今号の房総リザーバー特集では各レイクをホームグラウンドとするスーパーローカルたちが登場している中で、唯一アウェイの地に挑んだのが東海エリアからの刺客・水野浩聡さん。自身2度目となった高滝湖で組み上げたのは、愛竿・24ポイズンアドレナを主軸とした「陸っぱりでも応用できる戦略」。ボートに乗っても水野さんはやはり凄かった!
●文:ルアマガプラス編集部
「アドレナの高感度が僕の魚探代わりです」
水野「高滝湖は久々で去年以来ですね。護岸に囲まれた本湖は非常に広く、岸際にカバーが多いバックウォーターが2つある。古敷谷川は奥行きが短くて、もう一方の養老川は長い。僕の中でのイメージはそんな程度ですね(笑)」
日々、日本全国を所狭しと駆け巡る水野浩聡さんがやって来たのは、房総半島リザーバーの雄・高滝湖。1年ぶり生涯2度目となる釣行で、現地の事情に明るいとは言えないアウェイの地だ。
水野「房総半島リザーバーで経験があるのはココと亀山湖、それに三島湖だけ。いずれもそれぞれ特徴がある湖で、ほかの3湖もいつか行ってみたいですね」
ここで『!?』と頭に描いた方も多いかもしれない。近年メディアでは陸っぱりを軸とした活躍を見せることが多い水野さん。古くから彼を知る方なら『元プロガイド』のキャリアからボート釣行に何ら疑問はない。だが、現在は陸の機動戦士としてのイメージが強
い中で、敢えての艇を選択。アウェイかつレンタルボート釣行に挑む異例の機会となったのだ。
水野「今回、魚探は使いません。僕の魚探代わりとなってくれるのは、この24ポイズンアドレナ。優れた感度がきっと強い味方になってくれます」
今回は強力な布陣と共に「陸っぱり目線で挑みます」と宣言。まずは当日の高滝湖の〝今〟をどう捉えていったのだろうか。
「すべての答えは現場が教えてくれる」
今年は9月に入っても全国的に猛暑日が続き〝長い夏〟となったことは記憶に新しいところだろう。中旬以降になって秋雨が降り、過ごしやすい気候となったことでようやく〝遅い秋〟が訪れた印象が強い。釣行当日は9月下旬、日中の日差しはまだまだ強く、気温は
30度にも迫る一日となった。
水野「とはいえ、カレンダー上では既に秋。人間の体感温度とは異なり、水中は秋へと確実に進行しています。バスも本能に従って行動しているはずです」
水野さんが最初に選んだのは、本湖の広大なフラットエリア。
「秋のドンズバ直球」と呼ぶバイブレーションを投げ始める。
水野「ボートポジションで水深は〝推定〟1メートル弱、ルアーをキャストした着水地点は〝推定〟30センチですね」
水深が〝推定〟であるのは、前段で解説した通り、魚探を非搭載のためだ。ファーストキャストの遠投した先でバイブレーションが着底するまで、底を感じ続けて船べりまで、それぞれ巻き続けた感覚が推定水深を水野さんに着想させる。その根幹となるのは、もはや言うまでもなく24アドレナの突き抜ける高感度だ。
水野「ベイトフィッシュを盛んに追ってる様子が伺えて、バイトは頻発しますね。ただ偏食タイプの個体が多いようで、獲れたのは1本のみ。上流も見ておこうかな」
そう言って遡ったのは「奥行きが長い方のバックウォーター」という養老川だった。夏の名残を探し、水温が若干下がる上流域のカバーを要所要所で撃ちながらの遡上。気付けば昼を過ぎ、ボートで上ることができる限界地点へと到達していたのだった。
水野「ようやく上流域での1本目!目の前をベイトが通過した瞬間にスイッチが入ったバスがホバストに反応してくれました!けど、ここまで水面直下系のハードベイトで何回かチェイスはあったものの、さほど食い気を感じない…。本湖に比べ長い時間を使ってきたんですけどねぇ」
数は少ないが一発を狙って上流域を選択するのか、それとも本湖へと戻るのか。
水野「…ヨシ、決意しました!」
水野さんの次なる展開とは、果たして。
常に〝今〞を感じて釣果は加速度的に…!
水野「ボート屋さんの方や、釣行中に出会ったアングラーの方からの話では『日毎に減水中』とのことなんですよ。護岸の跡を見てもそれに気付けます。ならば、上流で釣り続けるのはリスクが高い。再び本湖へ戻ります!」
水位が下がり続けていた当日の高滝湖。水深の浅い上流域のエンドは下がり、魚のポジションも徐々に下がっていく。一方で本湖であれば減水中であれど極端な水深変化はない。水野さんの賢明な判断がその後の結果に繋げていく。
水野「朝の本湖で気付いたのは、水深変化のあるところ、いわゆるブレイクの水面上でベイトの波紋やボイルが多く見えたんですよ。だったら、その沖側に見える波紋も同じく、ブレイクなんじゃないかなと」。
24アドレナ166Mでボトムサーチすると「推定1メートルから推定1・7〜1・8メートルま
で落ちてますね」と確認。岸側と沖側、2つのブレイクを主眼に置き、各種ハードベイトで探りを入れていく。
水野「朝と同様に、かなり偏食タイプの個体たちですね…。ひとつのルアーで連発するほど甘くない。ならば、何をやってもダメな時の救世主を試してみます」。
そう言って投入したのが小型バイブレーション。朝に多投した標準サイズよりサイズダウンするとともに、ただ巻きからリフト&フォールへとシフト。バイトはリフトした瞬間に数多く、24アドレナ266L―2が即座に感知して、鋭いフッキングを決めていく。
水野「リアクションの釣りなので食い切れない魚ももちろんいますが、バイトは確実に増えている。釣り方がマッチしている証拠ですね」
そして、見事に結果を叩き出す。
水野「ボトムまで着底させると、ニゴイが食ってしまう(笑)。なので、水深1メートルのレンジを基準に、その上下30センチをリフト&フォールするイメージで。これが効いた。ならば…」。
空は曇りから雨天へと移り変わっていく中、水野さんの判断はさらに冴え渡っていったのだった。
24アドレナのココが凄い!!
秋の戦略を底支えする24アドレナの各戦闘力
水野「1メートル前後で食い切れない魚がいるのなら、そのレンジをキープしながらもっと食いやすい釣りに替えてみます」
上流域ではラバージグで使っていた24アドレナ166ML /Hにスピナーベイトをセット。
MLの繊細なティップとHパワーの強靭バットが持ち味のラディカルテーパーは、中〜重量級の撃ち&巻きを隈なくカバーしてくれる。雨が徐々に強くなっていく中、シャープなキャストがスピナーベイトを遥か先へと送り届けた…次の瞬間!
水野「ヨシ、狙い通り! ややスローなただ巻きにしたことで、より食いやすくなったんだと思います」
立て続けにもう1発! 実に見事な2連発! この日の正解を完全に導いた、そう言ってもいいだろう。
水野「雨が降り始めて、上流が流れを伴い水量も増え、濁りも出てくるので、もう一度…という手もありますが、さすがにここまでドシャ降りになってしまうと『危険が危ない』ので(笑)」
雨雲レーダーは高滝湖上空で真っ黄色(30ミリ以上)。ここからさらに強さを増し、赤(
50ミリ以上)がやってくる予報…。危険を回避すべく、ここでやむなく撤収を決意したのだった。
水野「今回は夏なのか秋なのか、微妙な季節でしたが、やはり秋は確実に進行していましたね。基本的に秋って、ベイトが横移動していくことに伴ってバスも横移動するものに反応するようになっていきます。今回の結果がまさにその事実を物語っていると思います」
ハードベイトを主体とした展開が見事に奏功。『秋は広範囲を探れ、そして巻け』。水野さんの想いを代弁するならばこうだ。
水野「より軽くて振り抜き感がシャープになった24アドレナは、ルアーの初速が速くなります。この初速って、飛距離を伸ばす大きな要因になるんですよ。特に秋には強い味方となってくれるはずです。ボートはもちろん、陸っぱりでもぜひ楽しんでください」
水野さんは陸のみならず、やはり艇でも凄かった!
水野さんのタックル
動画でも水野さん✕24アドレナの活躍をチェック!
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