オカッパリ50UP連打!満水リザーバーのシューティング術【奥田学365daysフリースタイルseason2】金紗湖・新宮ダム(愛媛県)

ルアーマガジン・フリースタイルロケにおいて3回連続で50アップ捕獲記録を絶賛継続中の“ロボ奥田”こと、奥田学さん。今回向かったのは愛媛県のリザーバー。折しも大雨が連続した直後のとある夏の日、現場は異例のフル満水状態を迎えていた。陸からのアプローチが限定される苦境の中、はたして狙いのビッグワンは…。

●文・写真:ルアマガプラス編集部(近藤圭一)

PROFILE

金砂湖、新宮ダム(愛媛県)きんしゃ・こ、しんぐう・だむ/今回は四国中央市の山間部に立地する吉野川水系銅山川のダム湖へ。上流から柳瀬ダム(=金砂湖)、新宮ダムの順で並ぶ。遊漁券は市内の各コンビニ端末、及びFISHPASSで購入可能。1日1500円。

奥田 学(おくだ・まなぶ)

ストロングスタイルを主軸に、常に現場最大級のバスを仕留め続けるMr.バンタム。愛称は誰が呼んだか“ロボ奥田”。直立不動で精密機械の如く狙った獲物を確実に仕留めるのがその由来だ。シマノインストラクター。ビッグフィッシュルアーブランド『シグナル』主宰。

【YouTube】動画で全部見せます!奥田学、またも50アップ連発×オカッパリ攻略!

連載50UP記録継続中の主、再び四国へ上陸。事前情報ナシで現地へ向かうと「何や、コレ!」

2024年4月撮影

今回のロケでは満水位まで上昇…

「今回は四国へ。愛媛県の金砂湖をメインに考えていて、状況が良くなければ1つ下流側の新宮ダムへ行こうかなと考えているよ。ほかにも少し足を伸ばせばいくつかリザーバーもあるエリアだね」。

事前情報を敢えて封印して、常にフレッシュな状態で現場へと向かうことを信条とする奥田学さんは冒頭のように語り始めた。

「そう、言い方は悪いけど“逃げ場”がないと、リザーバーは厳しいからね。この夏は各地で大雨が降ってるし、着いてみたらド茶濁りでハイ終了なんて…それじゃあ困っちゃうしサ(笑)。何や、コレ! フル満水やん! こんな金砂湖は今まで見たことないワ!!」。

開始2投目で幸先の良い1本目を捕獲!

高台から見下ろして発見した1本に対して、まずは水面ピクピクでアプローチも瞬時の反応のみ。2投目は岩のキワに形成されたマットカバーに投入。すると、ソイツは疑いなく口にくわえ、沖へ!

「いったいどこまで水があるんや。とりあえず行けるところまで行ってみようか」。

金砂湖の流程を上れども上れども、夏の定番・バックウォーターと呼べる流域に到達しない。ようやく降りられたのは平野橋から2キロほど遡った長瀬橋脇だった。

「おっ、おった! こんだけクリアやとハードベイトは難しいかな。自分の影と着水音に気を付けてやってみようか」。

高台から見下ろすや魚の姿を発見。小声でそう言うと、物音たてず静かに下りアプローチを開始する。

「水面ピクピクは一瞬で見切られた。ならば、これはどうや?」。

開始からわずか2投目で、何と幸先の良い1本目をキャッチ! しかもバイトシーンは丸見え! 

46.5センチ

ヒットルアー:マグナムスワンプクローラー(ZBC)+ノーシンカーワッキー●モスキートヘビーガード♯2/0(バリバス)

夕マズメ、再度訪れた最上流部。風で寄せられたマットカバーの隙を狙って、十八番のビッグベイトを投入。「ん? 対岸に釣り人がおる。どうやって行くんやろ?」。時間と共に高まるプレッシャー。幸先の良い1本を仕留めた場所だが、先行きに不安が募る。

バンタム アーマジョイント190SFフラッシュブースト(シマノ)

2日目…ラン&ガンの欲を抑え、粘りの釣りに徹する!

in新宮ダム。早朝はバスの姿が潤沢なエリアへ到達できるルートは発見できず、止むを得ずやや上流側へ。頻繁な魚の供給はなく、その時を待つ。

2日目、奥田さんが向かったのは、前日は未踏だった新宮ダム。金砂湖の下流側に当たるリザーバーで、こちらもまたフル満水状態。

「何や、このバスの数! けど、水際へ降りられへんワ…」。

リザーバーは急傾斜が付き物。安全を確保できるルートが存在しなければ釣りもままならない。

「魚が無数に見える場所からカーブを経た上流側。水温も低くなるせいかベイトフィッシュもおらん。上ってくる魚を待つしかない」。

ランガン派の奥田さんが「魚が来なかったら、すぐに飽きると思うけど(笑)」と言いつつも1場所で粘る。

「(来たよ!)」。

小声でそう言うや、即座にバンタム274M+でロングシューティング。極太の個体が向かう進行方向、対岸にマンバのノーシンカーを落とし転がしての着水。すると!

51.5センチ。1本の肉厚魚を発見するやマンバで一撃必中!

「食ったのを確認して、距離が遠いからステラのドラグを締め直して確実にフッキングが決まった。久々に気持ちのいい1本!」。

上流へ走る魚をいなして、足下に迫る岩を躱してリフティング。陸王スティック・バンタム274M+の遠投力とストローク、そしてパワーがフル稼動。アプローチからファイト、そしてランディングまで「100点満点!」と語った1本は、狙いのビッグワン。50センチを優に超える1本だった。

ヒットルアー:マンバ4インチ(シグナル)+ノーシンカーリグ●フッキングマスター ヘビーワイド♯5/0(バリバス)

「岸釣りでは“替えスプール”がマストアイテム!」

「50アップを確実に獲れる強度が必要」として、奥田さんは通常時はフロロ20ポンド、最低限で16ポンドを選択。ザックには常に複数の替えスプールケースを収納している。

ボート釣行ではDC系ベイトリールも多用する奥田さんだが、岸からの釣りではバンタムを始めとするSVS系が主軸。「理由はスプール交換が簡単なこと。状況に応じて、太くしたり細くしたり、PEにしたりフロロにしたりが自在」。仮にバックラッシュの修復が困難な場合でも替えスプールがあれば即時に対応できる。スピニングも同様だ。

スピニングはPE0.8号+フロロカーボン8ポンドがメイン。「今回のようにプレッシャー高いなら0.6号+6ポンド、カバーが濃いなら1号+16ポンドに」。常時3つのスプールを使い分けている。

3日目 日に日に冴え渡っていくでかバスへの“嗅覚”

最終日は前日の傾向から朝に着目して、45センチとまずまずの1本目。しかし、それだけに飽き足らず昼にも入り直して、前日の50アップを凌ぐ全長かつ極太肉厚の1本を見事にキャッチ!

最終日は昼を目安に帰路へ向かうことが前提。初日同様にわずか半日の釣行となったが、結果は言わずもがな、前日の50アップをさらに上回る全長と極太肉厚の1本を仕留めることに成功した。

「水位が下がって、上流には上って来る個体はさらに少なくなるとは思ったけど、そんな中でも上る個体は強くでかいってことやね」。

実質2日間の釣行で、50アップを2本。実に見事な結果だ。

有終の美を飾る52センチ。ヒットルアー:マンバ4インチ(シグナル)+ノーシンカーリグ●フッキングマスター ヘビーワイド♯5/0(バリバス)

「思うように釣りができる場所がない満水のタイミングやったけど、奥田的に“1ビッグ”を狙って獲るスタイルとしてはOKかな」。
 実釣を終了して帰路に着き始めるや、前後不覚の豪雨が襲来! 奥田さんは様々な意味で天候さえ味方に付けていたのかもしれない。

使用タックル

【指定外は全てシマノ】*上から

[アーマジョイント、デビルスイマー他用]

  • ロッド:バンタム173MH-SB
  • リール:バンタムXG+夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリ BH-1
  • ライン:アブソルートAAA16〜20ポンド(バリバス)

[マンバフリーリグ他用]

  • ロッド:プロトロッド
  • リール:メタニウムXGレフト+夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリ BH-1
  • ライン:アブソルートAAA16ポンド(バリバス)

[マンバノーシンカー他用]

  • ロッド:バンタム274M+
  • リール:ステラC3000XG+夢屋ハンドルノブEVAパワーラウンド型M
  • ライン:アバニ シーバスマックスパワーPE X9 0.8号(バリバス)+バーマックス磯 ゼロハリス[フロロカーボン]2号(バリバス)

[ジジルプロップ、マルチシャッド他用]

  • ロッド:バンタム264L/M
  • リール:ヴァンキッシュ2500SHG
  • ライン:ピットブルG5 0.6号+バーマックス磯 ゼロハリス[フロロカーボン]1.5号(バリバス)

【YouTube】動画で全部見せます!奥田学、またも50アップ連発×オカッパリ攻略!


※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。