毎回語り尽くしのネタ満載トークインタビュー・清水盛三「帰ってきたシン・ネバギバ。」。連載6回目前編は、大好きな野球ネタからの、本場アメリカでも取沙汰されているライブスコープについて。B.A.S.S.のルール変更に伴って、今回も持論&本音をズバリ語っていただきました!!
●文:ルアーマガジン編集部(写真提供:MORIZO SHIMIZU)
B.A.S.S.の来期レギュレーション変更が選手にもたらす影響とは?
“ゴジラ”松井、東京ドームで吠える…引退しても一流は色褪せない!!
――モリゾーさん、お疲れ様です。あれほどまでに暑かった気候も一気に進みましたね!
清水「ホンマやね~。今年も台風やら来襲したりしたけど、ソレもあっという間やったね。つい先日まで半袖Tシャツ、みたいなノリやったけど…なんか、日本の四季も急激に変化するようになっちゃったね。今年も酷暑は終わり、アツさもヒト段落…やけど、別の意味でアツいことが起きてますワ」
――ひょっとして、大谷選手の?
清水「そう。50-50(フィフティ・フィフティ:50本塁打&50盗塁を記録)。達成したよね~。この記録、メジャーリーグの歴史上、初やで。史上初。コレがどういうことか解かります?」
――なんだかその偉業スケールが大きすぎて、もう神の存在的な…。
清水「でしょう(笑)。実は40-40を達成した選手すら、5人しかいない。それだけ、達成するのが難しい記録ということですワ。もちろん、超一流アスリートとして歴史に名を刻む選手たちは、そのレベルに達するまでに想像を絶するような努力をしていると思うし、心技体のどれも欠けてもおそらく無理やろうから…まあ、とにかく、ホンマ素晴らしい。大谷選手を心から讃えたいですね。それとね、もうひとつ、アツい出来事が…」
――ほう? それは?
清水「先だっての東京ドームでの出来事。イチローさんが組んでいるアマチュアの野球チーム『KOBE CHIBEN』と高校野球女子選抜との対戦カードで、あの松井秀喜さんがイチローさんのチームで出場したんですよ。松阪大輔さんと一緒にね」
――めちゃ豪華なメンツですね!
清水「でね、終盤の八回に、なんと松井さんが豪快なホームランをかっ飛ばしたんですワ!!」
――マジすか…魅せますねぇ。。。
清水「齢50過ぎにして、右越えに本塁打って、さすが、元ヤンキースの4番打者。ゴジラ健在ですワ~」
――メチャクチャ素敵ですね。カッコいい!
清水「せやねん。大谷選手もそうやけど、第一線から離れたイチローさんや松井さん達も、こうやってここぞという時にキメてくる。彼らの活躍は、今の僕にとって、いい意味でメッチャ刺激になりましたワ。気持ち的にも引き締まったよ。やる時はやる、決めるときはキメる…カッコええ大人のアングラーとして、まだまだ精進しないとね」
伊藤&藤田の両選手が2025B.A.S.S.マスター・クラシック出場権を獲得!!
――2024年度B.A.S.S.エリート戦も終了しましたね。
清水「そうやね~。なんか、早かったな…。京弥君の開幕戦優勝からスタートした今年のトレイル、振り返ってみるとあっという間な印象やワ」
――日本人選手としては、クラシックの出場権利を獲得したのは2人ですね。
清水「総合成績は巧君が34位で、京弥君が36位、やね。まあ、様々な意見はあるんやろうけど、やっぱりエリート戦は相当鍛錬しないと上位に残れないからね。いずれにしろ、アウェイである日本人にとっては今年も厳しい戦いになるんじゃないかな、とは予想はしていたよ」
――開幕戦で藤田選手がいきなり優勝してかっ飛ばしたので、これはAOYもイケるんじゃないかと…。
清水「いやいや、そんなに甘くはない。開幕当時も言っていたけど、中盤あたりのフィールドは、彼のスタイルではしんどい戦いを強いられることになりそうやから、ラストのスモール戦までが京弥君の耐え時やね、って。もう一つ、スミス・レイクは日本人選手が活躍するんちゃう? って話をしたと思うんやけど、やっぱり来たね」
――ですね~。伊藤選手、優勝をもぎ取りましたね!
清水「僕も長年やってきたから、開催フィールドの名前を聞いただけで大体その特徴が分かりますからね。『ココはこんな感じやから、こういったスタイルがいいのでは?』みたいなイメージが湧く。彼らのスタイルと本場アメリカ選手の実力等を掛け合わせていって、自分なりになんとなくやけど予想は立てられるよ。ちなみに、来年からはレギュレーション・ルールが変更になるらしいから、特に新世代のスタイルのアングラーは、今年こそが狙い目だったんじゃないかな。実際、若手が活躍したシーズンになったしね」
――と言いますと?
清水「来シーズンはデプスファインダーやライブスコープの積載仕様が変わるみたい。詳細はともかく、具体的にどうセッティングするかはアングラー次第。昨今のライブソナー系の機器の普及と進化によって、モニターがどんどん大型化していたことも関係しているんじゃないかな」
――なるほど~。
清水「あとはやっぱり、エンタメ性の考慮、という観点からも見ていく必要があるかもしれないね。試合として、競技として、メーカーさんから協賛してもらって放映しているワケだから、お客さんも無視できない。ここ数年の試合を観ているお客さんからは、選手のアクションのバリエーションが少なすぎるという声もちらほら…。演出サイドも、背中しか映っていないときにはモニターの画面を同時露出させたりして、できるだめ趣向を凝らした作りにしてる。それはそれで面白いんだけどね」
――ただ、視聴者サイドとしては、少々面白味に欠けるのではないかということですね。
清水「少し前に、エリートのライブ中継でリック・クランが解説者として登場していた時に彼が話をしていたのは『自分が全盛の頃のトーナメントは、風向きや天候の変化、暦月や潮時を読んだりして、その日、その時間、そのタイミングで魚を釣りにいっていた』と。で、『それに比べて今の釣りのスタイルは、ハンティングなんだ』と。
――ハンティングとは?
清水「獲物を先に見つけておいて、それをシューティング…いわゆる狙い撃ちするスタイル、ってこと。まさに、ハンティングでしょ?」
――ほほう。非常に興味深いですね。
清水「ひとつ言っておきたいのは、リック・クランはこの発言で今のスタイルを否定しているのではないということ。あくまで、昔と今のスタイルの違いを分かりやすく比較して、解説したと。運営側も、バス釣りのバリエーションを様々な角度から魅せるアクションを起こした…その一つがレギュレーションの変更でもあるということなのかな、と」
――ショービジネスですものね、番組も。ライブスコープが全盛になる前のバスフィッシングスタイルを少しでも取り戻したいという思惑もあるんでしょうね。
清水「来年の開催フィールドを見てみたけど、そのチョイスの傾向からしても、ライブスコープ全開で展開するアングラーが勝つ確率の高いフィールドが、今年よりも随分減った印象やね。僕の見立てでいくと、2~3試合くらいしかないかな。随分減らしてきた感はあるなぁ。リック・クランが表現するオールドスタイルな釣りを含めた、様々なフィッシングスタイルが今後は観られる可能性が高いということやね」
――まさにモリゾーさんのスタイルですじゃないですか。
清水「ちょっとだけ参戦したくなりましたワ~(笑)。まぁさておき、まとめると、釣りに対する総合力がより必要になるってことかな。シャローで撃って巻いてのパワーゲームができて、オフショアでライブスコープの釣りも得意です、といったね。アメリカの往年のシャローマン達は正直、みんなメチャ手強い。とんでもないところで釣ってくるから、甘く見ていると痛い目に会う。実際ボクも痛い目に合わされた経験あり。でも、チャレンジする価値は当然あるし、新旧スタイルを織り交ぜての釣りの展開というのも観る側からすると興味深い。来年のB.A.S.S.も目が離せないね。選手はホンマに大変やけど、面白くなると思うよ。選手のみんなも頑張ってほしい!」
※清水盛三連載【帰ってきた、シン・ネバギバ。】『バス釣り上達100のヒント』CH6・後編は、秋も中秋から晩秋、落ち着いた気候となった各フィールド。散ってしまったバスは決して難しくないですよ、の巻だ。乞うご期待!!
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