2024年秋、ブランド創設35周年を迎えたマリアが新たなルアーをリリース。その第1弾が9月20日にマリアのホームページ上で全貌が公開された磯ヒラ特化型リップレスミノーのチョビーSF125だ。なぜ、今、ヒラスズキ用なのか? そして磯のヒラスズキ用リップレスミノーの特徴とこだわりとは? 開発担当者を直撃し、アツく語っていただいた内容を要約。チョビーSF125のすべてをダイジェストで紹介しよう!
●文:ルアマガプラス編集部
開発期間3年! 令和の磯ヒラ対応喰わせのリップレスミノーがついにアンベール!
チョビーSF125の開発は、磯のヒラスズキ釣りのエキスパートでありルアー開発にも造詣が深いマリアスタッフが担当。後に紹介するチョビーSF125のコンセプトを追求するために足掛け3年。500以上もの試作をし、納得のゆくヒラスズキ用リップレスミノーを完成させた。もっともこだわったのが、今後の磯ヒラゲームのカギを握る“喰わせ”のアクションだ。
ロックショアの楽しみ方を広げるヒラスズキへのアプローチ
チョビーSF125を詳報する前に、なぜ35周年のアニバーサリーにヒラスズキ用ルアーを出すのか? マリアはロックショアの青物狙いの釣り人から支持の高いブランドだ。青物狙いで磯にのり、朝イチはヒラスズキを釣るというアングラーも少なくない。
同じ磯にのるならロックショア青物の方々に、もっとヒラスズキの魅力を提案したい! というのが開発の出発点。また河川や港湾のシーバス釣りをはじめ多方面の釣種から磯を目指す釣り人も増えている。釣行日にいつも良いサラシが広がっているとは限らない。プレッシャーが高まる昨今の磯ヒラゲームでルアーは“喰わせ”の重要性が高まっている。これらの現状を踏まえ、チョビーSF125の開発がはじまった。
純ロールアクションでスレさせず、釣れ続ける! コンセプトは『サラシ漂わせ系シャローランナー』
ヒラスズキは警戒心の強い魚。朝イチの1投目にバイトがあっても後が続かないという経験を持つ釣り人は多いはずだ。とくに三浦半島など都市近郊のフィールドはフィッシングプレッシャーが高い。魚は居るのに口を使わない。それを打開するためにチョビーSF125がたどり着いたのが、ウォブリングは一切排除のタイトな純ロールアクション。
ちょっと弱めアクションでサラシを漂うシャローランナーが全国各地でテストされ、魚をスレさせず、一カ所で何尾も釣れ続けることを実証した。それを可能にしたチョビーSF125のディテールをみていこう。
潜行レンジ30cm ! 引き波の中でも泳ぎが破綻せず足元までしっかり引き切れるヘッド形状
スレにくく、釣れ続けるロール主体のアクションを生み出すキーポイントの一つが独特なヘッド形状。突き出した下アゴは試作段階でコンマ何mm単位で幾度も調整が重ねられ、最終的に6mmに決定。下アゴ付け根の凹みも泳ぎに大きく影響し、潜行レンジは水面下30cmから潜っても50cmまで。
水を受け流すタイトなロールアクションなので強い引き波を受けてもアクションが破綻しにくく、このヘッド形状のおかげで足場の高い磯でも足元まで水面を割らずにしっかり引き切れるというメリットも生まれた。
磯のヒラスズキ用ルアーで異例の3フックには大いにわけがある
磯ヒラ歴の長い人ほど、ミノーは太軸の2フックという概念が染み付いているはずだ。御多分に洩れず開発担当者の面々も試作は2フックでスタートしている。だが試作とテストを繰り返してもアクションと飛行性能に関して納得のいく成果が出ない。また各地でテストを重ね、現場で出会ったアングラーたちに話しを聞くと、3フックでも違和感なく使えるというエビデンスが得られた。
開発担当者たちは経験から重量物が分散する2フックより、3フックのミノーのほうが飛行姿勢が安定して飛距離が出ることを知っている。また磯ヒラゲームはサラシの中の沈み根などピンスポットを撃つ釣り。圧倒的な飛距離より逆風下での安定した飛距離と精度が求められる。そのための3フックでもあるのだ。
アクションも大型太軸2フックだと従来の磯ヒラ向きミノーのようにブリブリとテールを振る泳ぎが残り、3フックにすることで弱々しいタイトなロールアクションに結びつく。チョビーSF125の飛び、泳ぎ、強さで今まで喰わせきれなかった磯のヒラスズキに立ち向かえる。
サラシの中で浮かず、沈まず! レンジを保って水平寄りの姿勢で漂うから見切らない!
“喰わせ”を追求するためにチョビーSF125は浮力も徹底的にこだわっている。スローフローティングタイプで、浮力は海水域で50cm浮上するのに5~10秒。これは波立つ磯のサラシの中でリールを巻く手を止めてもラインテンションがかかり、浮かず、沈まずのほぼサスペンドする設定だ。
また磯ではロッドを立て気味に操作することが多く、止めたときにもボディが水平寄りの姿勢を保ち、サラシの中で漂いやすいバランスに設定されている。通常のフローティングタイプやシンキングタイプは漂わせているときにレンジが変わって、スレた魚ほど見切る。それを防ぐのがチョビーSF125の浮力設定で、コンセプトである“サラシ漂わせ系”の実現に大きく寄与している。
ヒラスズキの視覚にもうったえる! 磯ヒラゲーム高実績カラー8色をラインナップ
マリアの母体であるヤマリアは、大学との共同研究を続け魚類の感覚を釣り具に反映するのはお手のもの。ヒラスズキはスズキより視覚が優れ、緑系の色が見えやすいという研究結果が出ている。このヒラスズキの視覚特性を活かしたカラーの一つがサラシグリーンで、背中とお腹がグリーン。ヒラスズキからも釣り人からも視認性の高い配色だ。そのほかにも小魚寄りから視認性重視まで磯ヒラゲームで実績のある8色をラインナップ。スレにくいチョビーSF125は色を変えるとまた釣れる! ということも珍しくないので、色数は多めに用意したほうが良さそうだ。
マリア・チョビーSF125 カラーラインナップ
サラシが薄いナギヒラにも有効! 全国各地のロックショアで活躍に期待!
スレさせず、釣れ続けるチョビーSF125の特性は、サラシが薄くヒラスズキがルアーを見切りやすいナギのときにも有効。基本的な使い方はサラシの中で巻いたり、流れがあれば止めたり、流したりと河川のシーバス釣りと同じということだ。
タックルに関しても関東周辺ならPEライン1.5号、リーダー30lb。九州地方はPEライン2号、リーダー40lb程度の一般的なヒラスズキ用タックルで扱いやすく、東北地方などヒラスズキが生息しない地域では、磯のマルスズキでも有効性がテストで実証されている。磯のヒラスズキ用ルアーに“喰わせ”という概念を打ち出したチョビーSF125。ヒラスズキの生息域が北へ拡がりをみせる近年、全国各地のロックショアで活躍が期待される。さらにマリアでは継続的に磯のヒラスズキ用ルアーを展開予定ということで、今後の動向にも注目だ。
マリア・チョビーSF125
- 全長:125mm
- 重量:20g
- タイプ:スローフローティング
- フック:太軸#6
- リング:太軸#3
- カラー:8色
- 発売:2024年10月予定
マリア・チョビーSF125の詳細を動画でみる
※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。