2025年6月15日、SHIMANOが主催するシーバスイベント『EXSENCE MEETING 2025（エクスセンスミーティング）』が開催された。著名インストラクターの登壇や、新生エクスセンスが展示されるなどシーバスアングラー必見のイベントになっていた。今回、ルアマガソルト編集部員が参加して見えてきたエクスセンスシリーズの進化と魅力をレポートしていく。この記事は後編として、今夏登場予定のエクスセンスジェノスについて紹介していこう。
●文:ルアマガソルト編集部(栗林拓也)
インストラクターのワガママを詰め込んだロッド
それではインストラクターと開発の思いが詰まりまくったロッド「EXSENCE GENOS」を紹介しよう。
GENOSはSHIMANOのテクノロジーやノウハウが詰まったロッドなのは勿論の事だが、それ以上に注目すべきはインストラクターである「鈴木斉氏、嶋田仁正氏、松岡豪之氏」の3名がそれぞれ求めた釣りに対する思いや経験、そして圧倒的な釣行回数によって導き出された答えが形になったという驚きのコンセプト。
嶋田氏曰く「超ワガママロッド」だそうだ。
鈴木斉監修の『Grand Stinger』は圧倒的な“現場感”の追求
鈴木斉氏が監修を務めた「Grand Stinger」において、彼が開発チームに求め続けたのは、圧倒的な“現場感”の追求。
とくに、夜間のウェーディングゲームで頻発する「ティップへのライン絡み」この厄介なトラブルを何としても減らしたいという、強い想いが開発陣に伝えられた。その要望に応えるべく、開発チームも改良を重ねた。
何度も試作を重ね、セッティングを見直し1番ガイドと2番ガイドのポジションを詰めることで、ガイド絡みを大幅に軽減することに成功。極限まで追い込んだガイドセッティングによって、これまでにないトラブルレス性能を実現している。
ただし、ガイドを詰めるということは、ティップ側に重心が偏るリスクも孕んでいる。その課題に対し、シマノオリジナルの「Xガイド」が持つ軽量性を活かすことで、重心バランスの悪化を最小限に抑えることが可能となった。
鈴木氏の現場感と、SHIMANOのテクノロジーが融合したこのロッドは、まさに理想を形にした1本に仕上がっている。
嶋田仁正氏監修の『Dark Force』は“繊細さと力強さの両立”
嶋田仁正氏が「Dark Force（ダークフォース）」に求めたのは、繊細さと強さ。一見すると相反するこの2つの要素を、彼自身の豊富な経験と知識、そしてリールとのバランス設計によって、見事に両立させてみせた。
このロッドは、ガイドを限界まで小口径化することで圧倒的な軽量性を獲得している。しかし当然、ガイドが小さくなればトラブルのリスクも高まる。そこで嶋田氏が「セットで語るべき技術」として挙げたのが、「インフィニティループ」だ。
ガイドの極小化によるメリットと、それに伴うリスクその両方を、インフィニティループの性能で解消する。まさに「Dark Forceは、インフィニティループ搭載リールとセットで完成する」と言えるほど、両者のシステムは深く連動している。
さらに、ブランクスの径を細く、厚みを持たせた設計によって、ロッド全体に芯のある「強さ」をプラス。ティップからバットまで1本のブランクスで構成されたブランクスルー構造が、曲がりの整合性と感度向上にも貢献している。
多くのロッドを手がけてきた嶋田氏だからこそたどり着いたコンセプトに、SHIMANOの最先端テクノロジーが融合。そこから生まれたのは、既存のシーバスロッドにはない、新たな感性が宿る一本だった。
設計思想は元祖のまま。素材や技術の進化で洗練された、松岡豪之監修『Wild Contact』
「Wild Contactは、元祖のまんまなんです」。そう語ったのは、インストラクターの松岡豪之氏。もちろん、使用している素材や見た目、細かなガイドセッティングには変化がある。しかし、ロッドとしての「根本」部分は、20年前と何も変わっていないという。
EXSENCEが始動した当初、最初に生まれたロッドがこのWild Contactだった。「九州の釣りに必要なロッドはこれだ」その強い思いが、今では結論になったと松岡氏は語る。
発売当初は「硬すぎて棒のようだ」と揶揄されたこともあった。だが今や、そのWild Contactは、多くのシーバスアングラーに支持されるロッドのひとつになっている。
その「硬さ」でなければ届かない場所がある。
その「強さ」でなければ獲れない瞬間がある。
Wild Contactは、「硬くて、曲がる竿」。
「好みじゃなくて、これは必要なロッドなんです」。松岡氏のその言葉が、すべてを物語っていた。
設計図は20年前から変わらない。ただし、素材の進化によって、軽さと強度は格段に向上。何よりも、シーバスアングラーたちがこのロッドに抱くイメージや評価が、20年という時間をかけて大きく変わった。
インストラクターの感性に、全国のアングラーたちの感性が近づいてきた。その変化が、釣り人全体のレベルの進化を物語っている、そんなふうに感じさせてくれる、印象的な説明だった。
現場で感じた釣りに対する熱い想い
今回のEXSENCE MEETINGを取材して、何よりも強く感じたのは、スタッフやインストラクターたちの「釣りに対する熱い想い」だった。「プロだから」「メーカーの人だから」ではなく、一人の釣り人として、魚と真剣に向き合い、釣りという行為を心から楽しんでいる。
そんな姿勢が言葉の端々や表情から溢れていた。
SHIMANOというメーカーの魅力は、革新的なテクノロジーだけではない。そこに関わる人々、作り手、伝え手そのすべてが、釣りへの深い愛情と情熱に満ちていた。それを実感できたのは、やはり現場に足を運び、直接話を聞いたからこそだと思う。
このイベントは、シーバスアングラーにとって非常に価値があり、有意義な時間だったことは間違いない。もしこの記事を通して少しでも興味を持っていただけたなら、次回開催の際にはぜひ会場に足を運び、スタッフやインストラクターたちの感性に直接触れてほしい。
EX（特別な）＋SENCE（感性）。その名が示す通り、皆さんの釣りにおける感性が、より特別なものとなるように。
そして、より楽しく、より充実した時間を過ごすためにEXSENCEという最高の相棒を、ぜひ手に取ってみてほしい。
Quest for ONE FISH
シマノ・エクスセンスの打ち出しているシーバスフィッシングの新たな価値観。それが『Quest for ONE FISH』。
身近に生息しているターゲットなのにも関わらず、そのサイズは時に1メートルを超えるシーバス。そんな好敵手と相対する際のプロセスは何ものにも代え難く、多くの釣り人を魅了している。
自分だけの、特別な魚にたどり着くまでの道のりをシーバスファンと共有してみてはかがだろうか？
前編はコチラ
2025年6月15日、SHIMANOが主催するシーバスイベント『EXSENCE MEETING 2025（エクスセンスミーティング）』が開催された。著名インストラクターの登壇や、新生エクスセンスが展示[…]
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