
国内有数のスモールマウスバスフィールド、桧原湖(福島県)。ここをホームにするフルタイムプロガイドの高梨洋平さんが出演する『【バス釣り】春攻略の決定版!プロが伝授する桧原湖スモールマウスゲーム[高梨洋平]』が、YouTube VARIVAS TVで公開されている。早春のスモール攻略に欠かせない実践的な内容が盛りだくさん。要点をピックアップしたので、春の桧原湖釣行を予定している方はぜひ参考にしてほしい!
●文:ルアマガプラス編集部
水温5℃+寒の戻りのタフコンディションでもメタルバイブなら釣れる!
実釣はシーズンインしたばかりの桧原湖(福島県)。雪解けが進み春めく季節とはいえ、水温は5℃前後とかなり低い。しかも実釣前2日間は気温3℃の暴風だったという。
桧原湖は裏磐梯高原にある湖沼群の中で最大の湖。標高は822mで春の訪れは遅く、雪が解け、スロープが利用できるようになると桧原湖のバス釣りシーズンが開幕。
高梨「春の桧原湖の代表的な釣りをいろいろ紹介していきます」
という趣旨でスタートする動画はメタルバイブの釣りからスタート。
高梨「つい数年前までは桧原湖でメタルの釣りってなかったんです。それまでは早春の寒の戻りは、釣り方が開拓されてなかった。メタルの釣りを見つけてからは、いくら冷え込んでも釣れるようになりました」
その言葉どおり開始2投目でバイト!
高梨「バレたっ(笑)。ウエイトは使いやすくてバイトが多いのは5と7g。深いところは10gを使ったりもします」
メリハリか? マイルドか? メタルバイブの操作方法を変え、深いバイトを引き出す!
メタルバイブの釣りを展開するとバイトはあるが、なかなかフックアップまでには至らない。
高梨「一瞬かかってバラすのばかり。魚が群れで居れば、これを何回か続けているとしっかりかかるようになる。これはシャッドもそうで、何投もしてバイトミスがあっても、そのうちバイトが大きくなって釣れるようになる。これ、早春あるあるです」
釣り場をワンド奥に移動すると待望の1尾目がヒット。
高梨「バイトが全体的に浅くてバレてばかりだからドラグを弱めにしたら釣れましたね」
釣れたのはメスのスモールマウスバス。早春のオスとメスの見分け方や行動の違いなど、動画では桧原湖の春のスモールの生態についても解説されている。
メタルバイブの使い方はリフト&フォールが基本だが、バラシが続いていたときはメリハリの効いたロッドワーク。釣れたときはリフト&フォールをややマイルドにして喰わせた。
高梨「寒くて低活性だからこそピッピッとメリハリをつけたほうが喰うというのもあるけど、今日はそれだと喰いきれていない感じだったので。感覚的な話で実際のところはわからないですけど」
感覚的な違いを釣果をもって実証してみせた。
よりメリハリを効かせたほうが反応するときもあれば、ソフトに操作したほうが喰うこともある。メタルバイブのリフト&フォールは魚の反応をみながら調整。
視認性とアクションを重視! 高梨流メタルバイブ用ラインシステム
高梨さんはメタルバイブの釣りでPEライン0.4号を使用。
高梨「バス用のPEだとアブソルートPEがありますが、これはラインカラーがグリーン系。岸近くで使うときにカモフラしやすく、ライトグリーンのマーカーが入って視認性も良いです。
ただ、これが桧原湖みたいに澄んだ水で沖に出て、湖面に空が映るような状況だと、どうしても見にくい。とくにメタルバイブは(ロッドを)縦にさばいて、ラインスラックをしっかり観察しながら行う釣りなので、PEは視認性が重要になります」
使用ラインはアバニ ライトゲーム スーパープレミアムPE X4(バリバス)。ラインカラーはナチュラルブルーだ。
アバニ ライトゲーム スーパープレミアムPE X4(バリバス)
●号数(lb):0.2(5)、0.3(6.5)、0.4(8.5)●巻き数:100m、150m●カラー:ナチュラルブルー●価格:オープン
ライトソルトゲーム用に開発されたPEラインで、細号数でも安定した強度と耐久性を発揮。独自の非フッ素コーティング(SP-V)を施すことで、吸水による劣化を抑え、耐久性を向上させている。150m巻きは75mの中間マーキング入りで無駄なく巻きやすい。ナチュラルブルーのラインカラーは視認性が高く、色落ちや汚れにも強い。
高梨「リーダーはアブソルートショックリーダーの7lb。5g、3.5gといった軽めも使うときは、リーダーもちょっと細めのほうがアクションが良いです。メタルバイブの釣りは2kgに迫るような大きい魚も釣れるけど、このラインセッティングで切られたことはないです」
アブソルート ショックリーダー VSP フロロカーボン(バリバス)
●号数(lb):1(4)、1.2(5)、1.5(6)、1.7(7)、2(8)、2.5(10)、3(12)、3.5(14)、4(16)、5(20)●巻き数:30m●カラー:ナチュラル●価格:オープン
カバーを果敢に攻める耐摩耗性能とルアーのアクションを引き出すしなやかさを両立したバス釣り用ショックリーダー。VSPフロロカーボンの採用で、ワンランク上の強度を誇り、PEラインを使う幅広いバス釣りのメソッドに対応する。
高梨さんはメタルバイブ用にベイトタックルも用意。
高梨「ベイトフィネスでのメタルバイブのセッティングです。ラインはPE0.8号。同じ7gのメタルバイブでも0.4号と0.8号ではフォールスピードやアクションが変わる。スピニングに反応がなくなって、ベイトで入れると何尾か獲れるということがあります」
メタルバイブの釣りはラインの太さでも喰う、喰わないの差が出るということだ。
スーパートラウトアドバンス ダブルクロスPE X8 ハイビスオレンジ(バリバス)
●号数(lb):0.6号(9.6)、0.8号(11.4)●巻き数:100m●カラー:ハイビスオレンジベース(150cm毎に50cmのフラットピンクマーキング)
飛距離、強度、感度に優れたPE素材と高比重とコシの強さを持つエステル素材を組み合わせたトラウト用PEライン。ダブルクロス特有のコシの強さがガイド絡みなどのトラブルを抑制。ベイトフィネスタックルとの相性も良い。
早春の桧原湖はシャッドも必携! 春が深まるほど有効性が高まる!
メタルバイブのマイルドなリフト&フォールで釣果を出し、動画の最後には早春の桧原湖攻略で欠かせないルアーの一つ、シャッドで良型を仕留めた。
高梨「寒さに強いオスが喰ってくれましたね。卵を持つメスは環境の変化に敏感で急に冷え込んだりすると浅いところで喰わせにくい」
春の定番メソッドの一つがシャッド。早春の桧原湖でも有効だ。
水温が少し上がった午後に、桧原湖の魚の動きを読んでシャッドで釣った春らしい1尾だ。動画ではシャッドの使い方もしっかり解説。
高梨「早春のシャッドの使い方は2ジャーク、1ステイが基本ですけど、多様性があったほうが良いです。連続ジャークを試したり、暖かくなるとただ巻きのほうが効率良く釣れることもある。
ロングビルミノー系は、トゥイッチよりちょっと大きいくらいのソフトジャークが良かったり。釣りをしながら状況に合わせていろいろ試してもらえば良いと思います」
シャッドは止めたときに喰うことが多いが、季節が進んで魚が追いが活発になればただ巻きも有効。
耐摩耗性に優れたラインシステムでシャッドを操る!
高梨さんはシャッドの釣りもPEラインを使い、ラインシステムにもこだわりを持つ。
高梨「ラインはアブソルートPE X4の0.4号。4本編みで、細い糸ほど8本編みより耐摩耗性に優れる。細い糸でストラクチャー絡みを釣るときはX4が有利です」
アブソルートPE X4(バリバス)
●号数(lb):0.3(7)、0.4(9.5)、0.6(10)●カラー:ダークグリーン+1m毎モーショングリーン50cm●価格:オープン
ライン表面に独自のSP-V加工を施し、摩擦抵抗を極限まで低減。軽量ルアーの飛距離を伸ばし、PEラインならではロングディスタンスでのルアーの操作性、感度がいかせる。ダークグリーン+モーショングリーンマーキングというラインカラーはクリアウォーターでステルス性を高め、マッディウォーターでは視認性を上げる効果がある。
高梨「あとシャッドの釣りはリーダーも重要。桧原湖でシャッドを使うとハードボトムにゴツゴツと当たることが多く、リーダーが傷つきやすい。弱いリーダーを使うと簡単にアワセ切れしたり、下手をしたらアクションを入れた瞬間に切れる。
リーダーはアブソルート ショックリーダー一択。耐摩耗性が高くて、そもそも傷がつきにくいですからね。傷が入ったとしても残存強度が高いです。シャッドの釣りには8lbを使います」
メタルバイブ、シャッドに表層i字系をプラスして早春の桧原湖攻略をコンプリート!
高梨「春の桧原湖を楽しむ上で絶対に欠かせないのが表層のi字系です」
今回の動画では出番がなかったが、メタルバイブ、シャッドと並ぶ春の桧原湖3強メソッドの一つについても解説。暖かくなり、ワカサギが水面付近を漂う頃の切り札だ。
表層のベイトフィッシュを意識するバスはi字系で誘う。
高梨「i字系もラインセッティングが重要。ラインはインフィニティPE X8の0.3号。細くて強くて飛ぶ。比較的パリッとしたラインでガイド絡みなどのトラブルがないのが良いです」
軽量ルアーを使う糸フケが出やすい釣りにも適したPEラインだ。
スーパートラウトエリア インフィニティPE X8(バリバス)
●号数(lb):0.2(5.6)、0.3号(7.5)●巻き数:75m●カラー:シャンパンゴールド(1.7m毎にオレンジ+ブラック+オレンジ各5cmのマーキング)●価格:6000~5500円(税抜き)
エリアトラウト用に開発された超高密度完全8本撚りのPEライン。極細PEラインがもたらす圧倒的な飛距離と感度、そしてステルス性の高いラインカラーは水の透明度が高い山上湖のライトリグの釣りにも有効。バスに気取られずバイトが誘える。
リーダーはアブソルートショックリーダー VSP フロロカーボン(バリバス)の4~6lbを使用。
高梨「ハードルアーは6lbを使います。リーダーは表層も耐摩耗性が大事です。とくにワームの表層系は、ラインスラックを出しているので魚が吸い込みやすい。だいたい口の中にハリがかかります」
リーダーがバスの歯で擦れて、弱いリーダーは切れやすいということだ。
繊細なi字系の釣りも耐摩耗性に優れた強いリーダーが欠かせない。
高梨「ワームのi字はとにかく強いアブソルートショックリーダーを使ってほしいですね。フックは僕がプロデュースさせていただいたデスロック ステッチ。バーブレスで貫通性が高く、口の奥にかかっても魚へのダメージを最小限で抑えることができます」
デスロック ステッチ(バリバス)
●サイズ:#3、2、1、0、1/0●カラー:ステルスグレー●入り数:4●価格:オープン
縫い刺しセッティングのi字系専用マスバリ。フロロキーパー搭載でワームのズレを防ぎ、バリバス独自のゼロフリクションコートとバーブレス設計が相まって刺さりが秀逸。抜群のフッキングレスポンスとバレにくさを両立するフックだ。
さらに動画にはこんなシーンも。
ハンドジェルを取り出し、手に塗る高梨さん。
高梨「桧原湖は標高があって、早春でも紫外線が強いから手が荒れやすい。カサカサの荒れた手でPEを触ると糸がほつれたりすることがあるんです。ハンドクリームだとベタつくのでジェルで保湿。これ、大事です」
ラインにこだわり、いたわることが釣果に結びつく!
動画で紹介されている数々のテクニックは、桧原湖だけでなくクリアウォーターを湛えた標高のある山上湖でも有効なはずだ。
高梨「今回お見せした早春の桧原湖の釣り方は、来春以降ももちろん通用するので、ぜひ参考にしていただければと思います」
使用タックルデータ
メタルバイブ用(スピニング)
- ロッド:WSS-ST64L+(レジットデザイン)
- ルアー:オーバーライド(O.S.P)
- ライン:アバニ ライトゲーム スーパープレミアムPE X4 0.4号(バリバス)
- リーダー:アブソルートショックリーダー VSP フロロカーボン7lb(バリバス)
シャッド用
- ロッド:WSS 66L(レジットデザイン)
- ルアー:ハイカットSP(O.S.P)
- ライン:アブソルートPE X4 0.4号(バリバス)(バリバス)
- リーダー:アブソルートショックリーダー VSP フロロカーボン8lb(バリバス)
i字系用
- ロッド:WSS-ST66XUL(レジットデザイン)
- ライン:スーパートラウトエリア インフィニティPE X8 0.3号(バリバス)
- リーダー:アブソルートショックリーダー VSP フロロカーボン4lb(バリバス)
アングラー プロフィール
高梨洋平(たかなし・ようへい)
福島県会津出身•在住。釣りは幼少期の渓流にはじまり、18歳でJB桧原湖シリーズに参戦。24歳でJBトップ50に上り詰め2シーズン戦った後、2018年から地元の桧原湖、猪苗代湖をメインにフルタイムプロガイドとして活動している。洞察力の優れた釣らせるガイドとして人気だ。バリバスフィールドスタッフ。
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