アルデバランといえば、シマノが誇る最高峰ベイトフィネスリール。その研ぎ澄まされたスペックは、BFの釣りの精度を極限まで高めてくれる。そんなアルデバランに、2025年はDCブレーキが搭載されるという。そしてそれは、「アルデバラン」に求められた、本来のスペックへと回帰するものなのだという。
●文:ルアマガプラス編集部
アルデバランの系譜
黒田「アルデバランは2009年に新しく誕生した機種。アンタレスと比べると10年くらい歴史に差のあるリールですね」
そのスペックはそれまでにない枠だった。
黒田「メタニウムのスプール径は34mmで、バーサタイルに使えるどセンター。一方のアンタレスのスプール径は37mm。これは重いものを投げたり、より遠投性をもとめるひとにとってはなくてはらない設計のリールなんです。それに対して2009年に登場したアルデバランは32mm径のスプールで、メタニウムよりも軽いものを扱うことが狙いのリールでした」
その最たるものがベイトフィネスの台頭であり、のちにベイトフィネス想定のアルデバランBFSも登場している。
黒田「アルデバランは2018年のものが最新ですが、BFSは2022年にも登場しています。そのくらいベイトフィネス需要があるということなんです。そしてそれこそがアルデバランと思っている方もいるかもしれませんが、本来はあくまでも、メタニウムより一段下の範疇を使うためのリールなんです」
そして2025年、新たな系譜として誕生するアルデバランが「アルデバランDC」なのだ。
DCとシマノ初の30mmスプールを搭載した新たな「アルデバラン」
黒田「一見すると22アルデバランBFSのようにも見えますが、スプール径がシマノ初となる30mm径を採用しているため、完全新規ボディになります」
ベイトフィネスでの使用は「アルデバランBFS」に任せ、本来求められていたアルデバランの性能が求められている。
黒田「オリジナルの後継機に近いのですが、DC搭載なので新たな系譜ともいえます。搭載しているDCはメタニウムDCと同様のIDC5。ただし、メタDCとはブレーキ段階が異なっています」
メタニウムDCではブレーキモードがラインの使い分けを想定したN、F、Pの3つ、そしてそれぞれに5段階が設けられれいた。
黒田「ですが、アルデバランDCのモードはブレーキの弱い順にL、M、Hとなっていて、それぞれの中で5段階の設定が可能。ラインの種類に関係なく、より直感的にブレーキ設定ができるようになっています」
絶妙サイズのルアーを使いやすく! ソルトでも大活躍!?
黒田「DCを搭載したことで、アルデバランの本懐とも言える、メタニウムだと少し投げにくいルアーがかなり使いやすくなります。例えば90mmクラスのジャークベイト、ポッパー、1/4ozのスピナーベイト。自分はカバースキャット2.5インチのノーシンカーリグや、3.5gのギャップジグで使ったりしています」
軽いもの、空気抵抗の大きなものなど、現代バスフィッシングにおいて使用頻度の高い様々なルアーが使いやすくなっている。その一方で、DCを搭載したことで自重はどうしても増加してしまうが、その点に関しても黒田さんはプラスに捉えている。
黒田「ベイトフィネス的なレスポンスはほしいけど、ラインが太かったりしてロッドがMクラスのような強めのものを選んでいると、アルデバランBFSは軽すぎてしまってバランスが取りにくかったんですよね。DCを搭載したことで、そういったロッドと組み合わせた際のバランスは格段に良くなっていますよ」
さらにアルデバランDCは黒田さんらしい、注目点もある。
黒田「PEラインとの相性もいいので、ソルトでも間違いなく活躍しますよ。ブリームゲームやライトなロックフィッシュゲームとか。MAX PE1号を巻いて、フルキャストするような釣りであれば、DC+30mm径スプールの組み合わせは間違いなく活躍してくれるはずです」
モデル | スプール径/幅(mm) | ギア比 | 最大巻上長 | 最大ドラグ力 | 自重 | ラインキャパ(ナイロン) | ベアリング数 | ハンドル長 |
30HG/31HG | 30/19 | 7.8 | 73cm | 4.0kg | 150g | 8lb-100m | 10/1 | 40mm |
30XG/31XG | 30/19 | 8.9 | 84cm | 4.0kg | 150g | 8lb-100m | 10/1 | 40mm |
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