身近な海辺からメタルジグを大遠投! いろいろな魚が釣れて楽しいのが「ショアジギ」系の釣り。もちろん、場所や季節によっても釣れる魚の種類は様々だが、とにかく様々な魚と出会えるのは大きな魅力といえるだろう。この記事では、そんなショアジギで出会えるかもしれない定番魚種を紹介!全部知ってたらマニア!?
●文:ルアマガプラス編集部
何が釣れるかわからない(!?)のもショアジギングの魅力
そもそもショアジギングに用いるメタルジグは小魚を模した万能のルアー。使い方次第でさまざまな魚を狙って釣ることができる。たとえばブリなら回遊を逃さぬために広範囲を狙い、ヒラメであればボトムに落として丁寧に、根魚たちは岩礁帯でゆっくりじっくり魅せて誘う…といったふうだ。
ショアジギングで釣れる魚17種を紹介!
とはいえ相手は自然。予想もしなかったような魚の登場に驚かされることもたくさんありました。こんな季節に、こんな時間に、こんな場所で!? ショアジギングなら意外な魚が釣れるかも? ここでは特にショアジギングではポピュラーな17種の魚を紹介します。
ブリ、ハマチ/ショアジギングと言えばこの魚!
代表的なショアジギングの対象魚がブリ。ご存知の方も多いだろうがサイズによって呼び名が変わる出世魚であり、さらに地方ごとに別名が存在するためややこしい。関東ではワカシ、イナダ、ワラサ。関西ではツバス、ヤズ、ハマチなど。80cm以上のものを「ブリ」と呼ぶことが多い。
ひとつの場所にとどまらず常に泳ぎ続ける回遊魚で、狙うにはその時間にそのポイントに差してきているかどうか、すなわちタイミングが重要になってくる。回遊魚を狙うショアジギングの基本だ。
ヒラマサ/ブリと似てるがもっとレア! アジ科の最大魚
ヒラマサはブリと同じアジ科ブリ属の魚で、見た目もかなり近い。最も簡単な見分け方としては、胸ビレが黄色い側線より下に来るのがブリ、側線にヒレが掛かるのがヒラマサとなる。他にも上唇の形状や腹ビレの色などからも判別が可能。交雑も可能で「ブリマサ」「ヒラブリ」などとも呼ばれている。
食性なども似ていて釣り方も同じになってくるが、ブリと比べると日本近海の個体数が少なく若干レアな魚と言えるだろう。ブリ属を含むアジ科の中では最も大きくなる魚であり、全長250cmものヒラマサを水揚げした記録がある。
カンパチ/天然モノはさらに貴重な高級食材
カンパチもブリ、ヒラマサと同属の魚。やはり交雑も可能だ。ヒラマサよりもさらに個体数が少なく、国内市場に出回っているのも養殖ものが多い。釣れたとすれば養殖場から逃げ出した個体かも?
ブリやヒラマサよりも背中の色が黒~黄色っぽく、頭も丸みを帯びている。上から見ると「八」の字に黒い線が入っているのが名前の由来。
ソウダガツオ/血抜きで「化ける」魚の筆頭!
ソウダガツオはカツオの仲間で、「マルソウダ」「ヒラソウダ」の2種の総称。釣りモノとしては大きくて40cmほどの魚が対象となる。ブリと比べれば小型なのでより軽量なタックルで手軽に狙っていける魚だ。
かつお節の原材料として多く用いられているが、傷みが早いことから市場に並ぶことは少ない。しかし、鮮度の高いものをきちんと処理すれば絶品になる。
サワラ/鋭い歯なのに肉質は柔らか
ここ数年、新たな釣りモノとして注目を受けつつあるサワラ。主に話題はボートフィッシングが主体だが、回遊してくるタイミングに当たればショアからも釣れてくることがある。
ラインに触れればすっぱり切断してしまうほどの鋭い歯が特徴で、専門に狙う場合は一般的に早巻きでリア(後部)フックのみに掛けるよう心がける。もちろん人の指などもひとたまりもないので、タチウオ同様フィッシュグリップは必須だ。
シイラ/エキサイティングなファイトが魅力
シイラは古くから夏のルアーターゲットとして大人気の魚。その理由はやはり緑黄色の身体に秘めた超強烈なファイティングスピリッツだろう。派手なジャンプと果敢なダッシュ&突っ込みを繰り返し、ようやく寄せてくる白熱のバトルシーンは一度味わえばヤミツキに。
主に表層で海上に浮いている流木などに着いていることが多く、ショアジギングで狙う際は有力なポイントとなる。最大で2m近く、重量は40kgにもなる。一方、小さいものは「ペンペン」と呼ばれることも。
サバ/小型でも強い引き! 食卓でもポピュラー
日本人なら誰もが知っているサバは魚食性の強い魚で、積極的にメタルジグを追ってくる。後述するアジよりも運動性能が高いため引きが強く、すわ大物か!? と思いきやサバだった…。ということも多い。ともあれご存知の通り美味しく嬉しい魚だ。
本州では主にマサバ、ゴマサバがよく釣れてくる。ソウダガツオと同様に傷みが早く、また人体に有害なアニサキスが寄生することも多いため注意が必要。食べるなら手早く処理する、火を通す、冷凍するといったことを心がけておくのが痛い目を見ないコツだ。
アジ/ショアジギなら巨大アジが釣れてくる
アジのルアー釣りといえばジグヘッドを用いる「アジング」が代表的だが、小さめのメタルジグを用いてショアジギングで狙っていくのも面白い。プランクトンを飽食し、小魚などのより大きなエサをメインベイトとするような巨大アジを狙い撃ちできるのだ。
タチウオ/大物は「ドラゴン」 こちらも歯に注意!
テンヤ仕掛けなど、エサ釣りでよく狙われるタチウオもショアジギングで掛かってくる魚のひとつ。釣り船やボートでの「タチウオジギング」も非常に盛んだ。基本的には夜行性の魚なのでどうしても釣りたいならナイトゲームに振り切ったり、朝夕のマヅメ時を意識する必要がある。
大まかなサイズを表す呼び方として、体高を「指3.5本」「指5本」というように指で測って表現するのもユニークだ。その鋭い歯や発達した背ビレから大物は「ドラゴン」と呼ばれている。目指せ、ドラゴンハンター!
シーバス(スズキ)/メタルジグでも釣れる!
ミノーやシンキングペンシル、バイブレーションといった専門性の高いルアーが整備されている以上、シーバスゲームでメタルジグを用いる場面は限定的だが、その場に魚さえいればショアジギングでシーバスが釣れることも多い。潮通しの良い外洋に面した場所のシーバスは味もよく、持ち帰って帰って食べる人も少なくない。
ヒラメ/サーフ(砂地)の釣り人の憧れ
サーフの魚の花形こそ「ヒラメ」だろう。食べて美味しい魚の代表とも言える。カレイとの違いは目のついている方向(左ヒラメの右カレイ)がまず挙げられるが、捕食するエサも違う。カレイの多くはイソメやゴカイなどの多毛類を食べる一方、ヒラメは主に魚を捕食して暮らしている。だからこそメタルジグで釣れるのだ。
ヒラメ専門のメタルジグがあることを考えると、ヒラメ釣りはある意味ではショアジギングの一種とも言える。ミノーやジグヘッド+ワームで狙うほか、遠投して広いエリアを探りたいときなどによくメタルジグが使われる。
マゴチ/近年大繁殖中!? 話題の「コチング」で注目
ヒラメが「ヨコ」に潰れた魚だとすれば、コチは「タテ」に潰した魚。同じく砂泥帯に住む底生魚で、エサとなる小魚を待ち受けて砂に潜んでいる。したがって狙って釣るためにはボトム周辺を攻めることになる。これはヒラメも同様。
最近では「コチング」と呼んで専門でルアーで狙う釣り人も増えている。最盛期の夏場には海底の砂地をびっしり埋め尽くすほどいる…という噂。
カサゴ/代表的ロックフィッシュ
防波堤からの釣りでもポピュラーなカサゴ。岩礁帯やテトラポッドなど障害物に着いて生活しており、家族連れのファミリーフィッシングでは特に馴染み深い存在。地域やポイントによって模様や体色が変わるのも面白い。関西ではガシラ、九州地方ではアラカブなどと呼ばれている。
カサゴに限らずロックフィッシュ(根魚)は釣られ尽くすと個体数の回復が難しい。サイズが小さかったり持ち帰るつもりがない場合は優しく逃してあげよう。
キジハタ、アカハタ、オオモンハタ/その名を冠するワームも存在! 人気のロックフィッシュ
ハタもカサゴ同様ロックフィッシュとしてひとくくりにされる魚で、やはり岩礁帯に多く棲んでいる。中国では「石斑魚」と呼ばれ、特に広東料理として蒸し魚やフライにして食されている。
キジハタはカサゴよりもひとまわり大きいが、人工の防波堤などにも居着きやすいため似たポイントでよく釣れる。ハタの仲間の中では比較的身近な存在と言えるだろう。深緑色の目が「キジ」の羽毛の色と似ているためこの名前が付いた。
真っ赤な色合いが美しいアカハタはその名の通り赤いハタ。地域や食性にもよるがルビーのように鮮やかで、青い海から姿を表す様子は見ものだ。
オオモンハタは他のハタと比べると若干ながら回遊性が高く、障害物をタイトに狙わずとも中層付近で釣れてくることが多々ある。べったりとボトムに着いていることの多い他のロックフィッシュとは対照的だ。
エソ/ショアジギングのいわゆる「外道」 かまぼこの材料にも
エソは海釣りの代表的な「外道」。小骨が多く、しかも太いのでそのまま食べるには向かず(味は美味しいそうだ)、またギザギザの歯でルアーやワームを傷つけるため、釣り人にはあまり歓迎されていない。一方でかまぼこの具材としては最高級品として知られている。型のいいものが釣れたなら、試してみるのも一興。
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