
プロアングラーの一番近くで長時間を過ごす、釣りライターの独自視線でたどり着いたおススメPEラインを紹介!ただ使っているだけの感想ではない、プロがどこに魅力を感じ、どう使っていたのかを昇華したインプレッションは要チェックだ!
●文:ルアマガプラス編集部
ウオヨロズ店長
釣り業界20年。釣り雑誌編集歴は15年。現在はアウトドア関連をメインに雑誌やWEB記事&映像制作の制作会社を設立。自社で運営する釣具店「ウオヨロズ」の店長も務める。最近では趣味で始めたという酒造りが本格し、釣り人向けのクラフトビールやコーラをリリース開始。
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独自の立場からラインを紹介!
ジャンルを横断してプロの釣りを取材する機会が多い私。
仕事の性質上、自分が釣りをするよりも釣りを見ることの方が多く、取材に行く際はその日の状況に合わせたプロのテクニックや現場のアジャスト力を目の当たりにし、毎度驚かされている。
その取材のあとには、そのプロから授かった知識を自分にインストールし、おもいっきりチートの状態で釣りへと向かっている。
しかしながら、知識はあれど技術がごく普通な私。技術の穴をタックルで埋める必要がある。
ロッドとリールは釣りのメディアやプロのSNSを見れば当たり前に触れられており、それなりの値段のものをマネして使うようになったのだが、この記事では、そんなメディアなどで細かくは触れられていない「ライン」について情報を紹介したい。
あくまでも個人的な使用感ではあるが、実際のプロも使用している点で自信を持っておすすめできるラインたち。では、早速紹介を始めよう。
おすすめラインその1:抜群の視認性の『マックスパワーPE X8 ライムグリーン』
おすすめのターゲット:夏シーバス・チヌ
号 | MAX LB. | 150m | 200m | BRAID |
---|---|---|---|---|
0.6 | 14.5 | オープン価格 | オープン価格 | 8本 |
0.8 | 16.7 | オープン価格 | オープン価格 | 8本 |
1 | 20.2 | オープン価格 | オープン価格 | 8本 |
1.2 | 24.1 | オープン価格 | オープン価格 | 8本 |
1.5 | 28.6 | オープン価格 | オープン価格 | 8本 |
2 | 33 | オープン価格 | オープン価格 | 8本 |
出会って以来、おかっぱりシーバスに使っているのがバリバスの「マックスパワーPEX8ライムグリーン」。
特筆すべき点は飛距離とコーティングの持続性にある。
ラインメーカー各社でよく謳われている「飛ぶ」という売り文句だが、「飛ぶ」を掲げるPEラインはどこのメーカーのモノもさほど変わらないように感じる(ハイエンドクラスの比較)。そして、大体の飛距離の問題はタックルバランスが問題だったりする。
しかしコーティングの持続時間が短いと長いでは話が変わる。度重なるキャストによりコーティングが薄くなることで、PEラインは徐々にだが毛ばだち始め、糸も水を掴み抵抗が増える。そのためガイド抜けが悪くなり飛距離が落ちる。これが致命的だ。
どんなに釣れるルアーを選んでも魚に届かなければ意味がない。そして、どんなに釣れるルアーを選んでもトレースコースが悪ければ、魚は反応しない、いや気がつかないことすらあるだろう。
例えば、狙いたいピンポイントがあったとする。そのピンポイントへなんとか届く状況と、ピンポイントより1m先の奥にルアーアプローチができた場合では、同じルアーでも潜行レンジが変えられる。つまり、アプローチの選択肢を増やすことができる。この選択肢の先に釣果が付いてくるもので、反応する域に届かないことで逃してしまっている魚もいるはずだ。ドリフトの釣りにおいても、ポイントに入れるルアーと魚との距離は1mで大きく変わる。釣れるかどうかはその時によるがアプローチの選択肢が減るというリスクを避けられるなら避けたいし、飛ばさない釣り場においても、飛距離の最大値を保てた方がいいわけだ。まぁ、プロの受け売りだが、めちゃくちゃ納得してしまった以降は常に意識している。
続いてライムグリーンカラーの視認性について触れたい。
プロの釣りを日常的に見て取材する仕事だが、かといって私が実際に釣りがうまいのかと聞かれれば、プロの知識はあってもプロの技術はない。マネしたいけどマネができない、要は普通だ。
ただし、プロが狙うルアーのトレースコースに関してはマネができる。
ライムグリーンが私の目の色彩情報ではよく見える色なのだが、からなずキャスト時にルアーを通すコースを細かく観察し、バイトがなければわずかにコースをずらしながら、繰り返すことで釣果に繋がった上に「あ、ここで食うんだ」が視覚的なコースを確認しながら学ぶこともできるので、ぜひオススメしたい。
また、最近ではシーバスを狙うと釣れてしまうチヌ、もはやシーバスがダメな時は、チヌに癒しすら求めている時がある。ここ近年は6月に入るとわざわざ、チヌトップを楽しめる場所にいくことすらある。チヌにも色々な釣り方があるが、バイブレーション系、メタル系、ワームなどはシーバスのタックルの流用で楽しめるので、試してみて欲しい。
■おすすめラインその2:VARIVAS 8 オーシャン ブルー
おすすめのターゲット:夏シーバス・チヌ
号 | MAX LB. | 強度(kg) | 150m | 200m |
---|---|---|---|---|
0.6 | 13 | 5.88 | オープン価格 | オープン価格 |
0.8 | 16 | 7.24 | オープン価格 | オープン価格 |
1 | 20 | 9.06 | オープン価格 | オープン価格 |
1.2 | 23 | 10.41 | オープン価格 | オープン価格 |
1.5 | 31 | 14.04 | オープン価格 | オープン価格 |
2 | 37 | 16.76 | オープン価格 | オープン価格 |
釣りライターといえど、釣り道具はメーカーからサポートされているわけでもなく、当然自腹で買う事がほとんど。自分でお金を出して買う以上は、いいものを購入したい。新商品が発売されれば試す日々を過ごしているわけだが、自分にマッチしない商品を掴むこともある。
常にハイエンドの商品を購入できるのであれば良いのだが…、自分のようなニッチな仕事をしているライターにとっては夢物語なのだ、グスン。とはいえ自分のメインのタックルに関しては糸目をつかないようにしているが、釣りをしていると不思議とメインターゲット以外の専用タックルも、なぜか増えてくる(買った記憶もないぐらいに)。
釣りを始めるとこの状況に共感できるアングラーも少なくはないはず。そして、全部のタックルに自分のお小遣いを投入できるアングラーもまた極わずかであることを祈っている(じゃないと妬みます)。
そして、メインターゲットではないからといって小遣いをケチりがちなのがライン。割安なPEラインをセットしたが、満足度が低くストレスに…。そのようなサブタックルライン事情を落ち着かせてくれたのは「VARIVAS 8 オーシャン ブルー」だ。
まず、前述のマックスパワーPEX8ライムグリーンで触れたようにコーティングが良いメーカーのラインは得てして、エントリーモデルのラインのコーティングも総じていい。良さに関しては前述の通り。長くサブタックルとしての機能を全うしてくれる。
最近では、シーバスが釣れなくなってくるとチヌや根魚に逃げることが多くなり、サブタックルがサブでなくなって来ることもしばしばなのだが、価格もお手頃でコストパフォーマンスを発揮してくれる「VARIVAS 8 オーシャン ブルー」。
ひとつ伝えておく事があるとすれば、使う場面が多くなると当然、マックスパワーシリーズほどのコーティングの持続力はない。なので、同社のPEにシュッを釣行後にかけておくだけで、サブ、いや、もはやメインとしても長期間トラブルやストレスも少なく使える。
快適な釣行を続けるためのラインメンテナンスのスプレーに関して。以前は専用のメンテナンススプレーではなく、ホームセンターで売られているようなシリコンスプレーを使っていたし、問題ないとまで思っていた。が、しかし、コーティングにも定評があるメーカーの商品で、釣り糸専用の特殊な配合ともなると、持続率がかなり違うなと自分で使ってみて実感。それ以来は専用のものを使っている。安価なラインほどメンテナンスが大事だという事実があるので、ぜひ合わせて使ってみて欲しい。
おすすめラインその3:VARIVAS アバニ エギングマックスパワーX9
おすすめのターゲット:エギング
号 | MAX LB. | 150m |
---|---|---|
0.6 | 14 | オープン価格 |
0.8 | 18 | オープン価格 |
1 | 23 | オープン価格 |
飛距離が正義のおかっぱりエギングにおいて、飛ばすことは絶対条件。
ここで次におすすめしたいラインはPEライン「アバニ エギングマックスパワーPEX9」。
VARIVASのマックスパワーシリーズは先ほどから触れている通り、コーティングが抜群。
加えてこのラインは8本組でなく「9本組」私自身も8本組から16本組まで、仕事柄さまざまな組数のPEラインを使用してきたが…、たしかに組数が増えればラインのガイド抜けが良いと感じることはある。しかし、実際の飛距離において、体感値を含めて「変わった! 飛んだ!」という感触は、正直少なかった。
しかし、この9本組のX9。ラインのセンターに芯材が入り、それを囲むように8本の糸で編まれる仕様。これによって、ある程度ハリがあり、かつ真円性の高い仕上がりになっているという。
キャストフィールは真っ直ぐ飛んでいくような直進性が売り。確かに風がややある日でも風を切り裂いて進むとまでは言わないが、それでも距離が安定してぶっ飛んでいる感触が強い。これは明らかに9本組がもたらす効果だと言える。
また、エギングにおいてはこの芯があることで高まった直進性にかなりメリットを感じることが多い。それは、シャックっているエギにロッドアクションの入力がはっきり伝わっている部分だ。
エギングのアクションに関しては、大きくしゃくってエギを動かす時と、細かく動かしてできるだけ動きを小さく誘い出す時など、その時の状況やアオリイカ以外のイカを狙う時に引き出しがあった方がいい。ちなみにこのX9は低伸度設計なのでロッドアクションがダイレクトに伝わり、エギを大きく動かすことが得意なラインである。
もちろん、大きく動かせるのであれば、アングラー側の調整で小さく動かすことは可能。また、感度が8本撚りのものより高く感じるので、細かな動きやアタリにしても水中の解像度やルアーの操作感がかなり高くなる。最近のラインの中では本当に一番おすすめ。
あえてデメリットをひとつだけあげるとすれば、このX9は割とハリがあるラインなので、例えばエギング中に目の前でナブラが発生した時に小さいルアーに変えて投げる場合あったとする。この場合ラインはしなやかである方がルアーのアクション(ポテンシャル)を損なわずに使える点において、しなやかなものには勝てない。
しかし、ショアジギやメタルスピン系のルアーを遠投して投げる場合であれば、もはやこのX9を選ばない理由がないほどに飛ぶ。これは忖度抜きでアドバンテージだと言える。なぜなら、エギングをするシチュエーションはタックル1本。基本はエギングをしつつも、これから夏季に入ると目の前にナブラがよく現れる。その時にナブラにルアーが届く、届かないで収穫できる獲物の数が変わってくるので、その点を踏まえてもX9は特にオススメ(青物を狙わない人だったとしても、エギは飛びと操作感が大幅に上がるのでおすすめです)。
おすすめラインその4:フィネスを極めろ! アバニ ソルトウォーターフィネスPE X8
おすすめのターゲット:ライトソルトゲーム
号 | LB. | 強度(kg) | 150m | BRAID |
---|---|---|---|---|
0.2 | 5.6 | 2.54 | ¥10,500 | 8本 |
0.3 | 7.5 | 3.40 | ¥10,000 | 8本 |
0.4 | 9.2 | 4.17 | ¥9,400 | 8本 |
2018年の発売以来、各ジャンルで熱狂的ファンの多い「アバニ ソルトウォーターフィネスPE X8」が最後のおすすめラインだ。
使っているアングラーも多いはず。やっぱりこのPEがめちゃくちゃいい。特にライトソルトゲームなどで小さいルアーをメインに使う釣りには相性が抜群なのだ。
なんと言ってもこのラインの良さは「しなやか」であること。このしなやかさが釣りにどう影響してくるのかを言えば、例えばメバリングのジグヘッドの釣り。しなやかであることで微細なアクションを細かくルアーに伝える事ができる。
ベースがジグヘッドのようなフィネスな釣りにおすすめだが、私のように、シーバス釣りでブルーブルーなどの新進気鋭なメーカーのルアーが流行っている最中、ラパラの往年の名作であるカウントダウンラパラを投げていたりもする人はこのラインを使うことでアクションポテンシャルを120%まで引き出せていると確信している。小場所での繊細なゲーム展開の時に思い出してほしい。
また、このソルトウォーターフィネスは、バスフィッシング界の超有名プロも使っているラインで、近年フィネス化が進むバスフィッシングにおいても、唯一無二と太鼓判をもらっているほど使いやすい。細かなアクションやアプローチの差で釣れる釣れないが生まれてしまうバスフィッシングにおいての評価も高く、素人の私でもその差を感じる事ができるいわば名作。
超遠投が必要な釣りに向けているわけではないが、PEでの十分な飛距離を確保しつつ、感度・強度は申し分ない。
だが強いてをいうなら値段が本当に高い。とはいえ他に変えがないというのも事実。販売店でお買い得なセールなどのタイミングがあれば、確実にストックを含めまとめて買っておいた方がいいラインであることは間違いない。
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