
「トップの鬼」と呼ばれるレジェンドアングラー・柏木重孝さん。トップウォーターフィッシングに対する思いはその二つ名にふさわしい熱を帯びているが、決して押し付けがましいわけではない。むしろそばに寄り添うようなそんな優しさがある。1尾の価値が叫ばれる現在のバスフィッシングに役立つ「トップの鬼」の教えをここに明かそう。
●文:ルアマガプラス編集部
柏木重孝
かしわぎ・しげたか/「トップの鬼」と呼ばれるも、フィールドではすぐ誰とも仲良くなってしまうコミュ力おばけ。バモノスブランドでデザインしたり、ストックルアーズとコラボしたりと相変わらずパワフル! テンカラに革命を起こした「柏木流」の道具も激アツ。
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なんでトップで釣れるの?
バスってさ、受け口でしょ。
つまり下からすくうように捕食するサカナ。だから目線は上よ。
そのバスが水面を意識したときは、ワームなんかよりトップが圧倒的に早いぜ。ヤツらプラグを浮かしてるとすぐイライラしてくるからさ。
それから散々実験してきたんだけどさ。
バスにワーム投げまくってると沈むモノに興味なくなっていく。どんどんセコくしていって、マイクロスプーンにも反応しなくなる。で、とうとう毛針投げちゃったりして。それも食わなくなってきたときに、5/8オンスのトップを浮かべてみると… 何度も食ってきちゃう。
実際、トップしか食わないなんて、よくあるじゃん?
トップの魅力
ボトムや中層なんて、ルアーがどこにあるかも不確かだし、バスがどう食ったかも分かりづらい。
相当釣り込まないと、その状況は分からないよね。絶対こう食った、というのも勘で言っている部分もある。
やっぱり、目に見えるルアーで、目に見えるポイントで、目で見ながらルアーを動かす。その楽しみを覚えたら、釣りはやめられない。
それを友達同士でやったら、面白いに決まってる。
キャストだって、どっちが奥まで投げられたかとか遊んでいるうちに、上手になっていく。
ルアーが良いところに入れば食ってくるのも分かってくるし、そうなるとオーバーヘッドだけじゃダメとか、こういうロッドが欲しいなとかが分かってくる。
トップの楽しさは、可愛いルアーで遊びながら釣れること。むしろ可愛いルアーのほうが釣れる。
…持ってないの?
トップって難しい?
トップは一番簡単。
ルアーが見えるんだから。
どこにルアーがあって、自分がどう動かしているか。それが分かっている上で釣れるどこにルアーがあって、自分がどう動かしているか。
それが分かっている上で釣れると『釣れた』じゃなくて『釣った』になる。
トップで釣るためのコツは?
俺がルアーを動かしていると、生き物みたいってみんな言うんだよ。
食われるかもって緊張したり、のんびりさせたり、生き物のキモチになって動かすだけ。
トップが釣れる時期になったら楽しさ優先でやっていい。
梅雨からはトップの本番で、秋までずっと釣れる。
梅雨明けは厳しいけど、逆にデカいバスが釣れる。
女子や子どもにも、トップの可愛いルアーを使わせるべき。
ずっと目で見えてるし、きゃわいい〜、なんて言ってるうちに釣れちゃうから。
トップで釣らなきゃだめなの?
やっぱりトップ食うバスを探して釣りたいじゃん。
でも急に増水したから、上まで浮いてこれない、みたいな時は絶対ノーシンカーの日だよね。
トップでしか釣っちゃダメなんてないし、ポケットにワームを1袋くらい忍ばせたほうがいいよ。
だって全然釣れなかったらつまらないでしょ。
毛針投げたっていいし。
釣れなきゃ釣りも上手くならないよ
トップて釣ることの意味
たとえば50センチくらいのヤツがいて、ジグに食いそうでも、どうせならトップで釣れたら嬉しいじゃん。
そんで歯形がついたりして、トップってなくしにくいから、その日のバイトは歯形と共にずっと思い出として残る。
ボロボロになるのがステイタスよ。
友達と釣ってても、トップにバスが出ただけで全員興奮できるじゃない。
しかも、思い通りに動かしたルアーに食ってくるんだぜ。完全にウデで釣った1匹じゃん。
トップとトップ以外、どっちの釣りが正解かじゃなくて、どっちが楽しいかの話よ。
『トップの鬼』柏木重孝さんの理論が生で聞ける!
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