【極意教えます!】生半可なロッドでは刃が立たない…バス釣りレジェンド・ヒロ内藤が求めた条件

国内バスフィッシングの発展に大きく影響を与えたヒロ内藤さん。その魅力的な釣りのスタイルは「ヒロイズム」とも呼ばれ、今なお多くのアングラーを強烈に惹きつけてやまない。そんなヒロ内藤さんの求めた究極のロッド。それが「HIROism(ヒロイズム)」。そこにはヒロさんの培ってきた経験から導き出された、ロッドに求める要件が込められていた。

●文:ルアマガプラス編集部

2024 シーバス特集

profile

ヒロ内藤(ひろ・ないとう)
釣り歴60年にも及ぶ、日本のバスフィッシング黎明期から活躍するレジェンドアングラー。日本人が手探りでバス釣りを楽しんでいた時代に渡米し、バグリーに入社。さらには日本人としてははじめてバスマスタークラシックのプレスアングラーとして参加し、本場のバスフィッシングを吸収。日本のバスフィッシング文化発展に大きく貢献している功労者だ。群馬県館林出身フロリダ在住。本名・内藤裕文。姉は元宇宙飛行士の向井千秋。

楽しい釣りのためのロッドの仕事

バスフィッシングの黎明期から活躍するヒロ内藤さん。日本人にまだまだバス釣りが浸透しておらず、手探りだった時代にはすでに渡米し、アメリカでバス釣りを学んでいる。

日本よりも遥かに歴史のある彼の地で学ぶということは、バス釣りの本質に近づくことにほかならない。それは簡単に言えば、ブラックバスというターゲットに対するアカデミックな知見であったり、ルアーそのものの歴史や物理学という点、そしてバスを釣るためのメソッドであったり…。普遍的な、誰もが学ぶべきバス釣りに必要な知識だ。

そんな高みにあるヒロさんだが、口を開けば終始穏やかで物腰柔らかく、強く人を惹きつける。

「バス釣りも好きだけど、バス釣りをする人が好きだから」

そう言って繰り出される無限とも思われる会話の引き出しにより、一度話をしたなら誰もがファンになってしまうに違いない。

ではバス釣りのスタイルもおおらかで朗らかとしたものかというと、そうではない。

ヒロさんのバス釣りは、非常にハイテンポかつオフェンシブだ。

「仕掛けていく釣りが楽しいんですよ。ルアーを意のままに操って、バスのストライクを作り出すんです」

それこそがヒロさんの信条とするスタイル。思い描いた釣りを実現することこそが、ヒロさんを満足させられる。

そしてそのスタイルを遂行するためには、生半可なロッドでは刃が立たない。ヒロさんの求める竿はこうだ。

「僕の釣りは、正確なキャストから始まるから、まずキャスタビリティ。そして思い通りにルアーを動かす操作性。そして大きいバスをコントールして確実にランディングする能力。この3つを重視しています」

ヒロさんの求める3つの要素。これらをクリアして誕生したロッドの名は『ヒロイズム』。実はヒロさんはこれまで何本ものロッドを手掛けてきた。しかしその過去のどれよりも優れた5本が、遂に完成の日を迎えたのだ。

ヒロの極意

① ロッドに求める3つのコントロール

キャストコントロール
ボートからのプラッギングをメインとするヒロさんなだけに、キャスティング精度へのこだわりは深い。意図した場所に正確に落とすことは、仕掛ける釣りになくてはならない要素なのだ。様々なシチュエーションを想定し、あらゆるキャストに対応する必要もある。

アクションコントロール
バスからの反応を引き出すためになくてはならないのが、アングラーがルアーを思いのままにコントロールできること。例えばペンシルベイトはうまくコントロールすれば、カバーに沿って泳がせることもできる。イメージした分だけ動かせれば、トラブルも少ない。

ファイトコントロール
ヒロさんは仕掛ける釣りで大物を狙う。なればこそ、掛けた魚に主導権を奪われてはいけない。バスの暴れをいなし、ファイトをコントロールすることで確実にバスを取り込むことにつなげるのだ。つまりジャンプや急な突進に対応できる必要があるということだ。

② 自由なアクションのための握り

ロッドを握る際は小指と薬指を中心に握るのがヒロさん流の極意。余計な力が入らず、ロッドを自由に動かすことが可能で、より柔軟なアクションを出すことができる。ゴルフや剣道などでも同様の握りが推奨されていることからも、人体構造的に優れた握りであることがわかる。

③ 究極のロッドワーク

ヒロイズムのようなショートロッドだからこそできる、究極のロッドワーク。まずはラインスラックを多めに出し、竿先は下向きに構える。そこから最速でラインテンションが一瞬貼るまで上方向にロッドを煽る! こうすることでほんの短い時間だけルアーが強い力で引っ張られてピンスポットアクションを発生。ラインも沈まないので、ルアーが余分に引っ張られる心配もない。ポッパーなどで試したいテクニックだ。

ヒロイズムを手に、バシバシと高アキュラシーキャストを決めていくヒロさん。

国内取材時はフロリダから選りすぐりのルアーを持ち込むヒロさん。名作を使うイメージが強いかもしれないが、実は新たなルアーも積極的に試している。

バスの生態に対しても造詣が深いヒロさん。思わず釣れたバスの側線上のウロコを数える。立派なノーザンラージマウスバスだった。

ヒロさんのリールは主にスティーズCT SV TW(DAIWA)。軽くて小さくいため握りやすく、疲労しにくいのがその理由。またギア比が高いものを選ぶことが多い。掛けた魚が手前に走って来た際に、ロッドさばきだけでは対応しきれないラインスラックを回収するためだ。

ヒロイズムシリーズ(スミス)

ヒロ内藤がバスロッドに求める要素を全て包括したまさしく「ヒロイズム」の体現。伝統的バスフィッシングからアメリカの最先端まで、幅広い釣りに触れてきたヒロ内藤だからこそたどり着いたバスフィッシングの本質的なロッドだ。これまでにいくつも同名を冠したロッドは展開してきたが、それらの言わば最新モデルともなる。氏が在住するフロリダというこれ以上ないというほどの環境でテストが行われ、ヒロ内藤を象徴する釣りを完遂するための5本がラインナップされている。全モデルに1pと2pの双方をラインナップ。

「ヒロイズム、ぜひ使ってみてくださいね!!」

ヒロイズムシリーズの解説はコチラの記事をチェック!


※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。