【埼玉がワカサギ天国になる日がくるかも】埼玉育ちのワカサギから採卵→埼玉の釣り場へ放流が実現間近【LOVE BLUE】

一般社団法人日本釣用品工業会と公益財団法人日本釣振興会が協働事業として取り組んでいるLOVE BLUE 事業ではワカサギに関する活動が全国各地で行われている。その活動のひとつとして、埼玉県内行われている新たな事業の動向を紹介しよう。

●文:ルアマガプラス編集部

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人手不足をカバーする新たな動きが県内で

一般社団法人日本釣用品工業会と公益財団法人日本釣振興会が協働事業として、2013年4月1日からスタートしたつり環境ビジョンコンセプトに基づく LOVE BLUE 事業では、日本各地の漁協に協力することで、ワカサギ釣り場を拡大する活動を行っており、各地で喜びの声が上がっている。

そんな中埼玉県では、本事業で支援しワカサギ増殖に成功した入間漁業協同組合の古島照夫 組合長の強い勧めにより、入間漁協を除くワカサギ漁業権を持つ埼玉県の 7 漁協が、埼玉県水産研究所と協働しながら県漁連が主体となって各漁協へワカサギ受精卵を供給する、といった活動が行われている。

これは、深刻な人手不足 に悩む県下の漁協に対し卵生産の部分を県漁連と県水産研究所が狙うことで、釣り場運営をする各地の漁協の労力を大幅に軽減出来るメリットとなる。

これにより、安定した増殖作業を実現しながら今までよりも安定した増殖が可能となり、軌道に乗れば、県下の新しいワカサギ釣り場開拓にもつながる取組みとして期待されている。

埼玉県内のみでのワカサギ再生産の環が実現間近

さらに県水産研究所の事業として、埼玉県下でワカサギ親魚を採り、受精卵を確保する事業が新たにスタートされる。

これは本事業との連携を視野に入れた取組みとして、将来的には埼玉県産ワカサギのみで受精卵の生産から放流までを行うことを目指している。

2022年度の支援以降、秩父漁協管内の浦山ダムや、児玉郡市漁協管内の間瀬湖、埼玉県東部漁協管内の権現堂沼、埼玉県北部漁協管内の油井ケ島沼等にてワカサギの放流が実施されており、浦山ダムや間瀬湖、権現堂沼では釣果を確認。2年度目となる2024年9月14日には秩父漁協管内の浦山ダムが解禁し、今シーズンにも期待が持たれている。

県内の釣り場で放流されたワカサギがしっかりと育ち、採卵できる親魚までの成長が見込めれば、県内親魚からの受精卵生産→県内放流、という取組みが可能となり、他県産地からの受精卵入荷が不安定な状況を改善して県下の各漁協へ安定的に受精卵を配布→放流へとつなげていくことが可能となる。なお、そのための施設は2025年から稼働する予定だという。

また同時に、ワカサギ増殖に有望な県下の水域があれば放流を検討し、新規ワカサギ釣り場の開拓にもつながっていくということだ。


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