノ)
●ライン/リーダー:オルトロスPE WX8ゾーンカバー3号/オルトロスFC20〜24lb(共にエックスブレイド)
<タイニー用>
●ロッド:ゲインエレメントGE-610MRムービングエレメント(デプス)
●リール:アルデバランHG(シマノ)
●ライン:オルトロスPE WX8ゾーンカバー2号/オルトロスFC14lb(共にエックスブレイド)