「野良ネズミに剛毛を生やしたら…」「ビフォア・アフター違いすぎやろ」早く試したい待望の新作開発がいよいよ最終段階に!

H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回は、ずっと開発してきた某ルアーの最終テストが目的なのだが…。その詳細をレポートしてくれた。

●写真/文:大津清彰(ティムコ)

剛毛エラストマー系ルアーの開発が大詰めに

さて、今回私が訪れたのは群馬県・榛名湖です。目的はずっとテストを繰り返していた通称「ハリネズミ」の最終チェックでした。

群馬県の西部にある榛名湖。バスフィッシングのフィールドとしても有名。

近年、コイケやクジャラといった剛毛エラストマー素材(?)が注目されています。私自身も「めちゃめちゃ釣れるな…」と感じていました。

このカテゴリーのルアーは、各メーカーそれぞれ良さはあるものの、個人的に「対カバー性能引き上げ」「自発的に動く」「ベイトタックルでちょうどよく使用できるもの」ものが欲しいなという思いがあり、テストをしておりました。

コイケ17mm(ハイドアップ)を使用してキャッチしたブラックバス。

新ルアー開発の課題と目指したもの

【剛毛エラストマールアー制作上の個人的な課題】

  • 対カバー性能の引き上げ
  • ルアーやパーツが自発的に動く
  • ベイトタックルで扱える

エラストマー素材はうまく作りこまないとフッキングが悪くなる…。そこでカバーのすり抜けとフッキングを両立したルアー「野良ネズミ(ティムコ)」のボディに、剛毛を生やしたら良いのではないか? という考えでスタート。写真のように、最初は野良ネズミのボディに「ハッタクローラーミニ ECO(ティムコ)」を瞬間接着剤でくっつけて釣ってました。

開発中のルアー「ハリネズミ」の初期プロトモデル。

結果的にこれが初期プロトから反応良好。作りこんでいった結果が現在のハリネズミ。今回の榛名湖は硬さを調整したものを最終判断する形になります。

最終テストの結果は良好、理想の形に仕上がってきた

そして、今回のテスト釣行の結果はこんな感じです(下の写真を参照)! 硬さ・動きともに理想の形に仕上がってきたと思います! ちなみに、バスのハリネズミへの反応はライブスコープで確認しています。

ハリネズミにて、1尾目。 [写真タップで拡大]

ハリネズミにて、2尾目。 [写真タップで拡大]

強烈な存在感を放つこのルアーは、集魚力が凄い! ちなみにこのハリネズミ、榛名湖ではフットボールにつけていますが、もともとオフセットフックの使用を考えた、対カバー用ルアーです。

ハリネズミにて、3尾目。 [写真タップで拡大]

ハリネズミにて、4尾目。 [写真タップで拡大]

陸王で金森氏が2年連続ロクマルを仕留めているコイケ17mmとクジャラ。このようなエピソードで剛毛エラストマー素材の破壊力が広く知られることとなりました。しかし、まだまだ発展途上だと私は思っています。

今回提案する新作ハリネズミは、対カバーでの使用が目的のルアー。「剛毛エラストマーをカバーに絡めて使用でき、しかもフッキングが良かったら…」。通常使用はもとより、サイトフィッシングでも最強の武器になると感じて仕上げてきました。

ハリネズミをオフセットフックに装着して使用した際の釣果。

動きの動画に関しては近いうちにアップしますが、剛毛エラストマーの動きがまるで生き物・・・あえて硬めに仕上げたそれぞれの腕が独立してバイブレーションし、とんでもない動きに仕上がっています。

もちろんシェイクしてもえげつない動きを演出しておりますのでご期待ください!

【使用タックル】

  • ロッド:フェンウィック S-TAV 610CMHP+J
  • リール:メタニウムDC
  • ライン:バリバス アブソルート 14lb.
  • ルアー:1/2oz.フットボールジグ+ハリネズミ(プロト)

アングラープロフィール

大津清彰(おおつ・きよあき)

老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。


※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。