
バスフィッシングでは古来からカバー攻略に必携のオーソドックスなリグがテキサスリグ。しかし、国内では長らくの間、なぜか第一線から退いていたのも事実で、再評価を浴び始めたのはここ数年のことだ。なぜ今テキサスなのか。まずはその経緯から小森嗣彦プロが解説していく。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
小森嗣彦(こもり・つぐひこ)
JB最高峰トップ50において前人未到となる4度のA.O.Y.を獲得した“Mr.トップ50”。霞ヶ浦水系戦で滅法強く、オールスター2勝を始め数々の好戦績を誇る。
カバーで使い勝手◎ 基本にして王道のリグ
「テキサスリグって、昔からジグヘッドリグやノーシンカーリグのように、言わずと知れた基本のリグだと思います。ですが、バスフィッシングが進化していく過程の中で、リーダーレスダウンショットやパワーフィネスなどカバー攻略の新たなワザが生まれてきました。そのせいなのか、この10数年ほどはあまり注目されることがなかったのかもしれません」
小森嗣彦さんはテキサスリグの不遇な経緯を語り始めた。しかし、ここ数年は主軸に置くアングラーが増えつつある傾向にある。そこにはどんな理由があるのか。
「新しいワザ、例えばパワーフィネスなら新たな道具が必要だったり、扱いが比較的難しかったりするものです。リーダーレスはカバーに入れやすい一方で、カバーの中で誘っても想像よりアピール力が低い。いずれも釣りの幅を狭めがちな傾向にあります。だからこそ、使い勝手の良いテキサスリグが復権してきたのではないかとも考えることができます」
カバーに入れやすく、あらゆる誘いも自在。かつMHクラスのロッドがあれば即座に現場で対応できる。だからこそ釣果に直結する。あらゆるメリットがその背景にはあるのだ。
3.5は軽く、5.3は重い 『4g』の絶妙値!
進化し続けるバスフィッシングの中で、小森さんには不変のカバー攻略セッティングがあるという。それが、自身が開発したモコリークローのテキサスリグだ。
「かつてテキサスのシンカー重量は5〜7gが標準とされてきました。ですが、釣り方と道具の進化によって、シンカーはより軽いものが求められるようになってきています。ここ10数年の霞ヶ浦水系トーナメントにおける上位のテキサスリグを見ると、3.5gが標準的。それが最も軽い自重と仮定して、カバーへの入れやすさを考慮に入れるともう少しだけでも重いシンカーが欲しい。けど、5gでは重過ぎてボトムで埋もれてしまう。そこで私が愛用しているのが『スゴイシンカー4g』という絶妙な自重です」
わずか0.5gの差が、より軽快なキャスタビリティに直結。小森さんのテキサスリグの基準がここにある。
「多くのタングステン製シンカーの重量ってオンス表示ですよね。テキサスで良く使われるのは1/8oz(=約3.5g)を始め、3/16oz(=約5.3g)や1/4oz(=約7g)など。そんな中でスゴイシンカーは『グラム表示』。4gから上は5g、6gと1g刻みなのも使い勝手が良い理由です」
さらにはモコリークローとの相性も◎。別項でご確認を。
小森嗣彦のテキサスリグ必携アイテム
モコリークロー(ゲーリーインターナショナル)
●リグ:テキサスリグ
●シンカー:スゴイシンカー4g(ゲーリーインターナショナル)
●フック:スーペリオCOフック#1.5(エンジン)
カスミ水系テキサスの黄金律セッティング!
「霞ヶ浦水系バスのアベレージサイズって35〜42cm程度。そう考えると全長はモコリークローの3.5inくらいがちょうどいい」
スゴイシンカーの4gを選ぶ理由とは?
「フォール中に3.5g以下ではテールが暴れてくれない。かといって、5gや7gではシンカーが目立ちバランスが悪い。動きとシルエットのベストバランスです」
王道のテキサスリグがここにある。
3inファット ヤマセンコー(ゲーリーインターナショナル)
「モコリークローはカバー万能で、甲殻類やギルが多い時に効果的。より濃いカバーではヤマセンコー系の出番。スティックベイトのすり抜けの良さを利用してカバーへ入れ込み、枝やツルに絡めてのシェイク。ノーシンカーで使うのもオススメです」
スーペリオCOフック(エンジン)
フックにはカバー攻略用に小森さんが開発したCOフックをセット。
モコリークローには「専用に作った」という#1.5、3inファットヤマセンコーには#1、4inヤマセンコーなら#1/0を使用する。
霞ヶ浦水系戦でオールシーズン愛好者が多いモコリークローの王道セッティング。小森さん自身のウイニングルアーにも数多く貢献。時代が進化しても変わらない本当の強さがここにある。
使用タックル
●ロッド:KOMC-67MHモコリースティック(コンクルージョン)
●リール:ジリオンSV TW 1000XHL(DAIWA)
●ライン:アブソルートAAA 14lb(バリバス)
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