
夜の帳が下りるとライトが灯り、船上が活気づくイカメタルゲーム。その専用ロッドとして人気なのがブリゲイド トバリ(テンリュウ)だ。2025年には3機種が追加され全6機種をラインナップするが、シリーズ全体のコンセプトが“イカとの駆け引きを楽しむ!”。イカメタルゲームの醍醐味を味わうためのテンリュウならではのギミックを紹介しよう。
●文:ルアマガプラス編集部
穂先形式って? イカメタルをより深く楽しむためのテンリュウ独自のテクノロジーが随所に!
イカメタルゲームは高活性イカの瞬間的なアタリをかけたり、食い渋るイカに違和感を与えずしっかり抱かせてのせたりと、イカとの繊細な駆け引きが醍醐味の一つ。それをよりハイレベルで楽しめるように開発されたのがブリゲイド トバリだ。
ブリゲイド トバリ(テンリュウ)
2025年に追加された3機種は“掛け”を得意とするモデルだが、ブリゲイド トバリのスペック表をよーく見ると通常のロッドにはない『穂先形式』という項目があり、追加3機種はMF/CSと表記。既存の3モデルはMF/GTやMF/CTとある。
この穂先形式こそがテンリュウ独自のテクノロジーで編み出され、イカとの駆け引きを楽しむためのブリゲイド トバリの心臓部といえる機能だ。
まず穂先形式に共通してあるMFとは、テンリュウ独自のマグナフレックス製法のこと。
マグナフレックス製法
マグナフレックスとはカーボンとグラス、あるいは弾性率の異なるカーボンの異素材同士を継ぎ目なく融合し、ブランクに成形するテンリュウ独自の製法のこと。ティップが100%グラスのチューブラーでベリーからバットはカーボンという特殊なブランクが成形可能で、しかも継ぎ目を感じさないスムーズな曲がりをみせるのがすごいところ。
マグナフレックス製法による3タイプのティップを使い分け
MFに続くGT、CT、CSはティップの素材とタイプを表し、Gはグラス、Cはカーボン。Tはチューブラー、Sはソリッドのこと。イカとの駆け引きを楽しみ、釣獲性能を上げるためにティップタイプが最適化されているのだ。それぞれの特徴をみていこう。
ブリゲイド トバリの穂先形式は3タイプある。
MF/GT(マグナフレックス/グラスチューブラ)
グラス素材のチューブラ状(中空)の穂先から低弾性カーボンに徐々に移り変わるマグナフレックス製によるティップ。長めに止めて誘うロングステイに向くティップだ。しなやかなグラス素材が船の揺れを吸収してスッテに違和感のある動きを与えにくく、イカのアタリを穂先の変化でとらえやすいのが特徴。BT682B-Lに採用。
MF/CT(マグナフレックス/カーボンチューブラ)
低弾性カーボン素材から中弾性カーボン素材に徐々に移り変わるチューブラ状(中空)のティップセクションで、グラス素材のMF/GTより若干張りがあるのが特徴。高活性時は誘いを入れた直後にアタリが出ることが多く、穂先の揺れを素早く収束し、瞬間的なフッキングに対応しやすい。BT682B-M、BT642S-Mに採用。
MF/CS(マグナフレックス/カーボンソリッド)
穂先はカーボンソリッドを搭載。チューブラでは表現できない細い穂先からチューブラ部分は低弾性カーボンから中弾性カーボンに移り変わるマグナフレックス製法が取り入れられている。繊細な穂先で緩やかな潮流でも抵抗が感じやすく、小さなアタリをとらえて、かけやすいというメリットを生み出す。BT5103B-MLS、BT662B-MHS、BT6102S-MHSに採用。
優れた基本性能! すべては“イカとの駆け引きを楽しむ”ために
ブリゲイド トバリは、ティップセクション以外にもイカメタルロッドの基本性能を高めた設計がなされている。ガイドからグリップまでテンリュウがこだわり抜いたスペックだ。
不意の重量級ファイトもC.N.T(カーボンナノチューブ)で応戦!
バットにはテンリュウのお家芸であるC.N.Tを採用。軽量化を図ると反比例して低下するバットの強度や粘り強さをC.N.Tをコンポジットすることで補強。大型ケンサキイカを2杯同時がけするような重量級ファイトを強いられても安心感が増し、ファイトが有利に楽しめる。
バットには粘り強さを発揮するカーボンナノチューブ(C・N・T)をコンポジット。
軽量化により目感度&手感度を高めるガイドセッティング
ガイドは各機種に最適化されたセッティングで搭載。共通点はティップ部はチタンフレーム・SiCリングで軽量化を図り、繊細なアタリをティップの動きの変化でとらえる目感度や、微かなイカの触りを感知する手感度の向上にも寄与している。ベリーからバット部は、ステンレスフレーム+SiCリングガイドを搭載。ガイドはベイトタイプがLDB、Kガイド。スピニングタイプはKガイドでライントラブルが少なく、快適に実釣に臨める。
ティップ部のガイドはチタンフレームで軽量化。感度アップに貢献。
操作性とデザイン性を両立したグリップデザインがニクい!
グリップ周りもイカメタルゲームのためにデザイン。ベイトモデルは、パーミングマイクロトリガーシート(PMTS)を採用。トリガー部が短いリールシートで、ロッドをホールドする角度や持ち方によって感じられるアタリや誘いやすさが変わることを想定した誰でも扱いやすいグリップだ。
スピニングモデルは信頼性の高いDPSを採用。どんなリールとも相性が良い。
全機種、リアグリップを長めに設定。深場を攻める際もワキにしっかりホールドして操作でき、巻き上げも楽に行える。
またリールシートには西陣織カーボンパイプを採用し、装飾面でも所有感を満たしてくれる。
リールシート周りにはテンリュウならではの意匠、西陣織カーボンパイプを採用。
現在、イカメタルゲームは全国各地で楽しまれている。季節や地域、あるいはヤリイカ、ケンサキイカ、スルメイカなどターゲットによっても攻め方が変わる。状況に応じてタックルを使い分けるのは今や常識。
そして簡単に釣れる日もあれば、喰い渋る気難しいイカを攻略するのもイカメタルの妙味。ブリゲイド トバリを使えば、イカメタルゲームの深みが増すのは間違いなさそうだ。
ブリゲイド トバリ スペック表
品名 | タイプ | 全長 ( m [ft]) | 継数 (本) | 調子 | 仕舞寸法 (cm) | 穂先形式 | スッテサイズ (号/g) | 錘負荷 (号/g) | ライン (PE/号) | リアグリップ (mm) | 先径 (mm) | 自重 (g) | 本体価格 |
2025 BT5103B-MLS | ベイト | 1.78[5’10”] | 3* | EXF | 69 | MF/CS | 8-30号(30-120g) | 10-35号(40-135g) | 0.4-1.0 | 380 | 0.7 | 88 | ¥45,000 |
BT682B-L | ベイト | 2.03[6’8″] | 2 | RS | 105 | MF/GT | 5-25号(20-100g) | 8-30号(30-120g) | 0.4-1.0 | 380 | 1.2 | 87 | ¥42,000 |
BT682B-M | ベイト | 2.03[6’8″] | 2 | F | 105 | MF/CT | 8-35号(30-135g) | 15-40号(60-150g) | 0.4-1.0 | 380 | 1.2 | 88 | ¥43,000 |
2025 BT662B-MHS | ベイト | 1.98[6’6″] | 2 | EXF | 102 | MF/CS | 15-40号(60-150g) | 20-50号(80-190g) | 0.4-1.2 | 380 | 1.0 | 100 | ¥45,000 |
BT642S-M | スピニング | 1.93[6’4″] | 2 | F | 100 | MF/CT | 8-35号(30-135g) | 15-40号(60-150g) | 0.4-1.0 | 425 | 1.3 | 89 | ¥42,000 |
2025 BT6102S-MHS | スピニング | 2.08[6’10”] | 2 | EXF | 107.5 | MF/CS | 15-40号(60-150g) | 20-50号(80-190g) | 0.4-1.2 | 425 | 1.0 | 98 | ¥44,500こ |