
H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回は2026年発売予定の新作ルアーの研究を兼ねて、相模湖の様子をお伝えします。
●文:ルアマガプラス編集部
2026年発売予定、開発中ハードルアーを試し打ち!
今回は相模湖へ行ってきました。目的は2026のハードルアーの研究&他社ルアーの検証。
相模湖
水温は13~14℃、スポーニング直前の状況といった感じです。このくらいの水温になると、コバスもいよいよ活動開始。沖に群れを形成して活動を開始します。ライブスコープがあるとダートパニックで簡単に釣れますが…。この群れが岸に寄り始めると釣りやすい時期になります。
小バス
さて気になるのはこの時期特有のビッグバスの行動!春はビッグバスが釣りやすいですが、日替わりでとても難しい時期です。ただ、産卵を意識した行動を取るため?なのか、通常は口を使わないようなレコードクラスのビッグバスが釣れてしまうのもこの時期の特徴です。仮説ですが、体内のホルモンバランスが崩れ、自分でも訳が分からない行動を取ってしまう可能性があると考えています。
朝イチ、いきなり3mくらいのブレイクラインで3kg級?のバスを掛けたのですが、フックオフ…。カバーに逃げようとしたのを強引に止めたら口切れしてしまいました…。まぁロッドもフェンウィック次世代ブランクスのロッドだったのでそのテストはできたということで…。
ルアーは2026年発売予定のハードルアー、仮称:フルコンタクト。まぁ名前は他メーカーさんのルアーと被るのでこの名前にはならないですが正式名称は控えます。重要なのはコンタクトさせるルアーであるという事です。
ライブスコープ×「障害物に当てる」
「障害物に当てる」というのが来年以降トレンドになりそうな雰囲気を私は感じています。障害物に当てるというのはバスフィッシングでは基本となる考え方なのですが、ライブスコープ慣れしたフィールドではむしろ新鮮です。
というのも、ライブスコープ≒ライブサイトは、ボトムを使わない空中戦(水中戦?)を得意としており、障害物に当てる行為を意図的に行っている人は少ないからです。ここ数年は空中戦で使用される技やルアーが発見・開発されてきました。
例えば上方向・下方向の逃がしのテクニック(サカマタシャッドで使うような)、マイクロホバスト、コイケ17mmといったモノたちです。これらはたしかに驚異的な釣果を叩き出しているのですが、すでにハイプレッシャーなフィールドでは陰りが見え始めていると私は感じています。
これは明らかにライブスコープ慣れが進んでいる証拠です。相模湖のようなハイプレッシャーレイクでは、ライブスコープを使用するアングラーは多く、釣れるテクニックや場所ほど一気に叩かれ釣れにくくなります。バスフィッシングには、驚異的に釣れるテクニックやルアーは普及するスピードも速く、バスが一気にスレてしまうパラドックスが存在します。
アングラーみんなが使うようになってきたらそれはすでに上昇トレンドは終了、下落トレンドに突入しているのです。開発者は常に次の世界を見据えて開発を進める必要性が出てくるわけですが、その中のひとつが「障害物に当てる」というルアーの開発であると考えています。
スピナーベイトやクランクベイト、テキサスリグなどいくつもの偉大な障害物回避系ルアーがある中で、何を今更という感じもあるのですが、ライブスコープが存在しない時代の障害物に当てるルアーとライブスコープが存在する現代のルアーでは開発速度や重要なキーポイントの把握状況が以前とは比べ物にならないレベルで存在します。
どういった動きのルアーを障害物に当てるともっと釣れるか?という部分を考える上で、やはりライブスコープは欠かせません。
余談ですが、ライブスコープで観察するとブリッツマグナムEXDRはボトムに当てていくと反応するバスがめちゃくちゃ多くて衝撃を受けますネ。
ということでばらした場所に入りなおして50オーバーの2kgをキャッチ!
50.5cm2040g
このバスは“仮称・フルコンタクト”で。ボトムを当てながらハーフドラッギングで食ってきました。浮かせていると食わないのですが、ボトムを通すと食うんですよね・・・。相模湖の最近のキーワードはライブサイトをしないことですね。
地形をライブスコープで探し、あとはライブスコープを見ない!でかいバスほどライブスコープから見えない場所に隠れるのがうまくなっている。そのため、ライブスコープでは魚影すら確認できません。おそらくですが、ブレイクラインの岩陰などに隠れているのではないでしょうか?
もう一本釣ったのですがこれは小型サイズでした。
37cm
もう一つは「サイトフィッシング用」ルアー!
さて、次の日はテーマを変えて「サイトフィッシング用ハードルアー」の開発です。タイミング的にでかいバスが浮きやすいかな?と思って湖全域を回りましたが多分一日早かった感じ…。ロクマルクラスを一回、55クラスを一回見たレベルで、小バスもいない…。
それでも何とかマル秘ハードルアーで2本キャッチして終了となりました。※何故マル秘かというと、私も教えていただいたルアーだからです。
ハードルアーの世界は奥深いですね…。 それではまた次回!
タックル
★タックル★
ロッド: フェンウィック 次世代プロト 64CMLJ
リール: アルファスエアTW
ライン: 10lb.フロロ
ルアー:仮称:フルコンタクト
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。