水面に浮かぶ全長20cmを超える巨大プラグを、ねっとり&じっくりターンさせる。水面に描かれた静かな残像がアピールとなり、巨大バスが突如飛び出す。そんなエキサイティングなゲームが高確率で成立可能な水温上昇初期攻略を徹底解説!
●文:ルアマガプラス編集部
profile
荒井謙太（あらい・けんた）
フロッグプロダクツ代表。洗練されたデザインと完璧な機能性を兼ね備えた、タックル&ルアーを開発する日本屈指のトップウォーターブランド『フロッグプロダクツ』の代表にして、全アイテムのデザイン&開発の統括責任者。世界的なオールドタックルコレクターとしても知られている。
季節を2週間に分割して考える！
1年を通して、トップウォータープラグを投げ続けている『フロッグプロダクツ』代表の荒井謙太さんにとっても、『春』は特別な季節だという。
冬から初春へ、そして春から初夏へと向けて、目まぐるしく『水温』『気温』が変化する時季は荒井さんの経験上、2週間で状況が変わる『激変の季節』でもある。
一般的に春と呼ばれている季節を、トップウォーター的視点で、2週間単位に分割して考えている荒井さんが、特に注目しているのが『春先』。
「春先になると、岸際の小動物の活動が始まります。しかし水温的にはまだ低いため、バスの活性は上がりきっていません」
このような状況が、水温が上がり始めているフィールドにおいて、『でかトップ』をおもしろくしている要因ではないか? と荒井さんは感じている。その理由を次で解説。
小動物の活動が始まると自然の法則で、ショアラインや岸際にバスが寄ってきて、小動物を狙い始める。これはシンプルな理論。
「そこに水温の低さがどう関係しているか? ですよね。ここからは持論ですが、水温がまだ低い春先は、バスの活性が上がりきっていません。だからこそ少ない動きで、高タンパク、高エネルギーを得たい、とバスが考えても不思議はありません。それには大きな獲物を捕食するのが手っ取り早い。
そして水温が上がりきっていない春先に、最初に動き出すのは、大型の強い個体からです。大型のバスが、大型の獲物を狙うことは珍しくありません。だから春先は大型のトッププラグへの反応がいいのではないか、と感じています」
では、そうした時季の大型バスを、大型トップウォータープラグで狙うにはどうすればいいのだろうか？
「静かな着水が基本です。着水後じっくり待って、長めのポーズを取ります。待っている間も大きなシルエットでアピールが取れているので、十分に目立っています。
ターンは可能な限りゆっくりと。ジョインテッドの場合は、フロント、中間セクション、テールと順番に動くことを意識できるくらい、スローにターンさせます。シルエットが大きいのでスローに動かしたときの残像だけでも、十分にアピールが効いています。大切なのは粘り。粘りの釣りでまだ動きの鈍いバスを、しっかりと捉えることがキモになります。これらの一連の『点』の誘いでバイトが出ることが多いですが、それでも出ない場合は、スローな『線』の誘いへと移行します。同じフィールドでも個体差があるので、動けるバスに対しては線で誘います。ですから点の誘いと、ウェイク的な線の誘いの、両方がこなせる大型トップウォータープラグが、春先にはオススメです」
荒井さんが過去に撮影した膨大な量の動画を見ると、春先に釣果を上げている大型トップウォータープラグは、ジョイント系が圧倒的に多い。具体的にはマッドラッドとホワイトファルコン（ともにフロッグプロダクツ）の実績が著しく高い。
マッドラッドは全長22cm。重量43gの大型トップウォータープラグ。テールまで含めるとジョイント数は10連結。10連結のうちテール部の連結が8連結。
ハードプラグとは思えないほど艶めかしく動くテールアクションが特徴のルアーだが、生命感溢れるテールは、発砲素材の外壁をインジェクションの特殊加工で固めた、正真正銘のハード素材。ハード素材なので、しっかりと水を押して波動も出る。当然アピール要素も強いので、広範囲&深場からバスを引き寄せることができる。
「バスは物体の質量（ルアーも含む）を一瞬で見分けていると思います。野生の本能なんでしょうね。
ですから大型のプラグはその質量だけでも、高いアピール効果が期待できます。激しく動かさなくても、広範囲から深場まで、ルアーの存在感を訴求することが可能です」
そんな大型トップウォータープラグが、最も効力を発揮する春先という季節は、地域や標高によって変化する。
「本誌が発売される頃には、霞ヶ浦などのフラットレイクは、自分が言うところの春先パターンは終わっていると思います。ですがハイランドレイクや北の地域では、春先真っ盛りの地域もあると思います。春先は桜前線のように移動するので、でかトップ前線を追いかけるイメージでフィールドを選ぶと、大型トップウォータープラグ×でかバスゲームが成立する可能性が上がると思います。
自分の動画（YouTube）を見て頂ければわかると思いますが、春先に結構な高確率で成立するのが、大型トップウォーターゲームです。皆様も是非楽しんでくださいませ」
水温が上がり始める時季は大型トップウォータープラグで大型バスが釣れる確率が高い。
マッドラッド（フロッグプロダクツ）
全長22cm。重量43gの10連結ジョインテッドルアー。でかバスが活動を開始する、水温上昇期の最強ルアーとしても人気が高い。その迫力にたじろがずに投げた先には、驚異の釣果が広がっている。
ホワイトファルコン（フロッグプロダクツ）
マッドラッドの羽根モノバージョン。マッドラッドと並んで水温上昇初期の最強ルアーとして知られている。羽根モノであるホワイトファルコンでないと反応しないでかバスも多い。
その人気の高さから、激レア品になっているウッドドール（フロッグプロダクツ）は、ある意味究極のジョインテッドルアー。まだ水温が上がりきらないタイミングにも当然有効。
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遅咲き大型トップ
巨大トップウォーター プラグに炸裂する季節のヒミツ！北エリア＆ハイランドレイクで炸裂！？
長めのポーズは低水温期における大型トップの基本。
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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