H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回は、ルアーのテストで訪れた新利根川での釣りをレポート。反応があったルアーを使う理由を解説してくれた。
●写真/文:大津清彰
冷たい雨の新利根川にて
さて、今回は新利根川へ。H-1GPX新利根川戦で思いついたルアーがいくつかあったので、そちらのテストになります。
この日は冷たい雨。正直釣れる感じもなかったのですが… 自然相手のバスフィッシング、こんな日もあります。やはり実力不足で釣れなかったのですが、いくつか気になるアイテムの中で食わせてばらしたのがこちら。
MB-1 150F改。食ったのは1200gくらいでしたね。見てのとおりリップを外しました。MB-1系 のリップはペンチでひっこくぬことが可能なので、チューニングとしては簡単です。
なぜこれを思いついたかというと、今の霞ヶ浦ではこのくらいのサイズのビッグベイトが「ちょうどよい」重さと大きさだと感じているからです。
H-1GPX新利根川でウイニングルアーとなったブラストボーンJr.もこのくらいのサイズになりますが、この大きさだと風にも負けず、ごみにも負けず、バスも食いやすいサイズ。
リップを外す理由としては、「グライドベイト」として使いやすいからです。いわゆるジョイクロに代表されるグライドベイト。MB-1 150F改を使用してみるとわかりますが、左右へのカーブが極めてやりやすい!そのため、カバーにぶつけながら引いてくることが極めてやりやすいのです。
このサイズ感でこのカーブ性能は他社も含めてなかなか存在しない逸品なのです。ゆえに一軍。さらにリップを外すと水の抵抗を受けないため、ルアーを回収した時に水面からスッと抜いて次のキャストにうつれるため、効率が良い。
オモリを足してスローシンキングにする方法もありますが、今回はウエイト追加無し。つまり、水面を利用して釣っています。これも最近感じていることですが、冬でも水面を使った方が良いことが多い気がしています。
水面はルアーを止めておけるからです。今回のバイトも結局アクション中ではなく、水面放置でバイトがありました。やっていることは相模湖等のi字ルアー水面放置の釣りですが、濁っているのでこのサイズのルアーを水面に置いておく感じになりますね。
水面の釣りは高水温期のテクニックと思われがちですが、なんでもやってみるものです。
反応があったルアーが他にも…
今回のテスト、結局他にもバイトを取ることができました。その一つが新製品のクランキーダーター200A。
新利根川の場合、ブッシュ絡みにハードルアーを撃ち込んでいく形になります。そんな時、ハードルアーで攻めることができるルアーは限られる。その一つがこのクランキーダーター200A。
なぜこのルアーがカバーに強いかというと、大型メタルリップが採用されているからです。この大型メタルリップ。キラメキでバスを誘うだけではありません。
メタルリップはそれ自体が重量があるためルアーが立ちやすくなります。大型リップが立っているという事は、トレブルフックを搭載していてもカバーをかわして泳いでくれるのです!こんなこと、プロップペッパーにも、ハネモノにもできない芸当です。
ダブルフック系にしかできなかったことがトレブルフックで出来ることのメリットは大きい。キャストし放置、シェイクでアクション。ここ新利根川でもイメージ通りに操ることができた結果、バイトがあった感じです。
まぁ結局のところ釣れなかったわけですが、ルアーテストはこのような作業の繰り返しです。他にも気になるアイテムをいくつか使ったのですが、この辺りは商品化する可能性もあるので今は秘密という事で…。
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。