2024年の9月末に霞ヶ浦水系で開催された陸王U30で思わぬドラマが…。試合中に少なくとも3日3晩親からはぐれて泣いていた小さな子猫が保護されたんです。そんな子猫の後日談含めて、ほんわかしてください。
●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)
釣り人は猫好きが多い
ルアマガが主催するビッグイベントのひとつ「陸王U-30」は、30歳以下の若手バスアングラーが集まり、バスフィッシングの試合を陸っぱりで、かつルアマガの人気企画『陸王』のルールにのっとり開催するする企画です。
朝早くから大勢のアングラーとスタッフが集まり、広大な霞ヶ浦水系に魚を求めて散っていくわけですが、記者が担当した中鉢幸佑(ちゅうばち・こうすけ)選手の試合中にちょっとしたアクシデントが。
中鉢幸佑(ちゅうばち・こうすけ)。ティムコからスポンサードを受ける若手バスアングラーのひとり。中部のハイプレッシャー河川、五三川をメインフィールドに活躍。トーナメントなどにも参戦して研鑽する注目株。地元ではティムコの名ルアー『野良ネズミ』を使いこなして、五三川を攻略することから『ネズミニキ』の愛称で呼ばれることもあるとか。2024年の陸王U-30参加アングラー。
とあるエリアに車で向かった中鉢選手。
駐車スペースに車を止め、水路にかかる橋を越えて釣り場のポイントに向かっていると、その橋の中央、ちょうど欄干部分に子猫が! しかもニャーニャー必死に鳴いて親猫を探しつつ、うろちょろしています。
もう少しで、欄干から水路に転げ落ちそうになったのですが、奇跡的に橋の端からUターン。
ひやひやして、その光景を見ていた中鉢選手と記者。落下回避で胸を撫で下ろしたのですが、それも束の間、橋の真ん中へ移動を始めました。橋の中央は中央で車などの往来があって危険です。そこで、とりあえずその子猫を抱き抱えて、草むらに持っていくことに。
しかし、試合中、その子猫、チーム我々の足元で助けを求め続けるではないですか。
記者も中鉢選手も『大の猫好き』。チューバチなのでネズミニキとか言われてるらしいのに。
記者「これさ、放置して試合できる?」
中鉢「できませんね…」
という2者一致で記者が保護することに。
すると保護した直後に、中鉢選手に待望の1尾がヒットして『こいつラッキーにゃんこ』じゃん!!という流れに。
流石に、移動時に放置もできないので、とりあえず中鉢選手のタックルの入っていたカゴに放り込み、にゃーにゃーと鳴きやまぬ子猫ちゃんを担当記者が抱え取材を続行。
中鉢選手には試合には集中してもらう体制を整えました。だから、大事な試合だったんですけど許して。
「そういや、2日前のプラクティスの時も、この子鳴いてた気がする。そこから親を探していたんでしょうかね…。雨も降る予報でしたから、今日、保護できてホントよかったです」とは中鉢選手。猫好きはいいやつ多いんよ。
移動時には、取り急ぎ段ボール箱と、チュールをコンビニでゲットしてとりあえず落ち着かせることに成功。車に確保して、一緒に霞ヶ浦水系を回ることにあいなりました。
どちらにしろ、終わったら中鉢家か記者の家に引き取ろう。それまでは試合に集中しようという話しあいのもと、子猫と陸王U30を戦ったというのが大まかな流れです。
最終的には、前々から猫を飼いたいと切に願っていた中鉢選手が、試合後に奥様に直談判。
中鉢家に引き取られることになったわけですが、家族に迎え入れることに若干の躊躇があった奥様が、今は一番可愛がっているとのこと。
いやぁ、よいお父さんとお母さんができてホントよかった。
記者も移動時に自分の指をちゅぱちゅぱしていた子猫ちゃん、他人には思えません。
その後も、メッセージで成長写真をもらったり、SNSでその立派に育っていく姿を見て癒されています。
名前の案は却下された
実は、当日、全体の解説に回ってた某選手と現場で合流。「あ、猫拾ったの?うちも霞ヶ浦で子猫拾って飼ってるんだけど、カスミちゃんって言うんだよね」「え、仮称、かすみちゃんにしてたんすけど」「南水路で保護したから『みなみ』ちゃんでどうよ?」
そんな会話がありましたが、保護されて自宅命名式では、カスミもミナミも却下され、『おこわ』ちゃんになったようです。まぁ、カスミもミナミもちょっと女の子っぽい名前ですしね。男の子だし『おこわ』ちゃんでよかったと思います。
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