最新ジャークベイトが完成! ボトムアップから登場する「フランジャー」を川村光大郎さんが解説!

全国のバスフィールドを飛び回る川村光大郎さん。今回は戸面原ダムにてジャークベイト「フランジャー」の最終テスト!こだわりの性能についてお伝えします。

●文/写真:川村光大郎

戸面原ダムでルアーの最終テスト!

この一週間は、戸面原ダムと、オカッパリ&ボートにて霞ヶ浦へ釣行しました。戸面原ダムは、ジャークベイト「フランジャー」の最終テストにて、草深と同船。

プロトのフランジャー

一旦OKを出していたのですが、フックへの糸絡みが少し気になり、もう3タイプをサンプルアップ。ちなみに、草深と鈴木翔が言うには、糸絡みはほぼ起きないと。ジャークベイトは使い手やタックルバランスによって、アクションも含め最も差の出るルアー。

同じモデルでも、人それぞれの弾き方によって別のルアーかと思うほどアクションが変わってくるし、同じ人が同じように操作してもタックルによってアクションも変わる。なので、セッティングの見極めとして、少なくとも複数人で確認し合あう必要があるということです。

余談ですが、ジャークベイトの名作にビジョンワンテンが挙げられますが、異なる弾く強さやリズムでも良いアクションで応えてくれることも、釣れる理由になっていると思います。

さて、まずは3タイプをそれぞれ同数キャストし、弾く強さを変えながらチェック。結局OKを出していた、最もアクションの良かった一つが糸絡みもなく。OK後も微修正を加えていたのですが、それが功を奏したのか!?

それと、ボクが持っ ていた個体とも比較したところ、サンプルゆえのブレが生じていたことも発覚しました。ともあれ、ここからは実釣です。この日は晴天。朝イチはとうに過ぎていますから、ハードベイトに向いているとは言えないコンディション。クールウェアのバッテリーを置き忘れてきてしまい、暑い!

フランジャーで連発!

2人で7キャッチでした!

そんな状況に反して頻度よくバイトが続き、午前中だけで2人で7キャッチ!最大魚はサイトにて。おそらく稚ギルを狙って浅瀬に上がっていたバスで、その先に入れて目の前をキラつかせるとスイッチが入り、追ってきてバクッ!!

納得にて、12:00に納竿。低水温期が旬なイメージのジャークベイトですが、炎天下のバスがダレる状況においても有効であることを実感した次第です。

帰社後も草深とパッケージの決定をし、これにてフランジャーの開発を終えました。詳しくは追って紹介しますが、フランジャーに求めたのは移動距離を抑えた鋭角なローリングダートと、ストップ時の身震いとの両立。

さらに、今どきジャーク時にラトル音を響かせるのはマイナスに働くことが多いと感じるため、バスが振り向く程度のささやかなコトコト音にとどめること。上記には固定重心が適しますが、キャスタビリティに優れることも条件としています。

これらを満足のいくレベルで適えるには細かな調整を強いられましたが、昨今のフィールドにマッチしたスペックはコレではないでしょうか!ちなみに100㎜サイズにて、潜行深度はMAX2mほどです。

DAIWAロケで霞ケ浦水系へ!

霞水系へは、オカッパリはDAIWAの撮影にて。

北浦の流入河川からスタートしましたが、ブッシュが成長して大きくなっており、久しぶりに来たことを実感。

そして、幸先よく2キャッチ!

どちらもプロトの高比重ワーム「クネリ―3.6」のノーシンカーリグにて、フォール中にラインが走りました。その後は霞ヶ浦方面へ移動し流入河川を転々とするも、ノーバイト。減水していて流れがなく、流れを求めて上流にいくも浅すぎる…。バスいるの?

夕方ラストに入った流入河川だけ流れが生じており、バスもいる!しかし浅さも相まってか警戒心は高く、サイトフィッシングでこちらが見つかってしまうとダメな感じ。そこで、バスは見えなくとも先へ先へとバズベイト(プロト)をキャストしていくと、「ゴボッ!」

これは正解でしたね!

撮影の合間に水につけておいたら逃げられてしまい、写真はありませんが…。

そして土曜日は、午後からバスボートにて出船。今年はスケジュールが立て込んでいてなかなか練習できずにいたので、半日でもGo!

まだ1度しか入ったことのない流入河川まで走り、エンジンがドロ巻き上げるほど浅い水深を恐る恐るデッドスローで侵入。ボートに乗るようになって分かったことの一つに、霞ヶ浦の浅さは想像以上だったことが挙げられます。

流入河川の河口など、かなり沖合でも水深1m未満なんてことはザラ。その広さや強風時の波に対してはフルサイズボートを欲する反面、釣りをするうえでは浅瀬でも侵入できる小型ボートの方が有利という、そのギャップが霞ボートフィッシングの悩ましいところです。

ことさら流れがない状況ゆえ上流が熱いんじゃないかと、ちょっと無理してでも上がってみようと試みるも、どう行っても船底が擦ってしまい断念。

下りながら、流芯から頭を出した杭に枝が引っ掛かっている所へハリースライドを落とし込むと、上流に向かってラインが走り出す!

風が強くなってきたのでマリーナへ戻りましたが、1匹でも釣れてくれればハッピーです!

ちなみに、この時用いたハリースライドのカラーは「スモーキンベイツ」という、初代ブレーバーから採用しているカラーなのですが、正直なところ、セールス的には不人気にも関わらず今年、ハリースライドの新色として懲りずに採用しました。

やっぱり必要なんですよね!ペッパー&コパーラメとの相性も良く、エビにも魚にも化けてくれる。やや濃いめのスモークは対応する水色も広く、ハイプレッシャーなど食い渋った状況にも強い。

さして売れないので常に生産できるカラーではありませんが、自分も含め必要としてくれる人が使えるくらいには残していきたいと思っております。

霞は一雨欲しいところですね!

アングラープロフィール

川村光大郎(かわむら・こうたろう)
陸王5冠、バサーオカッパリオールスタークラシック3度制覇など、その実力が証明されている岸釣りの天才アングラー。ボートでの釣りも高いスキルを持つ。代表を務めるボトムアップでは、数々の傑作ルアーを設計。

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