
関東のブラックバスフィールドを中心に活躍する、エキスパートアングラー折金さんの連載「つきぬけろ! オリキンもばいる」。今回は津久井湖オープンの試合レポートです。
●写真/文:折金一樹
津久井湖オープン、湖の状況は
先週末は津久井湖オープンでした。今回はグランドチャンピオン大会という実質最終戦。前回は良いところ無しでしたので、何とかウェインしたいところ。
プラもしっかり入りました。水温は前週の雨と雪で変わらずか少し下がった感じで7~8℃。水質は少し緑がかっているものの、比較的クリア。場所によっては少し色が付いている感じでした。今回も冬ポジションの魚より、春に向けて動いている魚がメイン。ウェイト的にも圧倒的に良い魚が釣れるし、タイミング次第で簡単に食べるはずです。
ルアーは1つ目にワカサギ系。ルドラ、ヴァルナ、ハイカット、Iウェーバー、マイラーミノー、エリマキシャッド、HPミノー。もうひとつは、ビッグベイト系でカレンとドライブビーバーマグナム。
プラでは湖全体をまわりました。反応があったのは、赤土が絡んだバンクの岬まわりと岩盤。ワカサギの数は少ないながら、これを意識しているバスがいるであろう事を確認。プラの終盤にもルドラを追ってくるのが確認できましたが、まるで猛獣が襲ってくるかのようなスピード。尋常ではないスイッチの入り方だと思われます。
結局プラではマイラーミノーのホバストでキャッチ出来ましたが、少し太っている位の1500gくらい。ただこれをキャッチした時も、反応があったタイミングも雪が降っている最中。雪パワーの恩恵を受けているのだろうなという感覚でした。

プラで唯一釣れたバス。本番は簡単には行かないのは重々承知ですが、、、

ウグイは入れ食い。ちょっとバスっぽくて惑わされます。
ついに本番
幸いに雪も早い段階で雨に変わり、凍結もなく無事に開催。さらに、前日の雪から本番は晴れ予報。タフになるのは間違いなし。如何に朝イチに釣るかが勝負の分かれ目となりそうです。

恒例のゼッケン着用!この景色も慣れましたね!
そしてスタート。狙っていた岬まわりは先行者がいて断念。そこから続くバンクをかなり浅いレンジまで狙いましたが不発。そこから要所を巡り、上流一歩手前まで際どいコースで攻めて行きましたが何もありませんでした。余りにも反応がないので、少し深い所まで釣りを広げましたが、反応するのはウグイとニゴイのみ。
結局久しぶりの全く惜しくもない完全試合となりました。結果、55名参加で9名がバスをキャッチ。3匹のリミッタメイクは僅か1名。パターンは三者三様でしたが、ミドスト系が多かったようです。中でも優勝は圧巻。朝のタイミングでワカサギの産卵とリンクするようなエリアをシャッドで3匹。ぶっちぎりの6キロ越えでした。

今回もノリーズ山口君。圧巻でした!
やはり第一にエリア、少ないながらもシャローに差しているバスを拾えるようなエリア。近々の状況と当日の天候を加味した選択が重要でした。ここを上手く合わせられるかがキーとなったようです。考えはまとまっていたものの詰めの甘さが悔やまれます。そこまで考えられれば、必ず釣れたかはわかりませんが、そこまでは至っていなかったのが実際のところです。
今回を含め冬のトーナメントで釣ってくるのは本当に至難の技です。時間的制限がある中、1匹にたどり着くにも時間が掛かったり、釣れるタイミングも極々僅か。また答えが中々出ない中、やり続けるか又は変えるかの判断力が必要であったり、加えて時間が経過するほどにリカバリーも難しく、それはハイシーズンとは比べ物にならないほどです。いわば一気に駆け抜ける綱渡りゲームのような試合。つまり、慎重且つ決断に優れること、それを司るバランス感覚など、求められる事がハイレベル。テクニックや釣れたルアーに目が行きがちですが、釣ること以外の要素がぎっしり詰まったトーナメントでした。また時間の許す限り、冬のワクワクを楽しみに来年も参加したいと思います。
ではまた次回!
アングラープロフィール
折金一樹(おりかね・かずき)
ホームの房総リザーバーで培ったテクニックはボーダレス。DAIWA、O.S.Pプロスタッフ。自身のYouTubeチャンネル「オリキンちゃんねる」では、オリジナルの動画コンテンツを積極的に配信中。