DAIWAから発売された次世代のベイトリール、IMZシリーズ。デジタル機器が内蔵され、スマートフォンと連動して飛距離などを記録できるこれまでにないリールだ。今回はこのリールを使って東京湾のシーバスゲームに挑戦してきたので、その様子をレポートします!
●文:ルアマガプラス編集部
インプレアングラー
フィッシングライター・西村
ルアーフィッシングを愛する釣りライター。なかでもソルトルアーが大好きで、ビッグベイトシーバス、バチコンアジング、SLJ、ロックショアなどにハマっている。秋のシーズンはボートゲームに足繁く通い、ビッグベイトでランカーを釣ることに心を燃やす。
飛距離だけじゃない! 過酷な現場で大活する超ヘビーバーサタイル!
スマートフォンと連動してアプリで飛距離などを記録できる次世代のベイトリール、IM Z。このIM Zには2種類がラインナップされており、まずIM Z リミットブレイカー TW HD-Cがリリースされ、ついでIM Z TW 200-Cが登場した。この2種類は大まかに使うルアーの大きさで使い分けることができ、リミットブレイカーはビッグベイトや重量級のルアーを気持ちよく扱え、200モデルは10gクラスといったミディアムサイズのルアーも快適に扱えるようになっている。
IM Z リミットブレイカー TW HD-C(DAIWA)
IM Z TW 200-C(DAIWA)
IM Zが優れているのはまずその爆発的な遠投性能。
タックルセッティングを吟味すれば100mオーバーの飛距離を叩き出すことも可能だ。
実際、筆者も過去のインプレ釣行で100mちょうどを記録できた。
しかしながら、IM Zのすごいところは飛距離だけではない。剛性が高く、ヘビーバーサタイルなリールとしても最上級のクオリティを有している。IM Zはソルト対応で、淡水・海水問わずモンスターフィッシュがターゲットとなる。今回はこのIM Zのタフさを活かして、東京湾のボートシーバスに挑戦してみた。
リールのブレーキも電子制御、セッティングはイージー!
出船前にリールのセッティング。スマートフォンにDAIWAの専用アプリをダウンロードし、リールとBluetoothで連動させる。アプリには巻いたラインの種類と太さ、そして長さを入力すれば準備OKだ。ワイヤレスイヤホンといった電子機器と連動するのと同じ要領なので、作業は難しくない。
リールのブレーキセッティングも電子制御される。ブレーキモードはスタンダード、PE/ブレイドモード、ロングキャストモード、MAXブレーキモードの4種類が標準で選ぶことができ、釣行を繰り返して条件を達成していくと新たなブレーキモードを追加することができる。
拡張性を持ったデジタル制御ブレーキ「インテリジェントマグフォース」
出荷時はブレーキはスタンダードモードひとつのみだが、DAIWAコネクティングシステムと連動すれば3つのモードを追加できる。また、特定の条件を達成すればさらなるブレーキモードが獲得できる。
DAIWAコネクティングシステム
リールのデータをアプリで保存し、ブレーキモードも追加可能。リールとスマートフォンをBluetoothで繋ぎ、日毎のキャスト回数や飛距離などのログデータをアプリ内に記録。また、新たなブレーキモードをリールにインストールしアップデートさせることもできる。アプリでは天候やルアー、釣果などもメモ機能に記録できる。
ビッグベイトとの組み合わせは最上級の使い心地!
秋の東京湾といえばビッグベイトシーバスが最盛期を迎える。
ビッグベイトはおよそ100g以上のペンシルベイトやジョイントベイト、グライドベイトなどをよく使い、ラインはPE2号以上ものをメインにする。タックルには大きな負荷がかかるので、リールにはタフさが求められるのだ。
朝一はIM Zリミットブレイカー、ロッドはラブラックスAGS BS66XHBの組み合わせに、ルアーはモアザンモンスタースライダー200Fからスタート。
このルアーは100gあるが、その重さに負けることなく快適にキャスト&リトリーブが可能だった。
キャスティングは快適そのもの。キャストすると自動でブレーキ制御が作動し、ギュイーンという作動音とともにバックラッシュを未然に防いでくれる。フルキャストはもちろん、ピッチングのようなショートキャストでも細かくブレーキが作動し、キャストの前半と中盤、そして後半と適切な強さでブレーキ力を調節しているのが作動音から感じ取れる。ブレーキ設定はPE/ブレイドモードを使用。フルキャストを繰り返したが、バックラッシュなどのライントラブルはなかった。
むしろ軽さこそ感じる軽快な使い心地
IM Zの重さは245〜250gであるが、実際の数字ほどの重量は感じない。むしろ、バッテリーや電子機器が内蔵されているとは思えないほどコンパクトだし、電子機器が入っているからといって左右どちらかにリールの重心が片寄るといったことがなく、リール全体のバランスがいいし、持った感じは一般的なリールと変わらない。クラッチのかっちりとした動作感、リールの軽い巻き心地、軽やかに伸びるキャスティングなど、すべてを総合すれば、使っていてとても軽快なフィーリングとなっている。
ランカーまであと一歩? 重量級シーバスヒット!
この日はトップへの反応がイマイチで、ミスバイトが1回のみ。そこでオープンウォーターではなく、バースまわりの釣りへとシフト。
タックルはIM Z TW 200-CとラブラックスAGS BS68MBにチェンジして、110ミリのミノーで攻めてみる。
IM Z TW 200-Cなら16gほどのミノーがをとても快適に扱うことができ、バースのピンポイントにも正確に打ち込んでいくことができた。
そして、台船横にミノーを通すとついにヒット!
上がってきたのはランカー一歩手前の超グッドサイズ!
ルアーのフックは伸ばされるほどの引きであったが、IM Zのドラグ性能が素晴らしく、ボート際の突っ込みにもバラさず対処。スピニングに比べてドラグ性能が劣ると言われているベイトリールだが、このリールなら安心してドラグを活かしながら大物ともファイトができると実感した。
今回はシーバス狙いで釣りを展開したが、遠投性能や剛性を活かしてサワラやイナダ・ワラサ狙いにもぜひ使ってみたいと感じた。
IM Zは淡水でも海水でも心置きなくビッグフィッシュゲームができる、隙のない完成度のヘビーバーサタイルリールになっていた。
今回インプレした使用タックル
【その1】
- ロッド:ラブラックスAGS BS66XHB
- リール:IM Z リミットブレイカーXHL TW HD-C
- ライン:PE3号、リーダー30lb
【その2】
- ロッド:ラブラックスAGS BS68MB
- リール:IM Z TW 200XHL-C
- ライン:PE2号、リーダー30lb
【使用ルアー】
- モアザン モンスタースライダー200F
- モアザン モンスタースライダー160F
- モアザン モンスターウエイク156F
- モアザン セイルアッパー165F など
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