次々と種類が変わるベイトパターン…この季節のシーバスはどのようにとらえるのか?『ルアー選び』の考え方を紹介

次々と種類が変わるベイトパターン…この季節のシーバスはどのようにとらえるのか?『ルアー選び』の考え方を紹介

ダイワフィールドテスターの山香です。
前回ルアマガプラスで公開された、ボラやいなっ子が大量発生している状況時での打開策の記事。見ていただけましたでしょうか。
あれから季節も進み、川や海の状況も変わってきたので、今回は季節の転換期というこの難しい時期の攻め方やプロセスを紹介したいと思います。

●文/写真:山香 巧(やまが たくみ)

前回の記事はこちら

4月から6月までの流れ

バチ抜け最盛期!というよりは、ボラの大群により大混乱を起こした4月中旬。

季節が進むにつれてバチに着く魚も増え、港湾では6月中旬まで長バチやくるくるバチを確認することができました。特に今年は潮が大きく動く時に雨が降る印象がありましたね。

その影響あってか、ハクの一つ一つの群れの規模が少なく,毎年見られるハクボイルも数は多く見られたものの、様々な場所で小規模にやっていたように感じます。

たった二ヶ月で、いなっ子の大群→バチ抜け→ハクボイルと変わっていくこの時期。短いスパンで変わる状況攻略の糸口は準備の段階から始まっていると自分は感じています。

ルアー選択

季節の変わり目には、毎年の雨の降る状況や気温の上昇の仕方、水温の変化などと様々な要素があります。毎年同じことを繰り返しているようですが年によってタイミングも違う。
桜などの植物や、バチ、ハクなどの生物でもある程度予測はつくものの、シーバスがメインに捕食しているベイトなのかはこれまた別の話・・・

なのでたったひと潮で状況が変わってしまうことも多い。

以前の大潮でバチ抜けが良かったから・・・と、バチメインのタックルボックスにしてしまうと逃してしまう魚も少なくない。かといって大量にルアーを持って行っても、荷物も多くなるし、投げたいものが多くなってしまってイマイチ絞り切ることができない。

そんな経験ありませんか?

そこで自分がタックルボックスを準備するときに気をつけていることは、「過去の潮で反応が良かったルアー」と「これからの季節で考えられうるルアー」を2色ずつ持っていくこと。

文で見たらそんなの簡単なこと・・・と、思われるかもしれませんが、これが案外難しい。ルアーが多いと人間の心理上、過去の潮で反応が良かったルアーばかり使ってしまって、その潮で少しは反応を得られても、突然季節が変わると対応が出来なくなってしまうのもよくある話です。

また、実績のあるルアーのカラーローテーションになってしまい、いざ他のルアーが必要な時に、目には見えない程度に針先が潰れていたり、錆びてしまっていたりして起こる二次災害も要注意!

ルアーが幅広く、カラーが二つあればパターンを見つけたときにある程度対応ができ、ルアーをロストしてももう一つある!次への釣行にも繋がるし、ルアーの特性もわかりやすい。

いいことづくしだからこそ、季節の変わり目は「過去の潮で反応が良かったルアー」と「これからの季節で考えられうるルアー」をタックルボックスに入れることがおすすめです。

自分が使用しているこの時期実績のルアー

前回のボラが大量発生した時のパターンでも紹介したスイッチヒッタースリム120S、スイッチヒッタースリムDH120S。

このルアーの良さはバチ抜けだけでなくサヨリやエビパターンなどにも応用できるということ。また、他の細身系のルアーよりも飛距離が抜群に出て、レンジとテールアクションも相まって魚への警戒度も少なく投げ続けていても答えが出る印象。

雨が降ったらエビは水面に浮くことが多く、ピチャピチャ水面を跳ねている時は相当強い。遠くでエビの姿が確認できても長所の飛距離でいち早く撃ち抜けるため、最近はこのパターンで連発しています。.

また、これからの季節はサヨリも河川に入ってくるので、サヨリが入ってきたらダウンクロスで使うとバイトが多発します!

サヨリはなかなか見つけるのが難しいので、ベイトが見られないような時でも、スイッチヒッタースリムシリーズをダウンでリトリーブしてきて、反応が出るようであればサヨリパターンの可能性が非常に高いです。

ルアーローテションの候補としてはヒソカ120F-SSRなどを使用してもらえるとアクションの変化でもアプローチできるのでおすすめです。

これからの時期ぜひ試してくださいね!

混合ベイトパターン時

バチ抜けばかり確認できていてもシーバスのお腹の中からはハクが大量に出てくる。最近そんな経験をしました。

アングラーとしては見えているベイトばかりフォーカスしてしまいがちですが、この時期はそのような状況も少なくない。

そんな時にはバチにもハクにも両方対応できるような、「キャロット72S」、「スライ」シリーズ、「ガルバスリム80S」がおすすめ。

キャロット72Sは、ルアーサイズとしては小粒なもののアクションは大きめ。他のこの手のルアーサイズの中では細いため、出す波動もすごくマイクロベイトやバチに酷似しています。

金属部分のアイが流れを切ってくれるため、比較的流れが速い時でも動きを崩すことなく巻いてくることができ、釣果につながる事が多いです。

スライシリーズは自分はスライ95Fとスライスリム125Fを使い分け。

混合ベイトの中でもバチ抜けやエビがメインの時はスライスリム125Fを使用することが多いです。スライスリム125Fは長バチやエビが多い中でもサイズ感では負けることなくシーバスにアピールしてくれます。

125サイズで基本I字で動きながら流れを受けるとバチのようにゆらめき、尚且つ表層を引いてこれるルアーはスライスリム125Fしかなくこの時期非常に重宝しています。

また、スライ95Fはくるくるバチやハクにも対応することができ、スライスリム125F同様、水面での魚の反応を確認できるので、その時の状況把握やシーバスのコンディションの確認にも最適です。

ガルバスリム80Sはキャロット72S、スライシリーズにはない細かいピリピリアクション。

飛距離もこの中では一番出てくれて、遠くの魚やボイルにも比較的届くルアー。

流れが効いている時はもちろん、流れがなくなった後も弱ったベイトに見えるようなアクションを自ら出してくれるので、渋い状況でも魚を引っ張り出してくれます。

この3つのルアーはタックルボックスに入れておくと安心ですよ!

梅雨時期での増水場所でのアプローチ

さて、今の時期もこれからの時期も力を発揮してくれるルアーを紹介してきましたが、これからの時期は厄介なのが雨。

今は、すでに日本全国ほとんどが梅雨入りをし、どこのフィールドも増水をしていると思います。

そんな時、ナイトゲーム、デイゲームに限らず、上流から流れてくるゴミでなかなかルアーを通せないことがあるのも事実。

その時はボラの大量発生時でのパターンでもあったフックの数を減らす釣り方がここでも活きてきます。

最近多用しているのは「ミドルアッパー」シリーズ。各サイズ展開があり、テールがピンテールのものもあれば、シャッドテールのものもありシーバスへのアプローチ方法はたくさん。

ワームを使用するとアピール力が減ってしまうが、そこを補うのが3.5インチ。

ナチュラルな見た目で,少しのロッドアクションで動くピンテールは極上です。

基本的にはただ巻きで使用OKなので、各フィールド、オープンウォーターのエリアでも使用してみてください。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございました!

みなさんがいい釣果に巡り会えることを心から願っています!

タックルデータ

ロッド:LATEO 86ML(DAIWA)
リール:LUVIAS LT3000-H(DAIWA)
ライン:PEレジンシェラー8 1号(FAMELL)
リーダー:フロロショックリーダー、耐摩耗ショックリーダー(FAMELL)