【巨大ルアーで爆裂釣果】東京湾のランカーシーバスを仕留める最強メソッドとは?

「でっかいルアーで、でっかいシーバスを釣りたい!」と思うことはないだろうか。筆者はある。なんなら釣れるものならば毎日釣りたい。そんな夢のような釣りが現実にあるそうだ。東京湾を舞台に、巨大ルアーを駆使してランカーシーバスを次々と仕留める釣りが確立されつつある。キーワードは“コノシロパターン”と“ジャイアントベイト”。シーバスガイド「payback guide service」の湯浅キャプテンが導き出した驚異のメソッドと、圧倒的な釣果を叩き出すルアーチューニングを徹底解説する。

●文:ルアマガプラス編集部(漆畑友太)

めちゃくちゃ釣れてる

デプスから発売されているnewハイサイダー220に独自のチューニングを施し「良型シーバスを船中で単日80匹釣り上げた」というおとぎ話のような釣果を叩き出している横浜発のガイド船payback guide serviceの湯浅キャプテンを直撃してみた。

湯浅キャプテン。ルアーが小さく見えるがボディの長さだけで220mmある。尻尾を加えるともっとデカい。

江戸前のでかい魚を釣るにはでかいベイトを追え

湯浅キャプテンは1年を通してシーバスのベイト(餌)となる東京湾のコノシロを追いかけている。静岡県出身の筆者はコノシロといえば冬の風物詩のイメージが強いのだが、実は東京湾には通年コノシロがおり、水温や水質によってコノシロが貯まる場所が変わるのだそう。流石江戸前だ。コノシロに余念がない。

湯浅キャプテンはその中でも特に大きな30㎝に迫るコノシロの群れを昼夜問わず追いかけている。

そんな大きなコノシロを捕食するシーバスを狙うのだから、釣りをする際に使用するルアーもまた大きいのである。payback guide serviceはジャイアントベイトを使用したボートシーバスゲームの魅力にキャプテン自身が魅了され、通年を通して大きなルアーを使用したシーバスフィッシングを展開している。

”newハイサイダー220”の爆釣チューニング

さて、今回の主役とも言えるルアーは2024年にデプスから発売されているnewハイサイダー220である。カテゴリーは”クランキングビッグベイト”。220mmボディに自重は4.8ozと十分ジャイアントなルアーである。

大きなリップで水を動かしつつ、搭載された3つのジョイントで艶めかしくニョロニョロと動くのだが、湯浅キャプテンの中でオリジナルの状態のnewハイサイダー220ではどうしても自身の「1軍」を冠するほどの釣果を得られなかった。そこで毎日試行錯誤をくり返したところで、ひとつの答えに到達する…

ジョイントの前と後ろ2点を輪ゴムでロックする

実質1連結である。マジでか。大胆なチューニングであるが、これがあの爆発的な釣果を生み出しているというのだ。

矢印の関節を輪ゴムかシリコンバンドでロックする。

このチューニングを施すことで、大きなリップによるロールをこれまた大きなテールが抑制することでアクションが落ち着き良型シーバスを魅了する”弱ロール”アクションが完成するのだそう。

このチューニングが本物だと確信したのは、これまで東京湾で定番とされ続けてきたルアーに反応がないというコンディションの中、釣座的にキャストが一番最後になる不利なポジションでnewハイサイダー220だけが爆発的に釣れたエピソード。

そこから畳み掛けるように脅威の80本釣果である。平均サイズは70㎝超えダブルヒット多発80㎝オーバーの確率は15%超え。さらに、この釣りは限りなくボウズがないのだそう。

ボディの長さが220mm、4.8ozのジャイアントルアーを使った釣りで、だ。もはや魅力しかない。そしてこれは夢でも幻でもない。嘘だと思う方は是非とも湯浅キャプテンのInstagramをチェックしてみてほしい

フッキング率を向上させる必須チューン

まず前提として、20㎝を超えるルアーに対してシーバスはほとんどの場合頭(アイ側)からアタックしてくる。理由はそのサイズのベイトを捕食する際は魚体の横から吸い込むことができないからである。餌となるベイトが大きい場合は、そのベイトの進行方向から吸い込むことで飲み込むことができるのである。

さて、件のハイサイダー220はどうかというと、クランキングベイトらしく頭に大きなリップが装着されている。このリップにより、頭から噛み付いたシーバスがルアーのフックに到達する前に妨げとなり、フッキング率が落ちていたのだという。

そこで必須となったチューニングがRYUGIのヘッドショットを使用したフロントフックのシステム。

newハイサイダー220にヘッドショットを取り付ける位置にも特徴があり、リーダーからスイベルに結び、スプリットリングはスタジオコンポジットのオーバルワイヤースプリットリング#6でスイベルとルアーを接続する。

キャプテンはスイベルにダイワのDスイベルSSローリングの#4を使用。そして、リーダーを接続しているスイベルのアイ(輪っか)にヘッドショットを取り付ける。そうすることで、ルアーが動いた際に針が踊ってしまう事がなくなり、フックがリップに引っかかる心配がなくなるのだ。

newハイサイダー220にセットするヘッドショットは1/0の2㎝だ。

ヘッドショットがあることでフッキング率は飛躍的に向上。釣れる魚の9割がヘッドショットに掛かるそう。

シーバスのバイトが集中してリップが傷だらけ。

針を設置する位置が絞れたことにより、糸絡みなどのトラブル回避の理由からもともと3つついていたフックのうち前2つは取り外し、一番後ろ(尻尾側)にだけがまかつのツインフックのMまたはMHの3/0を装着。

ツインフックを装着する理由は、後ろから追いかけて来るバイトが稀にあり、それを掛けるため。あくまでメインのフックはヘッドショットなのだとか。

フロントフックの位置に取り付けられたシンカーはドリームエクスプレスのダイレクトショット。ウエイトシールでも良いが、釣りの最中に重さを変えられるためダイレクトショットが便利。

推奨されるタックルセッティング

マキモノを操る釣りであるため、巻き上げの力が強くハンドルを巻くスピードを調整しやすいベイトタックル推奨。

ロッドはウエイト表記がMAX8ozのもの。かつ魚がルアーに触れたらすぐにフッキングに持ち込めるようファストテーパーが良いとのこと。ルアーウエイトのMAX表記が、使用するルアーのウエイトよりもやや余力を残したロッドを選択することでキャスト時に振り抜く事ができ、飛距離が稼げるため。

ラインはPE6号を150mに、リーダーが80LB。リールはブレーキ付きで指定の太さの系が巻けるものを。

釣り方は想像よりも遥かに簡単

”クランキングビッグベイト”の名を冠しているだけに釣り方はシンプルに「巻くだけ」。湯浅キャプテンの言葉を借りるならば「ステディー(規則的な)ただ巻き」である。

単純なように思えるが、グライド系ルアーやペンシルベイトに反応せず、ただ巻きのアクションにだけ反応する魚が群れの中に必ずいるのだそう。

湯浅キャプテンがその時々に応じ狙うポイント毎に水深は浅くも深くもなるが、基本的にコノシロとシーバスがいる位置(水深)は水面よりずっと下。ということは、ルアーにアタックしてくるシーバスはルアーの泳ぐ水深まで誘い出され、浮き上がってきているということになる。

つまり、newハイサイダー220はただ巻きという単純な使用方法にも関わらず、シーバスを誘いだす力が群を抜いて強いのだ。もちろん、ただ巻きとはいえルアーを使用するタイミングでの船や潮の流れる速さに応じて巻くスピードの調整は必要ではある。

ルアーの存在感と弱々しい波動によりシーバスが浮き上がってくる。

また、ボートシーバスのイメージはストラクチャー(障害物)をタイトに狙うイメージが先行しがちだが、ベイトのポジション的に岸壁沿いを狙うことはあっても、payback guide serviceではストラクチャー撃ちを乗客に求めることはない。

「コノシロを捕食しているシーバス」が映る魚探の反応を狙うので、え?ここ?というオープンなポイントでも80㎝級のシーバスが平気で釣れるのだ。

つまり、キャスト精度はそこまで求めていないし、障害物にルアーをぶつけてルアーが破損する心配も少ない。投げるルアーや釣れるシーバスのサイズに反して、なんとマイルドな難易度か。釣人ファーストが嬉しすぎる。

ただ、前述した通り誘い出す釣りになるのでボートのプレッシャーが弱いところまで遠投するスキルはあった方が釣れるそう。こればかりは要練習だ。

キャプテンが乗客に求めること

”ルアーのロストをしないこと”だそう。ジャイアントベイトは高価でもあるし、シーバスを釣ったジャイアントベイトは乗客にとって非常に思い出深いものになる。「こんな大きなルアーで釣ったんだ!」という喜びは釣人にとって特別であり、船長はそんな想いを大切にしたいと語る。

ルアーをロストしないために乗客が準備することは2点。

”スナップを使用しないこと””好きなメーカーで良いのでハイエンドのラインを使うこと”だ。

どちらも乗客へのキャプテンからのホスピタリティ溢れる気遣い。規格外のルアーを投げるのだから、このくらいは準備して釣りに臨みたい。何より、ジャイアントベイトをロストした時の気持ちは想像しただけで筆舌に尽くし難い。

ジャイアントベイトシーバスは”夢の釣り”ではない

シーバス釣りの魅力は「ランカーをたくさん釣ること」だとキャプテンは言う。

「それを叶えるための最適解が”ジャイアントベイト”であって、決して”修行”だとか”夢の釣り”じゃない。僕たちジャイアントが一番釣れる釣りだと思ってやってるよ。実際、すごい釣れるから(笑)」と本気で語るのだ。

今回の取材で改めて実感したのは、「ジャイアントベイトの釣りはロマンだけではない」ということ。適切なベイトパターンの把握、ルアーアクションの理解、そしてタックルセッティングをしっかりと詰めることで、 「大型狙い」ではなく「大型を確実に仕留める釣り」に昇華する

特に payback guide service では、NEW ハイサイダー 220を武器に 安定して良型を狙えるゲーム が確立されている。「ジャイアントベイトは当たればデカいが、釣れる確率が低い」と思っている人にこそ、この釣りを体験してほしい。

東京湾の “ジャイアントベイトシーバスゲーム”、ぜひ一度トライしてみてはいかがだろうか?

payback guide serviceへのご予約、お問い合わせはInstagramのDMより。


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