H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回は、2025年発売予定のルアーのテスト実釣をレポート。釣れる理由を解説してくれた。
●写真/文:大津清彰
テスト実釣で亀山湖に訪れた大津さん
さて、今回は亀山湖へ。どこに行こうか迷いましたが、ニジマスも放流されたということで亀山湖を選択。ニジマスパターンですね!まぁそんなにうまくいくとは思えませんが…。
今回は、トキタボートさんより出船。ニジマスの放流は、水産センター前で行われています。そのため、その周辺が基本的には熱くなる!はず…。 ニジマス自体は水産センター、松下周辺からトキタ周辺までは存在していました。
しかし、この日はそれほど活性が上がっていないようで、魚探で見てもバスは少ない感じ。何とか一本キャッチ。
やや小型。この魚は、今回テストアイテムの一つとなっている2025新製品【スーパーバイブレーションスカート】を搭載したPDLブレードマスター3/8oz.改でキャッチ。
日本のスピナーベイトはみんな同じようなスカートの長さですが、それが本当に釣れるというよりも単なる固定概念だと私は考えています。様々な状況で様々な長さとカットが必要になる!何故それが今まで指摘されなかったのか?
約5年前、すなわちFFS系(ライブスコープ)がなかったため、誰も水中の真実を見ることができなかったからだと考えています。水面〜水面直下のアイテムは、特に水がクリアな日本国内で独自の進化をしました。
それは反応が「見えるから」にあると考えています。見えるからこそ、奇抜なルアーでも受け入れられ、反応の違いがわかりやすく様々なルアーが日本で生まれ、定番化しました。
ただ、水中で使用するアイテムはどうでしょうか?私が歩んできたこの30年、ほとんど変化がみられなかったと思ってます。例えば10年前、マグナムスプーンも一瞬ブームになったにも関わらず下火になりました。
しかし、水中の真実を見ることができるツール【ライブスコープ】で覗けば一目瞭然、今もバスの反応が異常に良い事がわかり、H-1GPXでも使用する選手が増加し、結果も出始めています。これほどまでに釣れるルアーが映像として見えていれば、マグナムスプーンは日本でも下火になることはなくずっと使われ続けたはずです。
今後、水中で使用するルアーの進化は、ライブスコープによって劇的に進むと考えています。現にマグナムクランク(ブリッツマグナムEXDRなど)がこれほど普及したのは、明らかに魚探を見て反応が違うと感じたアングラーが使用した為だと思っています。
しかもライブスコープが無くても同じ事が水中で起きているわけで、わかっているからこそ投げ続けられ、さらに釣果が伸びる流れとなっています。
またワームも同様で、以前3〜4インチばかり使われていましたが、状況次第でマイクロルアーからサカマタ7インチのほうが反応が良く食ってくるという事は、もうここ数年で常識になっています。
大津さんが注目したのは“ラバーの長さ”
そんな中、今回私が感じたのは「ラバーの長さ」。長さとカットを使い分けることで、バスの反応は変わります。これはライブスコープで確認しているので間違いない。その証明として、H-1GPXで2連勝できました。
スカートもワームと同じく、色々なサイズがあって良いはず。そして、動きも自由に変化させることができるスカートは実は奥が深い。
2025年、このスーパーバイブレーションスカートはスカート単品で販売します。どんなルアーにも付け替え、自由にアクションとシルエットを変えられるように。コレを意識するだけで、バスはもっと釣れる‼
また、これは商品化するかわかりませんが、スピナーベイトもテストしています。スピナーベイトって、それだけで完成しているルアーだと思います。
ラバージグにブレードが付いていて、しかもワイヤーが根掛りをしっかりガードしてくれる。夢のようなルアーです。ブレードも自由に交換できますし、既存品で良いものが十分存在する。
来年スカートだって別売するし、私自身そんなに困ることもなかったのですが、さすがに今年H-1GPXで二連勝もするといろいろ「ん?これ、反応いいな…なんでだろ?」なんて気づきも出てきます。
これもライブスコープを通して出てきた「気づき」です。こんなことライブスコープがなければ一生だれも気がつかなかったと思います。このバス釣り真相解明では何度も述べておりますが、ライブスコープを通して生み出されたルアーの釣れる恩恵はライブスコープがあろうがなかろうが同じです。
キャストされたルアーが水中でバスを惹きつけ、バイトするという行動は同じだからです。ルアー開発において、魚の挙動を観察することこそが最も重要だと私は考えています。
さて、今回は甘嚙みも多く、大したチャンスもなく2本で終了。テストだったので何とも言えませんが、この日はシャロー優勢の一日だった気がいたします!
とは言え2本しか釣れないとは修行が足りませんね、また練習します…。
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。