【オススメ釣り場も紹介!】案外安い!? 宮古島のSUPフィッシング事情と絶対に守るべきこと【『釣り』と黄金郷】

宮古島在住の宇田和志さんが最高の釣り体験のためのヒントを与えてくれる連載『釣りと黄金郷』。魅力的な釣りのメソッドから、釣りに行くからこそ出会える感動まで、読めばきっと釣りの理想郷に近づけるはず…!今回は宮古島でぜひとも挑戦したい「SUPフィッシング」のスタートアップをレクチャーしてくれた。

●文と写真:宇田和志

宇田和志
うだ・かずし/愛する釣りの魅力を宮古島から発信するフィッシングクリエーター。「 Eldorado 」にてアングラー向けのシルバーネックレスを手掛ける傍ら、ブログやYoutubeなど各種SNSを通して「釣りを通して人生をさらに楽しくする」を応援する。海外釣行にも力を入れており、その様子にも注目だ。

一度は体験してほしい宮古島のSUPフィッシング

人気の観光地ランキングで毎年上位を維持する沖縄県。なかでもここ数年は宮古島が注目されるようになってきた。


雪のように白い砂浜とのコントラストが美しい宮古ブルーの海。
どこまでも広がる壮大な珊瑚礁と色とりどりの魚たちを前にするとまるで海外に来たのかと錯覚してしまうほど。

宮古島の大自然に魅了された観光客が毎日ひっきりなしに訪れる。

そんな宮古島では釣りも盛んだ。

陸から狙うライトゲーム、エギング、ショアジギングから、船に乗れば本格的なジギングやキャスティングを楽しむこともできる。宮古島は釣り天国でもあるのだ。

宮古島 ×SUPフィッシングという新たな楽しみ方

そこで私がお勧めしたいのがSUPフィッシングというアクティビティ。

SUPフィッシングとは、その名の通りSUP(Stand UpPadlleboard)という大きめのサーフボードに乗って魚釣りをするというもの。

ビーチから楽にエントリーでき、気軽に沖へ出れるというメリットがある。陸からでは絶対に届かないリーフエッジや船では絶対に入れない遠浅なエリアなんかもSUPであれば自由に移動することができる。

そして釣れる。

陸から釣るよりも圧倒的に。

10g以下の小さなルアーを投げればミーバイやベラなど沖縄ならではの熱帯魚が楽しませてくれる。

そして時には70cm、4kgを超えるような大物がヒットすることも。

これはカスミアジという魚で沖縄県ではガーラと呼ばれる非常に人気の高い釣りの対象魚だ。

100g前後の大きなルアーを使ってみても面白い。

数釣りは望めなくなるが小さなルアーには反応しない大型の魚が釣れることもある。写真は船でもなかなか釣れないツチホゼリという高級魚。

宮古島の美しい海の上に立ち、絶景を眺めながら陸からではなかなか釣れない魚が気軽に狙えてしまう。これが宮古島でSUPフィッシングをする最大の魅力ではないだろうか。

宮古島でSUPフィッシングをするには?

とは言ってもおそらく多くの方がそもそもSUPを所有していないだろう。

だが安心してほしい。宮古島にはSUPのレンタルを行なっている会社がいくつかあるので現地で1日だけレンタルすることができるからだ。

料金の相場は半日で5,000円前後、1日なら7,000円前後といったところ。

自前のタックルだけ持って行けば気軽に宮古島のSUPフィッシングが楽しめるというわけだ。

ただし、気軽にできるからと言って一度もSUPに乗ったことがない人がいきなり釣り道具を持って海に出るのは非常に危険だ。海の上に立つということは常に命の危険に晒されていると言っても過言ではない。

もしあなたがSUPに一度も乗ったことがないのであれば、まずは必ずプロのインストラクターの指導を受けてほしいと思う。初めてSUPに乗る人の多くが落水するし、まっすぐ進むことすらできないというのが現実なのだ。

パドルの基本的な使い方、まっすぐ進む技術、ターンする技術、落水した際の対処法などをあらかじめプロから学んでおくことが、安全にSUPフィッシングを楽しむための第一歩だと思う。

参考: ズミサップ( ZUMISUP )

※私の友人で宮古島スタンドアップパドル協会(MSUP)の認定ガイド。信頼のおけるサップ業者です。

宮古島のお勧めポイント

宮古島は360°海に囲まれた小さな島であるがゆえにポイント選びに困ることはまず無い。

Googleの衛星写真を見ていれば釣りができそうなポイントはいくらでも見つかるだろう。

しかし場所によっては潮の流れが速くて現地の人ですら近寄らないような場所も多く、そんな場所にSUPで浮かぶのは自殺行為と言っていい。SUPで海に出るのであればあらかじめ危険が少なく尚且つ釣れる
場所を知っておいて損はないと思う。

そこで私がお勧めしたい初心者向けのSUPフィッシングポイントを3つほどご紹介したいと思う。

1.イムギャーマリンガーデン

無料の駐車場があり駐車場からビーチまでのエントリーが非常に楽で、湾になっているため潮の流れに影響されにくいので比較的安全なのがこのポイント。

湾内で10g前後のスプーンやミノーを投げればミーバイを筆頭に様々な熱帯魚の数釣りが楽しめる。

さらにアウトリーフまでの距離も近く、風が無く穏やかな気候で満潮のタイミングを狙っていけば一発大物狙いも可能。

ただし、5月~10月の繁忙期にはシュノーケルやSUP、カヤックを楽しむ観光客やツアー業者でごった返すため、他人に迷惑をかけずに釣りができる日は少なくなる。

2.裏前浜

宮古島で人気のビーチと言えば東洋一美しいとされる与那覇前浜ビーチが挙げられるが、そこからビーチ沿いに北へ1.5kmほどいった所に通称「裏前浜」と呼ばれる知る人ぞ知るビーチがある。

こちらもビーチまでのエントリーが楽で、潮の流れも強くなく大小様々な魚が狙える。ウミガメとの遭遇率も高い。

だが珊瑚礁はなくどちらかと言えば砂地が広がっているようなエリアなのである程度遠投が必要で、20g~100g程度のルアーを遠投できるタックルが重要になってくる。

さらにどこに投げても釣れるというわけではなく、キャストするポイントを見極めるスキルが問われるので中級者以上向けのポイントとしておきたい。

3.伊良部大橋周辺

日本一長い無料の橋として有名な宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋。

この周辺はSUPフィッシングのポイントとしてはかなりポテンシャルが高い。

先述した2つのポイントと同様に無料駐車場からビーチまでのエントリーが楽なこと、潮の流れが強くないため比較的安全に釣りができることに加え、夏場はかなりの確率でナブラが沸いている。

カスミアジやオニヒラアジ、スマガツオといったフィッシュイーターの群れが目の前でバンバン捕食するという光景も珍しくない。


そんなナブラに遭遇したら10g~20g程度のルアーを撃ち込んでみてほしい。かなりの高確率で大物が釣れる。さらにこの辺りは水深が1~3mほどしかない遠浅なエリアで船は入ってこれないためスレていないのである。

デメリットとしてはビーチエントリーしてからポイントまでかなりの距離を漕いでいかなければならないということか。

また、地図上の深くなっている(濃い青色になっている)場所は潮の流れが非常に速いため絶対に近付かないよう注意してほしい。

宮古島でSUPフィッシングをする際の注意点

繰り返しになるが初めてSUPに乗る方は絶対にプロのインストラクターから指導を受けてほしい。

SUPで海に出るのは気軽であるが故に油断すると本当に命に関わるからだ。

宮古島では気候が急変することがある。

急なスコール、急な強風、急な高波にさらされた時にすぐには陸に戻れないのがSUP。万が一のことを考えて最低限の準備は必須になってくる。まずはライフジャケット。

SUPフィッシングではふとバランスを崩した瞬間に簡単に落水してしまうことがある。普段は泳げる人であっても自分の意図とは関係なく突然落水してしまうとパニックになり溺れてしまうこともあるだろう。そんな時に命を守ってくれるライフジャケットは必須なアイテムだ。

そしてスマートフォンと防水ケース。

SUPは強風や強い潮の流れに流されて自力では帰還できなくなるという事故が毎年発生している。

流されて自力ではどうしようもなくなった時に助けを求められる唯一のツールがスマートフォンなのだ。

だが家族や友人に助けを求めても海の上まで助けに来られるわけがない。最悪の時は海上保安庁に助けを求めよう。

緊急通報番号「118」に電話をかけると海上保安庁に繋がるので必ず覚えておいてほしい。

自分のおかれている状況と、分かる範囲の位置情報を冷静に伝えることが重要だ。海上の事故は早期発見が求められる。

夜間は捜索が困難となるためその日のうちに見つけてもらわなければ風や潮に流されて翌日以降は捜索が難しくなる一方。帰還困難になった瞬間に自ら通報できるスマートフォンと、それを水から守る防
水ケースはあなたの命をも守ってくれる。

そしてSUPフィッシングではできるだけ単独釣行は避けることも大切なことだと思う。もし万が一のことがあった時に助けてくれる、もしくは助けを呼んでくれるパートナーがいることは非常に心強い。

ぜひあなたも南国リゾート宮古島でSUPフィッシングを

現在の宮古島ではマリンアクティビティとしてSUPフィッシングという選択肢が少なく、認知度も低い。

だが宮古島はビーチから気軽に海に出れる場所が島中どこにでもあり、船が通らない遠浅なエリアが広範囲に広がる全国的にも珍しい地形をしているため、SUPフィッシングをするには好条件が整っていると思う。

青い空、白い砂浜、宮古ブルーの海、真下に広がる珊瑚礁を眺めながらのんびりとルアーをキャストする贅沢な時間は宮古島でしか味わえないだろう。

あなたも宮古島に訪れた際は是非SUPフィッシングに挑戦してみてほしい。


※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。