八百板浩司先生のバスアートがシャドーボックスとして迎賓館に登場!

八百板浩司先生のバスアートがシャドーボックスとして迎賓館に登場!

2025年6月7日と8日の二日間に渡り、日本を代表するフィッシングアーティスト・八百板浩司さんの代表作がシャドーボックスとして国宝・迎賓館赤坂離宮に展示された。国内にブラックバスが移入されて100年を迎える今年に喜ばしいニュースとなった。

●文:ルアーマガジン編集部

バスアートとシャドーボックスの融合で生まれる新たな可能性

6月7日〜8日の二日間にかけて、迎賓館赤坂離宮にて行われた展示会『伝統工芸 継承と創造』では、さまざまな絵画や工芸品などが展示され、出展作家の関係者のみを対象とする展示会にも関わらず数時間待ちの長蛇の列ができるほどの人々が訪れた。

迎賓館赤坂離宮/明治42年(1909年)に東宮御所(皇太子殿下住居)として建設された明治期の本格的な近代洋風建築の到達点。第二次世界大戦後、日本の国際社会復帰に際し、外国からの賓客を迎えることが多くなったため、国の迎賓施設として昭和49年(1974年)に改修と増築を行い「迎賓館赤坂離宮」として現在に至る。平成21年(2009年)に国宝に指定。
●所在地:東京都港区元赤坂2-1-1

 今回の展示品の中で釣り人が特に注目したいのは、シャドーボックスアーティストの王美恵子さんが、八百板浩司さんのイラスト「THE JAPANESE BASS FISHING」を元に制作した作品。昨年、バス釣り好きの王さんの息子さんからの紹介でふたりが繋がり、今回のコラボレーションが実現したのだ。

八百板浩司(やおいた・こうじ)/30年以上に渡りスポーツフィッシングを題材にしたイラストを手掛ける。躍動感のある魚の動きやフィールドの情景を力強い独特のタッチで描き、その作風は日本国内にとどまらず、本場アメリカやヨーロッパでも好評を得ている。作品の購入・依頼などはこちらのECサイトで。https://kojiyaoita.base.ec
王美恵子(おう・みえこ)/1988年にシャドーボックスと出会って以降、神戸市を中心に37年間創作活動を続けている。展示会やワークショップを通じて、シャドーボックスの魅力を伝えている。シャドーボックスMotherhood主宰。
<受賞歴>2020年 Shadow BOX Art Exhibition in Japan 参議院議員北村賞受賞/2022年 第3回全国シャドーボックス美術展デザイン賞受賞

シャドーボックスは1970年代後半から1980年代にかけてアメリカで発展したアートスタイルで、紙を何層にも重ねて立体的な絵を作るのが特徴。各層に切り込みや立体的なディテールを加え、奥行き感を出す。光と影を活かして、独自の視覚効果を楽しむことができる。

THE JAPANESE BASS FISHING
ブラックバスが日本に移入されて100周年となる2025年を迎えるにあたって、八百板氏が制作した横213センチ縦91センチの大作。沼や霞ヶ浦水系などのマッディシャローを想起させるフィールドに、後光が差したブラックバスが躍動感をもって描かれている。

「今回、息子が繋いでくれたご縁でこのような作品に携わらせていただきとても嬉しく思います。バスに迫力が出るように、エラやヒレはもちろん、鱗1枚1枚を紙の裏側から押し当てて立体感を出しました。また、周囲の背景も水面にツヤを出したり、トンボやガマが前面に飛び出しているように見せる工夫を凝らしています」。

八百板「芦ノ湖にブラックバスが移入されたのがちょうど今から100年前の1925年6月。バスをど真ん中に扱ったアート作品が迎賓館に展示されることになり、とても感慨深いです。これを出展作品に採用してくださった王先生には大変感謝しております。実は、今年僕が新たに制作した『日本のバス100年を寿ぐポスター』を元に、王先生に新しいシャドーボックスも制作していただくことになりました。皆様にもご覧いただく機会を設けようと思いますので楽しみにしていてください」。