
H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回はH-1GPXマスターズカップに参戦!プラの状況と試合結果のレポート、さらにプロトスピナーベイトの情報もお届けします。
●文:ルアマガプラス編集部
H-1GPXマスターズカップ開幕!プラの状況は
今回はH-1GPXマスターズカップへ。場所は相模湖。プラクティスから振り返りましょう。
H-1GPX
春の相模湖戦。いつもの春はトラファルガーくらいしかハードルアーを投げることもなく、どんなハードルアーに反応が良いのか?よくわからないままプラクティス開始となりました。結局、ありとあらゆるハードルアーを投げてわかったのは、反応が活性が高い日でも低い日でも、「回転波動系」には反応が良いという印象を受けました。中でもステルスペッパー70Fのキャロライナリグは反応が別格でした。
3ステルスペッパー70F
この時期に投げたのは初めてだったのですが、これは今の相模湖ではワームより釣れますね。正直驚きました。最近、相模湖はルアーの逃がし系の釣りへの反応が鈍くなっています。これはアングラーによる極度のプレッシャーに加えて、メインベイトがワカサギからヤゴに変わっていることがあると思われます。とにかく逃がしでスイッチを入れる方法が効かない。
ならば水中世界はどうなっていくのかというと、「何もしない」世界に突入しているのかな?と感じています。なんというか、管釣りのスプーンの世界に似ているように感じます。一定の速度で巻き続けることがバイトさせるコツなのかな?という感じですね。重要なのは引く速度で、その点はその日その日で変わっていく。そして最も重要なのは「ボトムすれすれを引くこと」。
ボトムから浮きすぎていると食ってこない。ちなみにライブスコープがある人はわかると思うのですが、見ているボトムと本当のボトムは距離に差があります(地形の角度やボート位置でも変わりますが)。ライブサイトの映像上でボトムスレスレを引いていても、それは本当のボトムとは異なります。
最近はその差が重要で、少しでもルアーかボトムから浮いていると一気に白けてしまう…とにかく本当のボトムスレスレを引くようにコントロールするのが重要でした。ボトムに当たりすぎてもダメ、そうなるとルアーの軌道がブレるからです。食ってくる場面は画面上ではわかりません。バイトはロッドで取ります‼
他に反応が良かったのはスピナーベイトとメタルクロースピンでした。
メタクロ
メタクロはH-1GPXで使用が許可されているルアー。長さが5cm未満なのですが、横の長さ?で計測するので問題ないらしいです。とにかくボトム付近や根掛かりが多い場所ではメタクロは重宝しました。メタクロは釣れるんですよね・・・、内緒ですよ。
音が出る?!プロトスピナーベイトに期待大
プロトスピナーベイト
あとはシンプルにスピナーベイトです。スピナーベイトは崩落ゴリ巻き。引っ掛かるので、トレーラーフックもつけません。スーパーバイブレーションスカート搭載のプロトスピナーベイト。シンプルな構造ですが特殊な工夫をしていて、なんとチャターベイトのように音が出る。
もともとチャターベイト禁止のH-1GPXで、チャターベイトのように速く使えるスピナーベイトが欲しかったのですが、それがアイデアになって形になってきた感じです。ご期待ください。
2プロトスピナーベイト
前日釣った魚たちもステルスペッパー70Fのキャロとプロトスピナーベイトでした。
プラの魚1
プラの魚2
そして試合当日。
私の釣りだと数は釣れる本湖・サイズの出る川筋という印象があったので、川筋へ。マスターズカップは勝たないと意味ないので。当日の流れとしては、朝は時間つぶしで日相前を流しました。朝からやりたいポイントに入ると、スレさせてしまうためです。光量が上がってくる9:00位が勝負かな?と考えていました。
そして実際回ったのは、人の少ない不人気エリア。日曜日の相模湖。しかも試合。こうなってくると王道のパターンは通じない可能性のほうが高くなります。しかも近年、ライブスコープによって魚が多いエリアは一目瞭然。誰でも魚が多い場所を見つけるし、その場所にはルアーが投入されます。
しかし、そのエリアが釣れるかと言ったら別問題です。特に春先の魚はナーバスになりやすく、プレッシャーでさらに口を使いにくくなると私は考えていて、実際それが水中で起きていました。そのため、私は人が撃たない不人気エリアを回った感じです。
場所でいうと冬にダウンショットで粘るようなエリアで、水深は3~7m。例えば大曲のガレ場のような場所です。特に春のバスはすべてが同じ行動を取るわけではありません。いち早く季節先取りで動く魚もいるし、季節感が遅れてくる魚もいる。ある程度の法則性があるだけで、100%すべてのバスが同じ行動を同じタイミングでとっているわけではありません。
今回狙ったのは季節感が遅れているバス。このようなバスをあえて狙ってくる選手は少なく、バス自体の個体数も少なかったのですがフレッシュでルアーへの反応が良い傾向がありました。
ただ、結果は3位・・・。2本しか釣れませんでした。
2本のみ
まぁ2本釣ったのは2人だけだったのですが、ホームの相模湖でこの結果は正直悔しい!この日はステルスペッパーへの反応が良く、スピナーベイトは厳しい感じでした。2本ともステルスペッパーです。何か方法があったはず。修行しなおします。
さて、そんな形でH-1GPXマスターズカップは終了。ここからはスポーニング直前のビッグバス狙いで攻めてみたいと思います。
タックル
ロッド: フェンウィック LINKS 65SMLJ
リール: ヴァンキッシュ2500S
ライン: エックスブレイド フィネスシャングリラ0.6号+LDLフロロ2号
ルアー:OSP ウィップシンカー7g ステルスペッパー70Fキャロライナリグ(LDLフロロ2号50cm)
ロッド: フェンウィック LINKS 610CMP+J
リール:スティーズA2 TW
ライン: バリバス アブソルートAAA 14lb.
ルアー:プロトスピナーベイト
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。