
H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回はH-1GPX津久井湖に参戦!「加速」がキーワードの津久井湖での戦い方は?そしてあの人気ルアーが来年、進化系となって登場!製作のこだわりについてもお伝えします。
●文/写真:大津清彰
今回はH-1GPX津久井湖に参戦!
さて、今回は津久井湖へ。H-1GPX津久井湖がらみですね。
津久井湖
久しぶりです。状況としてはまさに夏・・・。水温がぐんぐん上昇する中で、バスたちはアフタースポーニングから徐々に回復傾向に。水温は28℃、かなり高いです。ただ、津久井湖の場合、冷たい水が深い場所にも入り込み、酸素量も豊富です。
夏でもかなり深い場所まで生物が生息していますが、意外とこれは珍しいことなのです。例えば房総ではディープは無酸素になってしまうため、生物がすむことはできなくなります。津久井湖は別。タイミング的に、上流部にバスが集結する時にあたり、最上流はデカバスまみれの水族館状態・・・。ロクマルクラスもちらほら見えるレベルで、ここでハマったら大変なことになる・・・。
ただ、クセは強い。釣ってみた感じとしてパターンとして成立したのは。まずはレッドペッパーマイクロを使ったボイル撃ち。これは誰でもできる。あとはステルスペッパー70Sにウエイトを追加したルアー。ココのバスは「加速」に反応が良く、最初はゆっくり巻いて、追ってきたら徐々に加速させることで口を使わせることができました。
加速に対応させるため、ペラも強く曲げて速く巻けるように工夫しました。
ステルスペッパー70S
あと私が見つけたのはパパゾーイのカーブフォール。速すぎても遅すぎてもダメなのですが、シンクレートが決まってくると食ってくる。ただ、日曜日+試合のプレッシャーでそう簡単には釣れないと思う。他にパターンとしてあったのは、いつものステルスペッパーを使ったキャロライナリグでした。
54cm2855g
いつものとは言ったものの・・・進化系です。来年ステルスペッパー70Fはリニューアルするのですが、ステルスペッパー70FRS(フローティングライオットシールド)という名で進化します!※仮称です
写真を見ていただくとわかりますが、ライオットブレードに採用されているワイヤーガードが搭載されています。かなり長めに設定しているのですが・・・これはもうH-1GPXがライブスコープ禁止になったので生み出されたといっても良い苦肉の策ですね・・・。
ステルスペッパー70Fのキャロライナリグはもともと水中で浮くために根掛りが少なく、フラットで使う分には問題はありませんでした。しかし、最近はカバー脇にかすめるように引いてくると食ってくることが多く、この時にライブスコープを使ってかすめるように引いて使っていたのです。
しかしライブスコープが禁止になるとそれができない。カバーに絡めていくとリップ構造を持たないステルスペッパー70Fは根がかってしまうのです。そのためキャロクランクで対応する形になるのですが、やはりバイト数は減ってしまう。
ならば回転i字系を根掛りしないように工夫すればよい。ということでこのワイヤーガードを搭載する形になりました。ワイヤーガード系はディープi字ルアーに向いてますね・・・。ワイヤーの長さと角度はフィールドテストで煮詰めていきました。ヒートンの長さも変更、工夫しています。このステルスペッパー70FRSならばもはやクランクより根掛りしません!
引っかかるとすればシンカーのほうで、ルアーはほとんど根がからない。ご期待ください!
ステルスペッパー70FRS
津久井湖のキャロの場合、ベイトとスピニング両方用意します。ベイトタックルはフェンウィック LINKS 68CM-STJを使用しました。これは1/2~2oz.までのルアーを使うためでほぼ真下で使用するためのタックルです。
津久井湖は真下でも食ってきます。でしたらラインを長く出さない方が良いです。ドラッギングした時、障害物の起伏をロッドの上下動で躱していけるためです。特に岩盤を流す時に重宝します。
もう一つはフェンウィック LINKS-CT 65SLP+J。スピニングではLINKS65SMLJという番手が似ているように感じますが、バット付近の硬さとパワーがまるで違うので軽めから重たいシンカーを使うときはこのロッドとなります。
結果、津久井湖では出番がめちゃくちゃ多くなる。使用ウエイトは3/8~1oz.PEは0.8号を使用し、ちょっと距離を取りたいときに使用します。ドラグがよく効くのでバラしにくいのも魅力。ただ、フック貫通力はベイトタックルのほうが良い・・・これも悩ましい。
さて、このキャロステルスですが、使用する場所が問題ですよね・・・。場所として選択したのは串川放水路・4番から日赤までのフラット、5番両サイドです。このあたりは映像は貧相なのですが何故か釣れました・・・・。
で、試合当日。この辺りをぐるぐる回りつつ、なんだかんだバラシで苦戦し3本1650gで13位という結果になりました。
13 位でした。
結局、上流でも下流でも、勝てる可能性は誰にでもあった試合だと思います。多くの人がバラシを経験している・・・。上流組は特に2キロクラスを平気でばらしている。下流組も本当に多くの人がバラシを経験していました。私も良いサイズを2本ばらしている。
リアクションで軽く掛かるようなケースが多かったのがこの試合でした!
★タックル★
ロッド: フェンウィック LINKS 68CM-STJ
リール:アルファスエアTW
ライン: バリバス アブソルートAAA 12lb.
ルアー:ステルペッパー70FRSの2oz.キャロ
ロッド: フェンウィック LINKS-CT 65SLP+J
リール:ヴァンキッシュ2500S
ライン:エックスブレイド ゾーンフィネス0.8号
ルアー:ステルペッパー70FRSの1/2oz.キャロ
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
- 1
- 2