蒼い水、赤い森と白き鱒:大型鱒族がたゆたう水辺への小さな旅【本多智紀・カルテラス】

エリアトラウトの確かなひとつの楽しみは、想定外なターゲットとの邂逅。それは見慣れない魚種だったり、鮮やかに疾走するモンスターサイズだったり。そんな出会いを求めて、北は青森県まで足を伸ばした。釣り人は、世界を旅する本多智紀さん。旅人の目線で行程を楽しみ、釣り師の感覚で巨大魚に迫る道程を追った。

●文:ルアマガプラス編集部

本多智紀さんプロフィール

本多智紀(ほんだ・とものり)

樹脂製スプーンでジャンルを問わずルアーフィッシングに革命を起こしたブランド、カルテラス代表。北海道由来のトラウトDNAを持ち、思春期を千葉のバス釣りで過ごしたマルチアングラーでもある。ガチの工業デザイナーで、数々の国で事業に関わった経験により海外の釣りにも親しむ。フィールドを通して自然の恵みや土地の文化を追う旅人でもある。

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フォレストパークひらかわ

12魚種がひしめくポンド。十和田山地から流れてくる清冽な水が供給される。数釣り、大物釣り、エサ釣りのポンドが分かれていて没頭しやすい。リリース1日券は4,500円で、時間帯別券や持ち帰り可の券などチケットのバリエーションが豊富。

住所:青森県平川市切明滝の森8-1

蒼い森の恵み。
育ちの良さが体躯に現れた鱒族たち

この日は6本の大型が釣れたが、これは1匹目。連休明けの初日のせいか水質悪化のせいか、釣り開始1時間は反応が渋かった。さまざまにローテーションして探っていった先の結果だ。

本多智紀さんにとって第二の故郷であり、近年は仕事でも足しげく通う北海道。現地には空路でも向かうが、関東から車で訪れることも多い。

「その道中で、ちょくちょくひらかわさんに寄るんです」

もちろんタックルの用意を万全にして、釣りを楽しむのだ。とはいえ、ただ通り道にあって便利…という理由で訪れている訳ではない。

「とにかく魚が凄いんです。大型魚の魚影がとにかく濃いし、美しい体躯の個体が多い。北海道のネイティブも釣り込んでいますが、そんな自然の魚に近いくらいのパワーを管理釣り場で楽しめるのが魅力ですね」

この日は結果から言うと50cmを超えるトラウト6尾が遊んでくれた。お昼過ぎに到着し、のんびり釣っていての釣果だ。

「実は…今日はかなり渋かったです。山を見ると紅葉も過ぎて落葉している。その冷え込みのせいか水がターンしていました。そのせいか口を開けずにアタックしてくる魚が多かった。そこで速巻きのリアクションを入れたらスイッチが入って、思いっきり口を開けて食ってきましたね」

そこで主役級の活躍をしたのが本多さんの傑作、ウルキだった。

ブラウントラウト

レインボートラウトとは習性も狙い方も違ってくる、通称「ブラウン」。エリアトラウトではニジマス以外の魚種を「色モノ」と呼んでいるが、ブラウントラウトはその筆頭とも言える魚種だ。大型化する魚で、今回は50cm以上の個体が多く見られた。精悍な顔つきで、ファイトも激しく釣り人を魅了する。

レインボートラウト(ニジマス)

エリアトラウトで一番スタンダードな魚種であるレインボートラウト。今回のロケ地「フォレストパークひらかわ」さんでは、大型の個体が無数に棲息。また運営会社では、青森特産として「青い森 紅(くれない)サーモン」を産出。青森県が誇る「りんご」「にんにく」を含む専用飼料で育成するブランドマスだ。

ジャガートラウト

ブルックトラウト(カワマス)のオスと、イワナのメスを交配させて養殖したジャガートラウト。交配させた初代かぎりの雑種はF1と呼ばれ、子はなせない。ブルックトラウトもイワナもルアーを旺盛に追う魚種だけあって、ジャガートラウトはゲームフィッシュとして良きターゲットだ。

アルビノ(ニジマス)

天然環境では、出生確率が1億分の1と言われている。メラニン色素を持たないため、ホワイト〜オレンジの魚体となっている。アルビノ自体は養殖で産出できるため、観賞用として育成されている。フォレストパークひらかわさんでは、おどろくほど多数のアルビノが放流されている…一度は狙いたい魚種だ。

Uruki ウルキ(カルテラス)

超高精度な工業ラインで生み出される自然物体
自動車パーツ等を生業とする本多さんならではの精度で作られたウルキシリーズ。本多さん曰く「ミノー」というのも納得の多彩な攻めが可能なルアーだ。レギュラーマスのみならず、大型鱒族に効きまくり全国で需要急上昇。低比重だが独自の流線型により飛びすぎるくらい飛ぶ。中間サイズのウルキ60と、最小サイズとなるウルキ40を加えた全4サイズのラインナップとなった。

旅するロッドのポテンシャル

カルテラスのロッド・オーバーシーズ58はエリア向けだがバッドパワーが強烈。ひらかわの俊敏なトラウト相手に、ファイトを十二分に楽しめつつも負けることはなかった。

TACKLE①
ロッド:オーバーシーズ58(カルテラス)
リール:ヴァンキッシュC2000S
ライン:オールマイト0.4号(サンライン)
リーダー:ソルティメイト・スモールゲームリーダーFCⅡ(サンライン)
TACKLE②
ロッド:オーバーシーズ63(カルテラス)
リール:ヴァンキッシュC2000S
ライン:オールマイト0.4号(サンライン)
リーダー:ソルティメイト・スモールゲームリーダーFCⅡ(サンライン)

白神が脳裏をよぎる白き希少

ひらかわには、かなりの数のアルビノレインボーが棲息。アルビノを釣りたい!と野望を燃やしていた本多さんだったが、目立つ存在なだけに、かなりナーバスな魚ばかり…。しかし、この日のヒットルアー・ウルキ60オレンジがコイツにも効いた。

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