毎回語り尽くしのネタ満載トークインタビュー・清水盛三「帰ってきたシン・ネバギバ。」。連載6回目後編は、“リック・クラン、エリートシリーズ引退…尊敬する人達は皆、業界貢献度高し”からの、秋ど真ん中~後半にかけてはブレーデッドジグで決まり、な理由を語ってもらったぞ!!
●文:ルアーマガジン編集部(写真提供:MORIZO SHIMIZU)
適水温期の秋シーズン。探るエリアが広い時には巻きの釣りでサーチせよ!
リック・クラン引退から思うこと…第一線でなくても、やれることはある!
――そうそう、前編でリック・クランのお話が出てきましたが、8月にエリートシリーズからの引退宣言を出されていましたね。
清水「今年の成績も、おそらく本人としては納得のいかない結果が続いていたと思うからね。でもツアートレイルの途中で、というのは苦渋の決断やったと思う。でも、ケヴィン・ヴァンダムみたいに全てのトレイルにおいて引退ではなく、来期はオープン戦に参戦するみたいやね」
――なんと!! 御大78歳。素晴らしいチャレンジ精神です。
清水「まさに、生涯現役を貫く人やね。僕が尊敬するレジェンド・オブ・レジェンドですワ。見習うべきところはいっぱいある。ホンマにすごい人やワ。現役アスリートではサッカーの三浦知良さんも尊敬に値する選手やけど、リックはヤバすぎる。80歳近くなってもバスボートを乗りこなしてフィールドで釣りするって…もう、超人レベルやね」
――ですね~。
清水「尊敬するリックが来年出るんやから、僕も出ようかな(笑)。まあ、それはさておき、僕が尊敬する日本の大ベテラン、ヘラ業界の超大御所・浜田優さんと先日お会いしてね。メッチャ緊張しましたワ」
――モリゾーさんも緊張する方とは…。
清水「コラコラ。僕も緊張しますよ、そりゃ。浜田さんは今現役を退いていらっしゃって、後進の指導や大会の委員長等、裏方として務めていらっしゃる。僕もいずれ、浜田さんのように日本のバスフィッシングに貢献していきたいと思ってる」
――国内の大会に関して、ご意見番として動いていただく、とか。
清水「まぁ、僕はズバズバ意見を言う方やから、それが良しならアリやけど、ちょっと難しいかもね。ちなみに、僕が出ていた頃のアメリカでは、選手同士で協議した上で運営側に意見を持っていくシステムやった。そのシステムが全て良いとは限らないけど、協議制というのはアリやと思う。日本もいろいろと改革が必要な時がきてるからね。とにかく、日本におけるトーナメントのファン層を広げる意味でも…ひいては釣り業界発展のためにも、運営、選手、メーカー、メディアが一緒になって取り組んでいかないといけない課題かな、とも思う」
秋の釣りはとにかく巻こう! 横の動きでスピーディーに探りを入れろ!
――朝夕、グッと気温も冷え込んできて、ようやく秋らしくなってきた日本ですが、ずばり、秋のパターンフィッシングを伝授いただきたく!
清水「ハイ~。すっかり過ごしやすくなってきたね。関東はまあまあ冷えてるみたいやけど、関西方面は日によっては日中まだまだ汗かく日もアリで、日和見なところも秋っぽい感じ。…そういえば、秋の釣りで思い出した。さっき散々話をしたライブスコープ、先日のロケで初めて使いましたワ!」
――おぉ、遂に、ですね!! いかがでした?
清水「15年エリートに出続けた男が、引退後初めてライブスコープを使用するという(笑)。結果、5本くらい釣ったかな。バスの居場所を確認しつつシューティングする技術は今までの魚探と脳内イメージで普通にできるけど、コレの凄いところはそのイメージをモニターでビジュアル化して、より高い精度で狙い撃ちするという…まさにゲームフィッシング的な、ライブスコープというタックルを駆使して遊ぶ、フィールド版Eスポーツみたいな感覚やったワ。ちなみにアメリカでは、ライブスコープのことを“フォワード・フェイシング・ソナー”って言うらしいよ」
――ほほぅ。でも、ライブスコープというタックルという表現、分かりやすいです。道具を使いこなすことが、結果的に釣果につながると。
清水「そうそう。まさにソレ。釣りの道具を使いこなすという広義な意味合いにおいては、リールやロッドと同じように、ライブスコープもひとつの釣りの道具であり、タックルやからね。それぞれアジャストできる状況において、その時々で最善のチョイスをしていくことで、最終的に釣果につなげていく、といった感じかな」
――次の釣行からは、箱にしまったままのご自分のライブスコープでさらなる釣りを?
清水「開けません(笑)。だって、シャローで普通にデカいの釣れたから。沖まで行かなくても、ねぇ。僕はやっぱりシャローマンでしたワ~」
――…で、ですよね~。
清水「で、冒頭のハナシに戻ると、今、バスにとって棲みやすい適水温になってる。もう、水中は秋。この時期、外気温の乱高下が起きやすく、不安定になる一方で、水中の方が先に秋に近づいてくる。春なんかもそう。外はまだ寒いのに、水中は春めいてきていて、バスがキッチリシャローに上がっていたりとか…。で、秋は気温水温が降下傾向でしょ。台風やら秋雨前線に加えて、日照時間も短くなるし。となると、今まで暑すぎて低活性だったバス達が一斉にエサを獲りはじめるんですワ」
――小バス達がやたら活性が高くなるのもそういうことなんですね。
清水「そう。数釣りで楽しむにはこの時期はいいと思うよ。場所によっては1日中ポロポロと釣れるところもあるかもね。11月の終わりくらいまではこういった、いわゆる“いい釣り”ができるシーズンやね」
――ズバリ、オススメは…
清水「断然、ジャックハンマーですワ!! コレ絶対。もう、ジャックハンマーだけ持っていってたらマジに外さへんから! とりあえず、ノーマルとステルスの2種類を揃えておきなさい。断言するワ(笑)。まずはノーマルからスタートして、イマイチやったらステルスで、みたいな分かりやすい使い分けでエエと思うよ」
――ジャックハンマーはテッパンですよね~。
清水「ガレ場メインとか、小規模のため池とかやったら、ピッコロ&ダイブシャローで決まり。サイズ問わずでいくならDゾーン・フライ。この辺は昔から僕が言っている通り、ベタな選択で十分です」
――ちなみに、ジャックハンマーのウエイトは?
清水「これはノーマルでもステルスブレードでも3/8オンスが基準。ちょっと深場は1/2オンス、3~4メートル狙いなら3/4オンスくらいまでかな。カラーのオススメは、クリアウォーターシャッドとベリーチャート、それとグリーンパンプキン。とりあえず、この3色があれば大抵の状況でもカバーできるよ。トレーラーはピンテール系かシャッドテール系。4インチ前後のサイズやったら自分のお気に入りで大丈夫。さっきも言ったけど、とにかくこの時期はいろんなスポットにバスが散ってる。どこでも釣れる可能性はあるけど、ココや!っていうハニースポットを見つけづらい時期でもある。だから、ジャックハンマーやクランク、スピナーベイトの巻き物で、とにかく手数を多くして当てていくしかない。もちろん、カバーのピンスポットに入れ込んでドカン!…っていう釣りも存在するから気は抜けないけどね」
<モリゾー・おすすめタックル> ジャックハンマー仕様ver.
●ロッド:7.2フィートプロトロッド(デパシオン)
●リール:ジリオンSVTW1000 *6.3:1(DAIWA)
●ライン:エクスレッド NS 16ポンド(東レ)
●ルアー:ジャックハンマー 3/8オンス(EG)
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。