「これは一体…?」「意外だった」釣れた大型の魚が吐き出した“モノ”の正体が判明。「結構食べてるときもあるんですよ」

H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回は神奈川県・相模湖での釣りをレポート。大型の魚が釣れたようだが、吐き出したモノの正体が…。

●写真/文:大津清彰(ティムコ)

時期は冬。相模湖に繰り出した大津さん

すっかり春になってしましましたが、今回は冬の相模湖の情報をお届けします。

冬の相模湖


ご覧の通り、上流浚渫船が桂川~弁天橋まで掘りに来ていました。(現在どこにいるかはわかりませんが…)この日の水温は8℃前後。2月の感じから言うと平均的ではないでしょうか?とはいえ、相模湖の水中はすでに本格的な春を控えた動きになっていました。

花粉が飛び始めていますし、水中ではワカサギが産卵を意識したポジションに移動しています。水中の魚たちの動きも徐々にみられるようになり、バスたちの動きもそれに引っ張られ活動が少し活発になってきた感じです。

先日、ハリネズミで60センチ(ロクマルという)のブラックバスが釣れたこともあり、午前中は本気でロクマルクラスを狙ってみました。

結果、ノーフィッシュ・・・(当たり前)。

ロクマルクラスをどうやって絞って狙うのかというと、これはもうライブスコープに頼っています。ライブスコープで明らかにでかいバスがいるところだけアプローチをかけていく感じです。まぁ、食わないんですけどね(笑)。

ロクマル級を探している際、モツゴがシャロー側に追い込まれている場所を発見していたので、結局数狙いに変更!モツゴがシャローにいた理由は風?だと思います。ワカサギに一瞬見えるのですが、全部モツゴというのが今年よくある傾向です。

クリーピーエッグラバーで釣れた1匹目のブラックバス。

2匹目のブラックバス。こちらもクリーピーエッグラバーで。

小型とはいえ900gと1200g。モツゴの下にバスが複数いたのでそれを狙いました。これも中層やライブサイトで直接狙うのではなく、「ボトムシェイク」です。直接狙うと食わないんですよね・・・ほとんど。

ボトムという壁を利用し、さらに曖昧さを演出することで口を使わせる方法です。水深は2m程度。この傾向も変わらず続いていて、水深は浅いほど活性も高く仕掛けやすいです。7m以上のディープは今年はほとんど釣れませんね・・・。

新作ルアーの“ハリネズミ”で釣れた魚が吐き出したモノとは?

そこからはやっぱりハリネズミのさらなる可能性を模索。追加で1本!47cm1600gでした!

沖の石に引っ掛けながら鬼シェイク。1分くらい?で食べてくれました。バスもルアーもライブスコープには映っていません。とにかくライブサイトを捨てるのが今年のキモです!

そして、この魚が吐き出したのは“川虫”。種類は断定できませんが、渓流釣りの餌などでも使われているものです。

ブラックバスが吐き出した川虫

大型の魚が小型の餌を食べないのかというとそんなことは無く、意外にもこういった小さな虫を食べていたりします。そこから徐々に戻りながら釣りをしました。

すると、何故かこの日は各所レイダウンにものすごいバスが・・・。でもほぼやる気なし!一体なぜこんなに群れているのかは不明。バスの行動は謎だらけです。

しかし、何とか一本口を使わせました。レイダウンに投げてボトム鬼シェイクでした。

この魚はヤゴを食べていました。

ブラックバスが吐き出したヤゴ

レイダウンのバスは、ほとんどヤゴ食いです。ヤゴがどのような行動をしているのか全くわからないのですが、枝や枯葉?の中に隠れていて、それが何かのきっかけで出てくるらしい。それをバスは知っていて、ヤゴを食べる。

おそらくコオニヤンマのヤゴなのですが、この種類は2~4年程度ヤゴで過ごすらしい。相模湖の水中には、驚くほど多くのヤゴが生息しているのでしょう。

ここからは仮説ですが、ヤゴは肉食。ミジンコのようなものから小魚まで食べるようですが、定説を信じるならば「動くもの」しか食べません。死んだ動物は食べないのです。

この時期は日中のほうが水温上昇とともに水中の生物も活発化する時期ですので、ヤゴも日中のほうが活動的になるでしょう。何らかの動く生物が日中活発化→ヤゴがそれを追いかける→バスが見つけて食べる、という方程式があるのかもしれません。

何らかの動く生物が日中活発化→ヤゴがそれを追いかける→バスが見つけて食べる、という方程式があるのかもしれません。

最後は岩盤で2連発!もう少し時間があればもっと釣れたと思うのですが判断が遅かった!

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吐き出したのはアブラハヤのような小魚

岩盤にフォールさせて鬼シェイク。水深は3mくらい?もっと浅いかも。岩盤に夕方差してきたバスかと思います。何度も書いていますが、ライブサイトを捨てて岩盤を普通に攻めています。やっていることはシンプルです。

とはいえ、ライブスコープでバスを探していることは間違いありません。ライブサイトでバスの食う瞬間をとらえていないという意味です。映像上どれがバスか?という事に関しては経験を積むしかありません・・・。

「これ、バスっぽいしこのエリアはバスが餌を探しているな」ということを見ています。でも最近はこのバスらしき映像をみて直接目掛けて投げてもほとんど食わないのです・・・。さらに、ほとんどの場合、うまく魚探にうつらないような位置に隠れています。

サイトフィッシングでも同じですが、「ルアーをバスの目の前に落とす」のではなく「バスからルアーを見つけさせる状況下を作り出す」ことが重要になっています。餌となるベイトが、バスを恐れず向かってくるなんてことはほぼ起こりませんし、一目散に逃げるのがまぁ普通の行動でしょう。

この辺りのバスとの駆け引きがとても大切です。食べていたのはおそらくアブラハヤ。モツゴにしては顔に丸みがありますし、鱗の感じもアブラハヤっぽいですから。

この日は6本で終了!次回の更新もよろしくお願いします!

タックル

ロッド:フェンウィック プロト 62SULJ
リール:エアリティ LT2500S
ライン:エックスブレイド リアルデシテックス0.4号+フロロ4lb.
ルアー:クリーピーエッグラバー+リューギ ヴェスパ1.3gジグヘッド

ロッド:フェンウィック プロト 610CMHJ
リール:アルデバランMGL 31HG
ライン:バリバス アブソルートAAA 16lb.
ルアー:ハリネズミ 10g テキサスリグ+リューギ インフィニ3/0

大津清彰(おおつ・きよあき)

老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。

※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。