三浦半島では青物を狙うライトショアプラッギングが面白い。春にならんでターゲットの活性が上がる秋シーズンを迎える今、この三浦半島をホームに活動しているマリアスタッフの田中優志さんに、このエリアで欠かせないおすすめルアー3選を紹介してもらった。
●文:ルアマガプラス編集部
三浦半島で青物を狙うならまさに“今”です!
神奈川県・三浦半島をホームに様々なターゲットを追う田中さん。特に青物に絞った場合、三浦半島ではどの季節が一番釣れるのでしょうか?
田中「三浦半島では、青物なら40~50cmほどのイナダが一番多く釣れ、稀にワラサ、ブリサイズが釣れることもあります。シーズン的には、6月くらいから釣れ始めます。シーズン初期はサイズが出やすい傾向にあります。暑さが厳しくなる8月くらいになると、一度釣果が落ち着くんですが、9月からは秋シーズンが始まり、今度はイナダサイズがよく釣れるようになるイメージですね」
シーズンによって、釣れるサイズに傾向があるんですね。
田中「そうですね、春先は打率が低いもののサイズが出やすい、秋はサイズは落ちるけど、数がよく釣れるという感じです。なので、三浦半島で青物を始めたいという方はまさに今がチャンスです!」
スポット選びで重要な条件「地形・潮流」そしてもう1つは…
では、三浦半島で青物を狙う場合、どんなスポットで釣りをしていけばいいのでしょう?
田中「まず潮通しのいいところはひとつキーになります。岬まわりなど、突き出た場所などですね」
田中「また、青物はワンド状の地形にエサを追い込むという性質もあるので、ワンドの入り口に当たる場所も要チェックです。そして、実際に釣り場に着いてからはやはり潮目や流れのヨレなど、流れに何かしらの変化が生じる場所での実績が高いと考えています」
地形、潮流とくると、次はベイトの存在ですね。
田中「三浦でよくメインベイトとなるのはカタクチイワシやトウゴロウイワシです。春はベイトサイズがまちまちで読みづらい印象ですが、秋に関しては例年だと秋口は小指くらいのサイズで、そこからシーズン進むにつれて人差し指くらいの大きさまで大きくなっていくような印象です。ただ今年はちょっと違っていて未だにベイトサイズがとても小さい傾向なんですよね」
三浦半島ライトショアプラッギングおすすすめルアーその1【ラピードF130】
では、三浦半島で青物を釣るためのおすすめルアーを教えてもらえますか?
田中「はい、いろいろおすすめのルアーはあるのですが、今回はラピードF130、ポップクイーンF105、フラペンブルーランナーS85の3つを紹介いたします。まずラピードF130。一番の出しどころは、朝マズメなど魚の活性が高いとき。青物狙いでジグを投げる人も多いかと思いますが、トップを投げることで獲れる魚もいます」
田中「トップウォータープラグなら浅い場所でも根掛かりせずに攻めることができますし、ジグよりもボディサイズが大きいのでアピール力が高い。また、止めても浮くトップなら、ピンポイントをスローに引くこともできる。潮目やヨレなどをじっくり攻めることができるんです。青物がベイトをもっとも追い込みやすいのが水面ですし、トップは理にかなっていると思います」
では、ラピードF130はどのようにアクションしていけばいいでしょうか?
田中「基本はダイビングアクション。ロッドを横にストロークさせる、いわゆるダイビングペンシルのホウキ引きですね。バイトが出るタイミングは、ダイビングアクションで出たラインスラックを回収する途中のステイ時が多いです。ストロークのスピードは、ゆっくり見せたり速く見せたりと、いろいろ試してその日に一番出る反応を探っていくことが重要です。さらに、ベイトが小さいときはショートピッチ、ベイトが大きいときはロングストロークで見せるのがいい、ということも覚えておいてください」
より戦略的に攻めるためのカラーローテーション
青物狙いにおけるカラーの選び方、ローテーションはありますか?
田中「ベイトが小さいとき、陽が高くルアーのシルエットをあまり見せたくないときは生シラスなどのクリアカラーが効果的です。朝夕のマズメ時・ローライト時は、ベリーにグローが入っているケイムラスリットグロー、ベリーにピンクが入っているブルピンイワシなどがおすすめです」
田中「また、初めて使う方などは、視認性が高いピックイワシが使いやすいです。ルアーの位置、アクションの仕方などを目で見ながら調節していくこともできます。時化の日など、ルアーが見にくい状況にもおすすめですね」
三浦半島ライトショアプラッギングおすすすめルアーその2【ポップクイーンF105】
では次にポップクイーンF105。ラピードF130と同じくトップウォータープラグですが、両者の使い分けはありますか?
田中「ポップクイーンF105は、マズメの薄暗いタイミング、水深が深い場所などでよく使いますね。一方、ラピードF130はアクション時に出る水面の波紋やウォブリングの波動、フラッシングなどでターゲットに存在をアピールできるという特徴があるので、このメリットを十分に活かせるような使い方をします」
具体的には、どのような使い方でしょうか?
田中「ポップクイーンF105はポップ音で魚にアピールできるタイプのルアーなので、ローライト時や魚のレンジが深いときなど、フラッシングなどの視覚によるアピールがが効きにくい状況で威力を発揮してくれます」
ポップクイーンF105の、効果的なアクションなどありますか?
田中「ラピードF130と同様で、ジャークして止めての繰り返しが基本です。三浦半島では、あまりガボっと派手に誘うよりは、比較的優しめにダイブさせるアクションに実績があります。あと、アクション後のステイ中にバイトが集中するという点も共通しています。カラーローテーションに関しては、ラピードF130で解説した内容がそのまま当てはまります」
三浦半島ライトショアプラッギングおすすすめルアーその3【フラペンブルーランナーS85】
では最後にフラペンブルーランナーS85。これはどういう使い方になるのでしょうか?
田中「活性の高い魚はトップで釣るのが手っ取り早いのですが、やはりトップに出きらない魚もいます。そういう場合に水面の少し下をフラペンブルーランナーS85で通します。あとは、沖でボイルやナブラがあったときにも、飛距離が出るこのルアーは重宝します」
田中「テールのフラップは可変式になっていて、キャスト中は閉じることで空気抵抗が減るので飛距離が伸びるんです。また、テールのフラップがリップになるので、シンペンの飛距離を出しつつ、シンペンにはない波動でアピールできるのも強みですね」
田中「アクションはただ巻きでOK。ミディアムよりもやや速めに巻いて使ったほうがよく釣れますよ。カラーは、シルエットを見せたくないときはクリア系、ローライト時はグロー系やコットンキャンディ系などをよく使います」
朝マズメに満潮が絡むとチャンス大!
最後に、三浦半島で青物を釣るためのコツや注意点などを教えてもらえますか?
田中「毎日のように通っていて思うのが、マズメに満潮が絡む日はよく釣れますね。やはり潮位が高いほうが魚との距離が近い気がします。逆に言えば、マズメに行けなくても潮位が高いタイミングであれば魚に出会える確率は上がると思います」
潮位が高いタイミングですね、これは有力情報!
田中「あと、近くにコインパーキングがあるスポットが多いので、クルマでの釣行もやりやすい。伊豆のような激しい崖があるわけでもなく、外房のように遠浅でもない、比較的エントリーしやすい場所が多いですね。県外や都内からもアクセスしやすいと思うので、ぜひみなさん三浦半島で青物を狙ってもらえたらと思います!」
アングラープロフィール
田中優志
たなか・まさし/神奈川県在住。東北出身で、福岡県に住んでいたこともあり、いろいろなエリアで釣りを経験してきた。現在のホームは三浦半島で、青物やヒラスズキ、河川シーバスなど季節に応じたターゲットを追う。マリアスタッフ。
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