ビギナーにお勧めする渓流用フライロッドセット【フライフィッシングの教科書/03】

さて、前回はフライフィッシングのロッドってちょっと特殊。ということを含めて、基本を解説させていただきました。ここからは、まったくの忖度なしでお求めやすいフライフィッシングのセットをご紹介。価格帯を分けて解説しておりますので参考にしてください。基本ECで買えるものから、街のプロショップで購入できるものまで幅広く紹介したいと思っています。

●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)

フライフィッシングを始めるスターターキットとは?

とりあえず、周りに教えてくれる人もいないし、釣りをやれる道具を揃えたいというタイプの方にお勧めなのはセット商品です。

メリットは、釣りに必要な基本セットが揃っており、コーディネイトされている商品になっていること。道具にこだわりがなく、釣りができればOKという人向け。デメリットは、この釣りにハマっていくと、将来的に出番が少なくなることです。

釣りもいいんだけど、フライフィッシングってキャスティングが楽しそうだな。と、そこに憧れを抱いてくださった方は、管理釣り場からの入門コースを提案します。それについては番外編として解説しますので、しばしお待ちください。

今回は、フライフィッシングを渓流を意識して本格的に初めてみたいという方に向けて解説します。辛抱強く上達という観点では先にあげました管理釣り場と呼ばれる釣り堀でキャスティングをマスターしてから渓流のフライフィッシングへ移行するほうが良いのですが、なんでも一足飛びにメインステージで楽しんでみたいという人も多いかと思います。

忖度せず厳選しましたので、下記のセットを購入しましょう。

廉価帯のセット商品(3万円以内)

ここから選んだ3セットは廉価帯でお勧めできる商品です。最近ECサイトで購入できる中国製の廉価セットについてはチョイスしていません。理由はフライラインが良くないから。はい、ラインが良くない(大事なことなので2度言いました)。です。釣りはたぶんソレでも出来ますが、そうそうに買い替えが必要になるので、全体的なコスパが悪いと判断しています。

ロッドについては、正直なところアメリカや日本の有名ロッドメーカーと同じ工場、下手をすると同じ芯棒(マンドレル)が流用されて作られた可能性が高いので性能的な問題はありませんが、1本1本、いけるいけないを確認できない以上、購入自体が博打になってしまいます。アタリを引ければそれで問題ありませんが、そのギャンブルをするくらいなら、信頼できるメーカーの商品を選ぶ方が、結果、コスパ、タイパがよくなります。レビューコメントがいいからって正直アテになりません。

ティムコ(TIEMCO) ユーフレックス・BS FFスターターキットII 803-4

必要十分なタックルです。ティムコは長くフライフィッシングという釣りジャンルを日本で支えてきたリーディングメーカー。安心して購入しましょう。4本継ぎという仕様も魅力的なセットです。セットもので重要なラインがアメリカの老舗フライラインメーカー性というのも選んだ理由です。

※このセットで釣りを始めるのに足りないもの(1)リーダー(2)ティペット(3)フライ

ダイワ(DAIWA)ロッホモア フライコンボ F803-4

言わずと知れた、釣具業界の雄。DAIWAがセッティングしたフライロッドセット。渓流から管理釣り場に至るまで網羅できるセット。アフェリエイトとしては3番ロッドのリンクを貼っていますが、4番でも問題ありません。F803-4ではなくF804-4をお求めください。自分が行きたいと思っている川が上流域で狭めなら3番、河原が広くて伸び伸びラインが振れる場所なら4番がお勧め。

DAIWAもフライフィッシングを黎明期から根気強くサポートしてきたメーカーです。

※このセットで釣りを始めるのに足りないもの(1)リーダー(2)ティペット(3)フライ

アキスコ(AXISCO) ロッド エイシスフライフィッシングキット804

Amazonなどのフライフィッシングセット検索などでも、中国系の安価なセットに埋もれてしまっていますが、アキスコというメーカーも古くから日本のフライフィッシングを支えてきたメーカーのひとつです。こちらは4番ラインのチョイスになりますが、ずっと使っていける品質となっていますのでオススメ。なにより、ロッド、リール、フライラインの基本3セットの他に、リーダー、フライ、フライボックスまでセットになっています。道糸となるティペットさえ購入すれば、ほぼ釣りになるというオールインワンの商品になっています。

※このセットで釣りを始めるのに足りないもの(1)ティペット

高価格帯セット3選(3万円以上)

プレミアムフライフィッシングセット(フルックス)

ここから先は、フライフィッシングのプロショップや釣具店で実際に見ていただいて購入して欲しい商品です。価格的にもネットで買うには、少々お値段が張る商品だからです。ぜひ実際に手に取って選んでみてください。

フルックスは日本のフライフィッシングを古くから支えてきた専門メーカーのひとつ。ここの開発者はこだわり過ぎて、意匠含めて、セットものとはいえ使い続けていくことのできるクオリティになっていますので、ピックアップさせていただきました。

7ft6inの6本継ぎ3番というのは、かなりコンパクトになりますので、源流域の釣行などに目覚めた際は、主力になりえます。リールもシンプルですので飽きが来ず先々も使い続けることができるでしょう。フライのプロショップや量販店での注文、もしくはリンクのinstagramへのメッセージで購入することが可能です。

※このセットで釣りを始めるのに足りないもの(1)フライ

ティムコ&スノーピーク/フライフィッシング スターターセット 804-4

あのティムコがスノーピークとコラボして作られた高級スターターセット。記者的には釣り人とキャンプはあまり親和性がないと思っておりますが、キャンパーと釣りは親和性があると思っています。キャンプの娯楽として釣りを、フライフィッシングをと考えてらっしゃる層にはスノーピークのネームバリューは強力でしょう。フルセット揃っているので、他に買い足さず釣りが可能です。

一部ECサイトや、小売店で在庫があると思いますので、見かけたら購入を検討してもいいかと思います。5万円超えのセットですがスノーピーカーならば…!

と、いうことで。今回はかなり厳選して選ばせていただきました。参考になれば幸いです

極上のロッドを選ぶお話は少し後にしまして、次回はフライリールというアイテムについて、お話したいと思います。フライロッドに続き、このフライリールもちょっとばかり特殊なんですよね。

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